概要
「失敗の科学」という本を読んだのでその中で大事だと思った点を読んだことない人向けにまとめる
失敗の科学
「失敗の科学」
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大事だと思ったこと3選
認知的不協和
これは失敗から目をそむけたくなる心理のことを示している。
読んでる人は「いやいや、そんなことしてないよ」って思うかもしれない。
自分も「失敗から目を背けてるか?」と聞かれたら「いや、ちゃんと向き合ってる」と答えると思う。
じゃあちょっと踏み込んで考えてみよう。
それってちゃんと向き合えてる??
あなたは、とある大きめの機能実装を任せられた。
ちゃんと設計をして、バグなどを生み出したくないのでしっかりテストもして、時間が足りなかったので毎日残業もした。
その機能をリリースしたところ不具合が見つかった。
調査してみるととある条件が間違っていたみたいだ。
急いで不具合を修正してリリースをした。
大きめの案件だったし考慮不足が発生してしまったのは良くないが、次回からそのようなことが無いように気をつけようと思った。
こんな体験エンジニアならよくあるのではないか?
一見失敗と向き合っているように見える。
ただ、これは失敗と向き合ったのではなく不具合と向き合ったのであって失敗そのものに対しては向き合えていないのである。
次回から無いように気をつけよう!というのは失敗を終わりにして次を向いてしまっている。
ではなんでこんなことになってしまうのか?
それは苦労して作ったものに問題があったという事実と向き合うのがしんどいのである。
それはそうだと思う、めっちゃ必死に考えて設計して、毎日残業して作ったものが完璧じゃなかったなんて考えたくない。
だってめっちゃ頑張ったんだもん。
これが認知的不協和である。
これは苦労したものであればあるほど発生しやすいらしい。
マージナル・ゲイン
マージナル・ゲインとは小さな改善のことを示す。
物事を解決しようとするときに人間はどうしても大きく改善してしまおうと考える。
そうではなく小さく小さく改善を進めていくことが大事だとこの本では述べられている。
新しいプロダクトをリリースする際「完璧にしてからリリースしよう」ではなく「小さく、必要最低限のものをリリースする」といった感じである。
そうすることで、工数を削減する他、最初のうちからフィードバックを貰えるので改善が簡単であり最終的には前者より良いものができるという。
ランダム化比較試験(RCT)
これはなにか改善を行った際に、行ってなかった場合どうなっていたのかも考えられてますか?という話である。
なにか数字を伸ばすために日々皆さん機能をリリースしたり文言を修正してみたり、色を変えてみたりといろいろしていると思う。
ただ、その変えたことに対しての計測だけでなく変えなかった場合どう立ったのかもちゃんと計測することが大事だとこの本では述べられている。
「これをすれば数字が伸びるはずだ」というものに対して実際数字が上がればこれのおかげだ!と思いこむのはわかる。
ただ、その一方で他の要因があるかもしれない。他のサービスが終了していたり、思わぬ口コミが広がっていたりと。
RCTを行わないとこの「他の要因」を見落としてしまうのである。
そのような事態を避けるために上に記載したマージナル・ゲインと一緒にこちらのRCTを行うとちゃんと効果のある施策を打ち続けることができるのである。
読んでくれた人に言いたいこと
ただ、ここ文章だけでは「そんなの当たり前じゃん」ということになってしまいそうなのでぜひ本を読んでほしい。
多くの実例を紹介していて、納得感が全然違うと思う。
ぜひ機会があれば手にとって見てください。
贔屓目なしに評価の高い本でもあるので!!
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