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はじめに

音取りする現場が病院の近くだったりすると、救急車のサイレンに影響されないか心配です。
というわけで、Mononeマイク(接触式マイク)を使ってサイレン(騒音)がどの程度きれいになるのかを検証してみました。

実験方法

測定対象

・モータ音(取りたい音)
・サイレン(騒音)

実験環境の準備

音取りする現場(工場)を再現するため、モータを準備しました。
モータの回転音を取得しました。
サイレンを再現するために、スマートフォンで音を出しました。
スマートフォンで流したサイレンは、効果音ラボにある音源を使いました。
マイクは、Mononeマイク(接触式マイク)と空間伝播マイクを使用しました。
取得状況は、以下の写真の通りです。
音データ取得状況.png

実験手順

  1. 音データは、下記の4条件で取得する
    (1)空間伝播マイク_サイレンなし
    (2)空間伝播マイク_サイレンあり
    (3)Mononeマイク(接触式マイク)_サイレンなし
    (4)Mononeマイク(接触式マイク)_サイレンあり  
  2. 取得した音データを解析する

取得した音データ

こちらが音データです。

空間伝播マイク_サイレンなし

モータ音がしっかり取れていることがわかります。

空間伝播マイク_サイレンあり

モータ音も聞えますが、サイレン音がうるさいですねー。

Mononeマイク(接触式マイク)_サイレンなし

こちらもモータ音がしっかり聞こえます。

Mononeマイク(接触式マイク)_サイレンあり

モータ音はよく聞こえますが、サイレンが全く聞こえないです。

解析結果

取得した音データのメルスペクトログラムとFFTプロットを、集音したマイクごとに「サイレンあり」と「サイレンなし」で比較してみます。

Mononeマイク(接触式マイク)_プロット

接触式マイク_プロット.png
メルスペクトログラムとFFTプロットにほとんど違いがありません。サイレン音の影響をほぼ受けていないことがわかります。

空間伝播マイク_プロット

空間伝播マイク_プロット.png
こちらは、はっきりした違いが確認できます。
まず、メルスペクトログラム上で、「サイレンあり」の方にだけ、強く反応しているメルバンドがあります。
また、FFTプロット上に、「サイレンあり」の方にだけ、強く出ている周波数が2つあります。

調べてみると、サイレン音(ピーポー音)の周波数は、

「ピー」が960Hz(厳密には970Hzでビブラートがかかっている)
「ポー」が770Hz(厳密には760Hzでビブラートがかかっている)

とのことでした。

確かに、その付近の周波数帯のメルバンドが強く反応していますねー。
FFTプロットだと、「ピー」と「ポー」のそれぞれのスペクトルの違いまでわかります。(「ピー」を赤色、「ポー」を青色でそれぞれ図示)

プロット上からも、サイレン音を拾ってしまっていることがはっきりと確認できました。

結論

空間伝播マイクだと騒音を拾ってしまいますが、Mononeマイク(接触式マイク)だと騒音のないきれいな音が取れました。

まとめ

今回はMononeマイク(接触式マイク)を使うと、騒音環境下でもきれいなモータ音が取れることを確認しました。
Mononeマイク(接触式マイク)のメリットを改めて実感できました。

今後も、騒音がうるさい現場で積極的にMononeマイク(接触式マイク)を使っていきたいと思います。

参考

効果音ラボ
サイレン音の周波数

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