#これはなに?
Unreal Engineのおまけについてくるリグ(Epic標準リグ?)
を紹介するついでにリグ付きモデルを探してみた
#まえおき
リグのついたキャラモデルというのは、
**ツール名+「Free Rig」**などで検索すればたくさん見つけられます。
ただ、そういうのはちょっとキャラやリグの個性が強すぎたりして
サクッと落書き気分でモーション付けたいんだよなーみたいなときには使いづらかったりします。
大げさじゃないけど一通りのリグがついてて、
ウェイト調整もしたくないし、モデル自体にはそんなにキャラ感がない方がいいし
…みたいなのがあるといいなって、
アプリケーション付属のを中心に、webでお見かけするのも含めて取り上げてみました。
なにかを網羅しようという意向の強い記事ではありませんのでご了承いただければと思います。
また、いいリグ、いいモデルかどうかはここでは気にしていません。
#Maya Dummy
HumanIKのサンプルとして用意されています。
HumanIKパネルを開いて「HumanIK サンプルを読み込み」を押すと、
コントロールリグつきアセットが読み込まれます。
「バイザー(Maya標準のサンプルライブラリ)」にも入っています。
中ボタンドラッグか、アイコンを右クリックして読み込みます。
#3dsMax
##Biped
3dsMax標準の、骨+リグ一体型システム。レンダリングに映ります。
##IK-joeほか
3dsMaxにも標準でサンプルが用意されています
IK-joeに至ってはすでにアニメーションが入っていてなにがなにやら(笑
右の二人はCAT (Character Animation Toolkit)のサンプルです。
#「アニメータードラフト会議」配布リグ
昨年秋に行われた催し用に配布されていたものです。
Maya用、Max用のファイルが配布されており、
キャラの他に地面と高飛び用具一式が含まれています。
##Maya用
以前バイザーに収録されていたHumanoidに、HIKリグを適用したものです。
##Max用
基本的にはBipedですが、太さなどがホネホネじゃない感じに調整されています。
(左は置いたままのbiped)
モーション専門のプロダクションMOX-MOTIONさんの配布しているリグです。
簡易なモデル、簡易なリグで、まさに落書き感覚でモーションつけたくなった時に
気軽に使えます。
キャラ性のなさも適度で、シーン構造も単純なのでいじったりしやすいです。
個人的にはこれに首、肩、つま先を足したやつで遊んでたりします。
##2016年8月5日版
配布リグが更新されました。
URLは変わらずです。
以前の版はジョイント階層にジオメトリが階層化されていましたが、
ジオメトリ、ジョイント階層、コントローラがそれぞれ整理された構造になっています。
肩・首・つま先・指といった細かい表情づけにかかわる部位が追加され、部分的に直方体ではなく傾斜のついた形状になっています。
また、配布時点でのポーズが「きをつけ」からTスタンスになりました。
#アニメーションスタイル+ 付属データ
CGWORLD誌で森江康太氏が連載されているCGアニメーション解説記事**「アニメーションスタイル」**を
書籍にまとめたもので、
購入者は付録のデータをダウンロードできます。
リアル等身、カートゥーン風キャラ男女、犬・馬が居ます。
本書が出て以降の連載もだいぶ進んでるのでそろそろ第二巻にも期待してしまいますね。
(そういえばMayaのバージョンも進んでいるので、渡らないデータとかあるかもしれません。たしかHIK前のFBIK時代ですし)
#Houdini
シェルフのCharacterタブに居ます。
一番右の人は「Mocap Biped 1」さんです、誰感あります
#ほか
Motionbuilderのは見事なキャラ立ちなので以下略
Cinema4Dにもあった気がしましたがStudioのみなんですかね。
blenderならRigifyアドオンを使う感じでしょうか。
この二者はリグにスキニングする必要がありますが。
そういえばakeytsuも使ってみたいなと思いつつまだ触れてないです
https://www.nukeygara.com/akeytsu
#UE4
冒頭に書いた通り、ここからがこの記事のメインのようなものです。
UE4にはEpic謹製のリグ+アニメーションツール**「A.R.T」**が同梱されていて、
そのサンプルが下記になります。
※A.R.T自体にはここでは触れませんので、下記を参照ください。
Maya アニメーション リギング ツールセット
アニメーションツール
リギングツール
サンプル、なかみはグレイマンさんです。
uassetからエクスポートした場合と違って、三角ポリ化される前のジオメトリです。
UEのインストールフォルダ以下の**「Extras」**の中にあります。
さらにそこから MayaTools > General > ART > Projects と降りると、
Sampleというフォルダが見つかります。
これは、A.R.Tを使うとこういうリグができますよというサンプルではありますが、
組み終わってるのでA.R.Tを有効にしてなくても動きます。
(ポーズとかは利用できませんが。)
AnimRigs > Mannequin.mb がリグの組まれたファイル、
ExportFiles > Mannequin_Export.mb がリグを組む前のグレイマンです。
開くのは前者です。
すると後者にリグが組まれた状態で開かれます。
もしリファレンスを見失っている旨が表示されたら、探して指定してあげましょう。
##リグの特徴
かなりの部分をIKで動かす仕様になっています。
肩もIK、つまり回転ではなく移動で調整します。
胴体も同様で、移動で制御します。あ、胸側は回転と移動です。
首はFK。回転制御です。
肘はポールベクターで制御なんですが
膝はちょっと特徴的で、肘とちがってポールベクターじゃないです。膝から矢印上のシェイプが出てはいるんですけど。
膝の回転は、足首のコントローラに追加されてるKnee Twistアトリビュートで行ないます。
ちなみに足のコントローラは「つま先を回転」「つま先側から足首を回転」「かかと側から足首を回転」が用意されていますが、つま先側は距離がありすぎてちょっと気持ちよくない挙動になってる気がしますがいかがお過ごしでしょうか。
各所にストレッチとスクワッシュが組まれています。
伸び縮みするグレイマンさんを見ることができます。
で、A.R.Tを有効にしてたら
ポーズの流用とかアニメーション作業を補助してくれるツール群が使えるはずです。
#まとめ
最初に触れたように、リグ付きモデル自体は探せばたくさん見つかります。
他のツールにもリグのついたサンプルがついていることもあると思います。
MMD(及びその文化)とか、UnityのMecanimとか、Adobe MixamoのAuto-Riggerとか
さまざまなアプローチでモーション付けの敷居を下げてくれる状況が分厚くなっています。
業務外の野良手付けモーションもっと盛り上がるといいなと思います。