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Railsの基本理念

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Railsの生みの親DHHが書いた基本理念をまとめました

https://rubyonrails.org/doctrine/#optimize-for-programmer-happiness
https://postd.cc/rails-doctrine/

1. プログラマの幸福度を最適化

DHHがRailsを作った理由は「自分が笑顔になるため」

論理的ではなくむしろ病的だが、自分が幸福になるために作ってきた

Railsのコミュニティは幸福のために集まり、幸福の最適化によってRailsは形成されてきた

2. 設定より規約 (Convention over Configuration、CoC)

Railsの生産性に関する初期のモットーは「無駄な個性をやめれば、平凡な決断で苦労することなく、重要な場面で仕事のスピードが増す」データベースの主キーがidか、postIdか、posts_idか、pidか議論するのは無駄設定から規約に移行することで、無駄な熟考を避け生産性を高めることができる

加えて、規約は初心者のハードルを下げてくれるRailsの規約の中には初心者が知らなくてもいいものがたくさんある彼らにはその無知ゆえのメリットがある全てを知らずともすばらしいアプリケーションを作ることができるフレームワークがただの分厚い教科書であればそれは不可能

そうすると、「全て既存のテンプレートで作れる」と思いがちだが、たいていは5%や1%でも独自の要素を持つ価値がある

規約からいつ逸脱するかは難しい逸脱したいという衝動のほとんどは熟考されておらず、レールを外れて行くことのコストは過小評価されている

  • コメント

あまり気にしたことなかったですが、Ruby on Rails の名前は「規約 (Rail)に沿ったRuby」って意味なんでしょうねhttps://jp.quora.com/Ruby-Rails-no-namae-no-yurai-wo-oshie-te-kuda-sai

3. メニューはおまかせで

プログラミングにとって、他の人に任せることの利点は、設定より規約から得られるものと似ているが、より高いレベルにある。CoCが個々のフレームワークをどのように使うのがベストなのかを考えるのに対し、おまかせはどのフレームワークをどのように組み合わせて使うのかを考える。これは、利用可能なツールを個々の選択肢として提示するという崇高なプログラミングの伝統に反するしかし、その伝統が個々のプログラマに決定する特権(と重荷)を与えてきた「仕事に最適な道具を使え」という言葉は議論の余地がないほど初歩的なことだが、「最高の道具」を選ぶには、「最高」を自信を持って判断できる土台が必要であり、これは思った以上に難しい。

そこで私たちは、Railsでは、全員にとって良いツールボックスのために、箱の中の各ツールを選ぶというプログラマーの個人的な特権を1つ減らすことにした。その結果、多くの利益を得ることができた。

1.みんなが使っていれば安全

ほとんどの人が同じデフォルトでRailsを使っているとき、経験を共有できる。共通のベースがあると、人に教えたり助けたりするのが格段に楽になる。それはより強いコミュニティの感覚を育む。

2.共通の基本的なツールボックスを人々が進化させる

フルスタックフレームワークとして、Railsは動的な部分も数多くありますし、それぞれが単独でどのように機能するのかと同じくらいに、それらがどのように組み合わさって機能するのかというのが重要になる。ソフトウェアの不具合はそれぞれのコンポーネントが原因ではなく、それらの相互作用の中で発生する。構成された複数のコンポーネントから、共通の不具合を緩和しようとみんなで取り組み、同じ状態で失敗するならば、不具合の回数を減らすことができる。

3.交換は可能だが、必須ではない

Railsは“おまかせ“スタックである一方で、他のフレームワークやライブラリと取り替えることもできる。しかし、必須ではない。つまり、たまに発生する相違に適した、明確で個人的なパレットをのちに開発することもできる。経験もあり腕のあるプログラマでさえ、メニューの中全てのものを気に入らないことは十分にある(もし、全てに満足している人がいるならば、それはRailsでまだ行き詰まっていないのでしょう)。彼らは勤勉にも別のものに交換し、それからみんなが監督し共有している他のスタックにいってみて、楽しんでいる。

4. パラダイムは1つではない

「Railsは多くの異なる考え方からできている」以外何も分からなかった…

5. 美しいコードを称える

私たちは、コンピュータや他のプログラマーに理解されるためだけにコードを書くのではなく、美しさの温かな光を浴びるためにコードを書きます。美しいコードはそれ自体が価値であり、精力的に追求されるべきものです。だからといって、美しいコードが常に他の事に勝るというわけではありませんが、優先順位には必ずあるべきです。

class Project < ApplicationRecord
    belongs_to :account
    has_many :participants, class_name: 'Person'
    validates :name, presence: true
end

これは DSL のように見えますが、実際にはただのクラス定義で、シンボルとオプションを取る 3 つのクラスメソッドを呼び出しています。派手なものは何もありません。しかし、確かにきれいで、シンプルです。この数少ない宣言から、膨大な量のパワーと柔軟性を得ることができます。

美しさの一部は、これらの呼び出しが「設定より規約」を尊重していることから来ています。belongs_to :accountを呼び出すとき、外部キーはaccount_idと呼ばれ、それがProjectsのテーブルにあることを前提としています。Personのクラス名をparticipantsのアソシエーションの役割に指定する必要がある場合、そのクラス名の定義のみが必要です。そこから外部キーと他の設定が得られます。

class CreateAccounts < ActiveRecord::Migration
  def change
    create_table :accounts do |t|
      t.integer :queenbee_id
      t.timestamps
    end
  end
end

これがフレームワークの力の本質です。プログラマは特定の規約(例えば、#changeを実装したActiveRecord::Migrationのサブクラス)に従ってクラスを宣言します。そうするとフレームワークは、それをひと通り全部調べて、これが呼び出すメソッドだと認識します。

これにより、プログラマは書くべきコードが非常に少なくなります。マイグレーションの場合、rails db:migrateを呼び出してDBをアップグレードして新しいテーブルを追加するだけでなく、rails db:rollbackでこのテーブルを削除することもできます。これは、プログラマーがこれらのことを実現するために、ライブラリを使ってワークフローをつなぎ合わせるのとは大きく異なります。

6. 鋭いナイフを提供する

Rubyは機能の中に鋭いナイフをたくさん含んでいます。それは偶然ではなく、設計上のものです。最も有名なのはモンキーパッチです。Railsで提供されるナイフはRubyで提供されるものほど鋭くはありませんが、それでも切れ味は十分です。私は、すべてのプログラマには、権利とまではいかないまでも、完全に有能なRubyとRailsのプログラマになる道があると信じています。そして、有能というのは、状況に応じて、いつ、どのように、引き出しの中のさまざまな、時に危険なツールを使うべきかを知ることができる知識を持っているという意味です。

7. 統合システムを尊重する

Railsは様々な文脈で利用できますが、一番は統合システムを作ることです。 壮大なモノリス!問題全体に対処するシステム全体です。つまり、RailsはフロントエンドのJavaScriptから、DBまで、すべてに関わっているということです。これは非常に広い範囲ですが、一人の人間が理解するのに非現実的ほど広い範囲ではありません。Railsは特に、ジェネラリストの個人がこれらの完全なシステムを作れるようにすることを目指しています。個人に力を与えることに焦点を当てているのが、統合されたシステムなのです。1つの統合システムとしての使いやすさと分かりやすさを備え、個別にチューニングされ分散されたアプリケーションの力を得ることができます

  • コメント

あまりマイクロサービスには賛成じゃなさそうですね

8.安定性より進歩

Railsのようにシステムが10年以上前から存在している場合、自然と固定化していく傾向にあります。過去の挙動に依存していた人にとって、どんな変更でも問題になる可能性があるのは当然です。しかし、あまりにも保守的になっていると、反対側に何があるか見えなくなります。進化と成長のためには現状を壊し変更する必要があります。進化することで、これからの数十年Railsが生存と繁栄をすることができます。

Railsのバージョンも上がっていっていますが、Rubyの新しいバージョンを素早く採用することで、Rubyの発展のために先頭を切って貢献するべきです。

進歩とは、結局変化を推し進めようとする人とその意欲にかかっていることがほとんどです。Rails CoreやRails Committersのようなグループに無期限の席がないのはこのためです。どちらのグループも、フレームワークの進歩に積極的に取り組んでいる人たちのためのものです。同様に、コミュニティの新しいメンバーを歓迎し、奨励し続けることが非常に重要な理由です。私たちは、より良い進歩を遂げるために、新鮮な血と新鮮なアイデアを必要としています。

9. テントを押し上げる

Railsには異論のあるアイデアがたくさん取り入れられているので、もしあらゆる考え方に対して完全に従うよう常に皆さんに求めていたら、Railsは思想的な隠者が集まるグループとしてすぐに孤立してしまうでしょう。ですので、それはありません!意見の相違が必要です。方言が必要です。思想や人の多様性が必要なのです。このアイデアのるつぼの中にこそ最高の共有物があるのです。私がしばしば重大な不満を表明してきたテスト用DSLであるRSpecの継続的な成功は、完璧な証拠です。私はなぜこれではいけないと思うのか、顔が真っ青になるまでわめき散らすことができますが、それでもRSpecはまだ花開き、繁栄することができます。その点の方が遥かに重要なのです

APIとしてのRailsの登場についても同じことが言えます。私の個人的な焦点とこだわりは、ビューを含む統合システムにありますが、クライアントやサーバを先行して配布したいと考えている人には、Railsがうまくいく余地があることは間違いありません。

大きなテントを持つということは、すべての人に万能であろうとすることではありません。すべての人を歓迎し、自分の飲み物を持ってくることを許可するということだ。他の人にも参加してもらうことで、私たちの魂や価値観を失う必要はないし、新しいおいしい飲み物の混ぜ方も学べるかもしれない。これはタダではできません。歓迎するためには努力が必要です。特に、あなたの目標が、コミュニティの既存メンバーと同じような人をさらに集めることだけが目的でない場合は、なおさらです。参入障壁を下げることは、常に真剣に取り組むべき仕事です。ドキュメントのスペルミスを修正するだけで始めた次の人が、いつ次の素晴らしい機能を実装することになるかわかりません。しかし、あなたが微笑んで、どんな小さな貢献にも感謝することで、モチベーションを高めることができるかもしれません。

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