本記事の目的
AUTOSAR R23-11の更新内容がなんとなく理解できること。
本記事ではRelease Overviewに記載されていることは、[Overview]と記載する。
僕の解釈、コメントについては[メモ]と記載する。
参照文書
R23-11 Classic Platform Release Overview
2 Summary of Changes in Release R23-11
2.1.1.1 Charging Interface
[Overview]
・「ChrgM」の追加
ISO 15118-2:2014(バッテリー式電気自動車 (BEV) またはプラグインハイブリッド電気自動車 (PHEV) と電気自動車供給装置の間の通信)に対応。
ServiceLayerのコンポーネントとして追加。
[メモ]
話題のBevのことについて全然知らないので、ChrgMがどういう仕様なのか調べてみたい。。
2.1.1.2 Secure SOME/IP-ACL
[Overview]
SOME/IPにおいて、セキュアなサービスインスタンスのみがアクセスできるようになる。
[メモ]
以前の記事で紹介しましたが、SOME/IP自体は昔から仕様として含まれているが、通信路の保護は別途必要という課題がある。
SOME/IPはService DiscoveryやRemote Procedure Callなどの通信仕様があると思うが、そこに通信相手を認証する仕組みを加えたのだろうか。。?
2.1.1.3 Firewall in Classic AUTOSAR
[Overview]
Ethernet上のメッセージをファイアウォールルールに基づき検査、フィルタリングする。
ファイアウォールルールは色々サポートしている。
さらにIdsMにセキュリティイベントを発生させることができる。
Firewall仕様より
[メモ]
FirewallのSWS仕様書のコンポーネントの図テキトーすぎない。。?
どこのLayerのコンポーネントなの?
Firewallについて詳しくないからイメージがつきにくい。。SWS読み込まないと良くわからない。
2.1.1.4 DDS Support on CP
[Overview]
システムテンプレートモデルにDDS(Data Distribution Service)のコンフィグパラメータを追加。
[メモ]
DdsとはData Distribution Serviceの略で、データのシリアライズやその逆、データのフィルタリング、データ操作などを実施する通信系のモジュールだそう。
Ddsのこと詳しくないからコンフィグパラメータの追加って言われても詳細は不明。
2.1.1.5 Deterministic Communication with TSN
[Overview]
「PTP(Precision Time Protocol)物理クロック調整のサポート」:
Ethernetでネットワークスイッチに使われるローカルクロックをマスタークロックへ同期させる精度を高める。そのため、複数のPTPハードウェアクロックのサポートなどが導入された。
「IEEE1722関連機能の導入 ストリームの処理とレガシー通信(CANとLIN)のチューニング」:
IEEE1722-2016に対応する新しいトランスポート層が導入。
トランスポート層は、オーディオ/ビデオストリームの処理と、「メディアクロック」と呼ばれる生成クロックレートの配信をサポートする。
※TSN:Time-Sensitve Networking
※PTP:マイクロ秒(百万分の一秒)単位の高精度な時刻同期を実現するネットワークの時刻同期規格
[メモ]
とりあえず、Ethernet対応のために絶対時間の同期がより正確になったことや、Ethernetを使ってオーディオやビデオなどの大容量のデータでも扱えるように拡張されたということか。。?
APだったらわかるが、CPでもオーディオなんか扱うことを想定している?
2.1.1.6 Time Validation
[Overview]
StbMの時刻検証:
同期された時刻が安全であることを確認するために、ECU内で実行可能な以下のようなチェックを行う。
- 同期プロセス自体の監視
- GlobalTimeの進行状況監視
- 時刻の整合性確認ステータスを他のSW-Cが利用可能
- 検出されたエラーの後の縮退運転(時間進行を保証)
[筆者メモ]
「The Time Validation Componen」って書いてあるけど、「StbM」のことならそう書いてくれよと思った。
2.1.1.7 Service Discovery Control for Application Software
[Overview]
BswMとSW-Cの間に、サービスディスカバリー用のインターフェースとコンフィグの追加。
[筆者メモ]
BswMの「7.8 Service Discovery Control」とかに使い方が書いてあるが、まだ見てない。
ポート名を見る感じSW-Cがサービスを使いたいとき(OfferService、Subscribe)のアクションなどが設定しやすくなったんだと思う。
変更履歴
2024/01/08 AUTOSARのURLが変わっていたので修正