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Adaptive Platform Release Overview(R23-11)

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本記事の目的

AUTOSAR R23-11 (Adaptive Platform)の更新内容がなんとなく理解できること。

本記事ではRelease Overviewに記載されていることは、[Overview]と記載する。
僕の解釈、コメントについては[メモ]と記載する。

CPについては以下に記載済み。

参照文書

R23-11 Adaptive Platform Release Overview

2 Summary of Changes in Release R23-11

2.1 Concepts

2.1.1.1 MACsec

用語:
MAC:Media Access Control
MACsec:Media Access Control Security
MKA:MACsec Key Agreement protocol (IEEE Std 802.1X)

[Overview]
AUTOSAR Adaptive PlatformとMKAおよびMACsec対応のOS間の相互作用を明確にするための新しいドキュメント(Explanation of MACsec and MKA Protocols implementation and configuration guidelines)がリリースされた。
※インテグレータがAdaptive Platformデバイス上で、MKAおよびMACsecのインスタンス構成を支援することが目的。

スクリーンショット 2024-01-07 13.57.44.png

[メモ]
MACSecとは、データリンク層のイーサネット通信を暗号化する技術のことで、プロトコルを流れるMAC(Media Access Control)フレームを暗号化するためのセキュリティ標準であり、盗聴、改ざん、なりすましなどのサイバー攻撃に対する防衛手段として挙げられる。(参照:NTT西日本 IT用語集

2.1.1.2 Service Oriented Vehicle Diagnostics

用語:
ASAM:Association for Standardization of Automation and Measuring Systems
ASAMとは
SOVD:Service-Oriented Vehicle Diagnostics

[Overview]
既存のUDSインターフェースに加えて、ASAM SOVD標準に基づくSOVDインターフェースをサポート。
これにより、HTTPSプロトコルまたはRESTfulアプローチを使用した診断の実装が可能になる。

[メモ]
ASAMとは、自動車および測定システムの標準化を推進する国際的な非営利団体。

車両の中には、従来のClassic Platformが搭載されたECUもあれば、Adaptive Platformが搭載されたHPCなども搭載される。
従来のECUは、AUTOSAR仕様にも採用されているようにUDS通信が採用されている。
UDSは静的なIDで通信するのに対して、Adaptive Platform搭載のHPCは動的にソフトウェアアップデートを実施するため、対照的となっている。
とはいえ、Classic Platform搭載のECUがなくなる訳ではないため、HPCとの共存・シームレスな統合が重要。

SOVDは、修理工場での車両診断(近接)、リモートアクセス(遠隔)、車両での直接診断(インビークル)であったとしても車両の外からはそれを意識せずに使えるように標準のインターフェースを定義している。

参考:Vector SOVD (Service-Oriented Vehicle Diagnostics)-サービス指向の車両診断

スクリーンショット 2024-01-08 0.11.39.png
画像:ASAM ASAM SOVD – 車両診断の未来

2.1.1.3 Safe API for Hardware Accelerators

[Overview]
AUTOSAR Adaptive Platformにおいて、セーフハードウェアアクセラレータの利用のための一般的なAPIが導入された。
これにより、ハードウェアを使って重いアルゴリズムを効果的に利用することが可能。

[メモ]
今回以下のドキュメントが新しくリリースされた。
Explanation of Safe API for hardware accelerators
詳細は未確認。

2.1.1.4 Tracing for Adaptive Platform

[Overview]
ソフトウェアのタイミング情報を収集するトレースアプローチを導入。
FCやアプリケーション内でトレースポイントを指定するメカニズムが提供される。
トレースデータは、トレースツールを使用して最小のランタイムオーバーヘッドで収集できます。
トレースポイントはコンパイル時に構成可能であり、マニフェストを使用して一般的にランタイムでトレースを有効または無効にすることができる。

[メモ]
Classic PlatformではDetがあるが、それに似たデバッグ用の機能か??
「Technical Report on Operating System Tracing Interface」というドキュメントが新しくリリースされているようなので確認しようとしたが、「Page Not Found」で参照できなかった。(2024/01/08時点)

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