Akamai Media Services Live 4を利用したPush配信とは
Akamai Media Services Live 4(MSL4)はライブビデオストリーミング用のオリジンサービスです。
大規模な配信(突発的な視聴者数増加を含め)になると、CDNを利用してもオリジンへのリクエストが多くなるため、オリジンのスケーラビリティを考える必要が出てきます。
MSL4は、エンコーダーからHLS/DASH/CMAFの形式でMSL4にセグメントとマニフェストファイルをPushすることができ、オリジンの負荷をオフロードすることができます。
Akamai CDNとMSL4間の通信費はかからないため、ライブオリジン間の通信コストの削減にもつながります。
アーカイブ機能も備えており、冗長性の観点ではIngest先はPrimaryとBackupが用意されているため、障害時にはIngest先を切り替えることが可能です。
本記事では、Linode上に構築したWowza Streaming EngineからMSL4を利用した配信を紹介します。
本記事での紹介範囲
LinodeでのWowza Streaming Engineの構築、Akamai Adaptive Media Deliveryの設定などは以下の記事で紹介しています。
本記事ではMSL4を導入する際の差分を紹介します。
Akamai Media Services Live 4(MSL4)の構築
MSL4の設定画面からAdd Streamを選択して新規作成を行います。
MSL4の設定を作成するため、各項目を記載してNextを選択します。
アーカイブの設定はしないため、Nextを選択
Origin Hostnameの設定を行います。
ここまでの設定内容を確認のうえ、通知を受け取るEmailアドレスを入力してCreateを押せば作成は完了です。
作成した設定を確認して、各設定に利用する項目を控えておきます。
Akamai Adaptive Media Delivery(AMD)の設定
AMDのOriginとしてMSL4を利用するように設定の変更が必要となります。
先程控えた宛先の内容で設定します。
設定後に、StagingとProductionに展開します。
Wowza Streaming Engineの設定
Wowzaからライブ映像をMSL4へPushするためにStream Targetsの追加を行います。
作成した設定を有効化します。
OBS Studioの設定
OBS StudioのStream設定をWowzaに設定した内容に合わせます。
rtmp://[LinodeのPublic IP]:1935/[Wowzaに設定したSource Stream Name]
OBSの配信を開始します。
配信の確認
AkamaiのPlayerを利用して配信の確認を行います。
https://xxxxxxxxxx.akamaized.net/hls/live/[Akamai Stream ID]/[Akamai EventName]/[Destination Stream Name]/playlist.m3u8
OBS Studioの配信時間と比較して、遅延が9-10秒程度であることが確認できました。
参考サイト
Stream to the Akamai HD network from Wowza Streaming Engine
Publishing HLS streams to MSL4.X using Wowza
まとめ
Akamai Media Services Live 4を利用することにより、ライブオリジンとなるWowza Streaming Engineの負荷をオフロードすることができます。
そのため、Linode上で用意するインスタンスサイズを小さくすることができ、大規模配信でもスケーラブルな配信環境を用意することができます。