Akamai Cloud の Object Storage とは
Akamai Cloud の Object Storage は複数のリージョンで利用可能なS3互換の低価格なストレージソリューションです。
データ量は250GBから5PB(※1)まで、オブジェクト数は100億(※1)まで拡張することができます。オブジェクトはリージョン内でレプリケートされており冗長性が担保されています。
また、インバウンド転送無料、アウトバウンド1TBまでの転送が標準の価格に含まれており、追加の転送料金は1GBあたり0.005ドルとかなり低コストなのが特徴です。
※1 リージョンやエンドポイントの種別により上限や価格が異なります、詳しくはこちらを参照ください。
高性能なObject Storageのエンドポイントがリリース
Akamai Cloud の Object Storage では、既存ストレージのエンドポイントの種類をE0, E1と分類し、今回新しくE2, E3をリリースしました。
E2, E3では耐久性が99.999999999%(イレブンナイン)となります。なかでもE3は秒間20Kリクエスト(RPS)に耐えうる高いパフォーマンスを備え、5PBまでの拡張性があるObject Storageとなっています。
このリリースにより、より高いパフォーマンスを必要とする配信のオリジンや、より大容量データを格納できるようになりました。
尚、E0, E1, E2, E3のエンドポイントの違いによる価格差はなく、同一価格での提供となります。
各エンドポイントの種類
エンドポイント | 説明 |
---|---|
E0 | レガシーエンドポイントであり、今後拡張予定はない |
E1 | E0より性能が高いエンドポイント |
E2 | 新にリリースされた高性能なエンドポイント |
E3 | 新にリリースされた最高性能のエンドポイント |
各エンドポイントの上限
種類 | E0 | E1 | E2 | E3 |
---|---|---|---|---|
最大 GET RPS | 700 RPS※ | 700 RPS※ | 5,000 RPS | 20,000 RPS |
最大 PUT RPS | 700 RPS※ | 700 RPS※ | 1,000 RPS | 2,000 RPS |
最大 LIST RPS | 700 RPS※ | 700 RPS※ | 200 RPS | 400 RPS |
最大 DELETE RPS | 700 RPS※ | 700 RPS※ | 200 RPS | 400 RPS |
その他最大のRPS | 700 RPS※ | 700 RPS※ | 800 RPS | 1,000 RPS |
容量 | 1 TB | 1 PB | 1 PB | 5 PB |
最大オブジェクト数 | 5,000万 | 1億 | 1億 | 100億 |
耐久性 | 99.99% | 99.99% | 99.999999999% | 99.999999999% |
Static Web Site | ✔ | ✔ | - | - |
Object level ACL | ✔ | ✔ | - | - |
Custom Domain | ✔ | ✔ | - | - |
※ すべての操作の合計値の上限が700RPSとなります、この値は2,000RPSまで申請によって解除可能です。
新しいエンドポイントに対応したObject Storage の作成
どのエンドポイントを利用するかは、Object Storage 作成の際に選択することが可能です。
尚、作成後に変更することはできません。
新しいエンドポイントであるE2,E3を提供しているリージョンは限られているため、こちらから対応リージョンご確認ください。

また、高性能なパフォーマンスが必要とするケースでは、サポートケースに連絡してLimitsのHighを選択できるようにする必要があります。
パフォーマンス
E0,E1,E2(Basic),E3(Basic)のObject Storageのエンドポイントに対してパフォーマンステストを実施しました。
テストはMinIOが提供するMinIOやS3互換のオブジェクトストレージのパフォーマンスをベンチマークするための「WARP」を利用しております。
ベンチマークではDELETE, GET, PUT, STAT, TOTAの計測を行うmixedコマンドを利用し、ファイルサイズを1MiB,10Mib,100Mibに分けてテストをしています。
インスタンスはDedicated 128GBを利用しています。
検証コマンド
./warp mixed \
--host [region-id].linodeobjects.com \
--tls \
--access-key XXX \
--secret-key XXX \
--region [region-id] \
--bucket [bucket_name] \
--autoterm \
--obj.size [1,10,100]MiB
ベンチマーク結果
E0<E1<E2(Basic)<E3(Basic)の性能差でパフォーマンスが発揮されており、新しいオブジェクトストレージとしての性能向上があることを証明できました。
また、今回は上限値の低いBasicにてテストしていますが、Highの場合には GET の上限値で10倍と高性能なエンドポイントとなっており、E2、E3は従来のエンドポイントと比べて大幅な性能向上が見込めるオブジェクトストレージです。
まとめ
今回は新しいObject StorageのエンドポイントであるE2,E3は高性能かつ、大容量のデータの保管でも対応できる性能を持っています。
Akamai Cloudはこの性能を同一価格で提供しており、コスパが良いサービスと言えます。
ぜひ、Object Storageを活用していただき、様々なユースケースでご活用いただければと思います。
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