久しぶりの投稿です.
4年生にとってはぼちぼち卒論の時期ですね..
僕たちも書き始めているのですが,macを使っているとwordに限りなくストレスを感じてしまいます.
(すぐにフリーズしたり,図や表がずれたり,数式の番号を意図した位置に置きにくかったり...)
こんな状況を打破するために,僕たちのグループではTeXを使っていますので,ちょっとご紹介します.
たぶんですが,情報工の人は自分の好きなエディタやキーバインドがあったりすると思います.
TeXはエディタを選ばないので,vimやvscode,atomなどなんでも書けるため,普段のエディタを使えます.
今回の内容は大学の先生が提供しているTeXのフォーマットを使っているので,git cloneしてください.
https://github.com/takago/pd_report
MacTexのインストール
brew cask install mactex
これでtexshop, TexLiveUtility, Excaliburが自動インストールされます.
TexStudioをダウンロード & インストールでも良いですが,若干重いかもしれないため,自分の好きなエディタで書くことをおすすめします.
先程のgitリポジトリの中身はabstractディレクトリが予稿,paperディレクトリが本稿です.
提供されているフォーマットではすでにいくつかのプラグインが導入されています.
上記のリポジトリでコンパイルに必須なものはlistingsパッケージのはずです.
それはこちらからダウンロードできます.
https://ctan.org/tex-archive/macros/latex/contrib/listings
ダウンロードしたディレクトリにはおそらく以下のファイル類が入っています.
- .sty スタイルファイル(パッケージの本体)
- .ins インストーラ (sudo latex ○○.ins)
- .dtx
基本的にはzipを展開したディレクトリをそのまま
/usr/local/texlive/texmf-local/tex/latex/local/
に移動すれば大丈夫です.
その後に
sudo mktexlsr
を実行することで,パッケージのリストを更新し,使用することができます.
パッケージはTeXファイルの先頭などに\usepackage{○○}
とすることで利用できます.
提供されているフォーマットではすでにスタイルファイルもしくはクラスファイルに記述されています.
また,「髙」などの特殊文字を書くにはotfパッケージを入れる必要があります.
otfstableはこちらにあります.
http://psitau.kitunebi.com/otf.html
TeXの段落について
TeXで段落を分けたいときは空行をいれる
段落をわけずに(インデントせずに)改行したいときは文末に\\
をつける
改ページしたいときは\newpage
をつける
TeXのコンパイル
上記のリポジトリにはMakefileがあります.
しかし,僕の環境では動かなかったので,今はこちらを使っています.
all:
ptex2pdf -s -l -ot '-synctex=1 -halt-on-error -file-line-error' main.tex
ptex2pdf -l -ot '-synctex=1 -halt-on-error -file-line-error' main.tex
rm -fr qt_temp.* *.synctex.gz *~ *.aux *.log *.dvi *.lol
latexmk -c
pdf: all
dvipdfmx -v -O 3 main.dvi
distclean:
latexmk -C
abstractやpaperのディレクトリ内にMakefileを作り,そこでmakeしてください.
これでもコンパイルできないときはパッケージが足りていない可能性もあるので,適宜エラーを確認してください.
図や表の入れ方
- 図の入れ方
abstractではこんな感じです.
\begin{Figure}
\centering
\includegraphics[width=\linewidth]{fig/○○.pdf}
\captionof{figure}{タイトル}\label{ラベル名}
\end{Figure}
図を参照するときは\ref{ラベル名}
とすることで,番号を意識することなく,文章を書くことができます.
番号の割り当てはTeX側がやってくれます.
本稿ではこんな感じです.
\begin{figure}[htbp]
\centering
\includegraphics[width=3.5in]{chap/fig/~.pdf}
\captionof{figure}{title}\label{label Name}
\end{figure}
[htbp]は図を入れる場所の優先順位の指定です.
- h: here, その場に入るサイズであれば入れる
- t: top, ページのトップに入れる
- b: bottom, ページの下部に入れる
- p: page, 次のページに入れる
コンパイル時に最初にhereを試し,無理ならtopに...
みたいな感じで適宜配置されます.
数式の書き方
\begin{eqnarray}
\label{ラベル名}
T_h=3600・\frac{V_2・Q}{W_N+W_S}
\end{eqnarray}
自動で数式番号を式のいい感じの位置に配置してくれます.
(wordではかなり苦労しますよね...)
当然,数式も\ref{ラベル名}
とすることで文章中で参照できます.
参考文献の書き方
main.texの最下部に追加していく.
\begin{thebibliography}{99}
\bibitem{本1(自由に変更)}
\bibitem{本2(自由に変更)}
.
.
.
\end{thebibliography}
上記で追加したものを呼び出すときは○○は~~とされている\cite{本1}.
のように書くことで,自動的に番号が振られます.
TeXの基本はこんな感じだと思います.
それでは,皆さんもwordで消耗しないTeXライフを送ってください!