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オークファングループAdvent Calendar 2021

Day 5

独自KVSデータベースを作ってみた

Last updated at Posted at 2021-12-04

初めに

オークファンの開発部に2021年新卒入社した@isodaです。
題名の通り、独自KVSデータベースの設計と開発(実装は途中)を行いました。

経緯

通信プロトコル、ファイルシステム、バイナリなどの理解。
Goを使用した開発や1から設計を行う経験の為、研修の一環として、今回の独自KVSデータベースの設計と開発を行わせて頂きました。

通信プロトコルの設計

通信はTCPを使用し、バイナリデータでのやり取りを行います。

  • DBサーバーへのリクエスト
    • KeyとValueを送る際に、どこまでがKeyでどこまでがValueなどを識別するために、識別文字を入れる方法もありますが、
      今回はバイナリセーフにしたいためKeyとValueのサイズを通信に内包する方法にしました
  • DBサーバーからのレスポンス
    • Create/Update/Deleteの際は正常を示す値(0x00) or 異常ならエラーコード
    • Readの際は正常系はリクエストのKeyに対応するValueの値 or 異常ならエラーコードが返ってくる

Create/Update(Request)

CreateとUpdateは以下のよう定義します。
Mode + KeySize + Key + ValueSize + Value

具体例:key=hoge value=fugaでcreateを行った時のイメージ

echo "\x00\x05hoge\x00\x04fuga" | hexdump -C
00000000  00 05 68 6f 67 65 00 04  66 75 67 61 0a           |..hoge..fuga.|
開始アドレス サイズ(byte)
Mode 0x00 0x01 0x00(C) or 0x02(U)
KeySize 0x01 0x01 0x01 ~ 0xFF
Key 0x02 0x01 ~ 0xFF KeySizeの値と同じバイト数の任意の値
ValueSize 0x02 + Keyのサイズ 0x02 0x0001 ~ 0xFEFD
Value 0x04 + Keyのサイズ 0x0001 ~ 0xFEFD ValueSizeの値と同じバイト数の任意の値

Read/Delete(Request)

ReadとDeleteは以下のよう定義します。
Mode + KeySize + Key

具体例:key=hogeでreadを行った時のイメージ

echo "\x01\x05hoge" | hexdump -C
00000000  01 05 68 6f 67 65 0a                              |..hoge.|
開始アドレス サイズ(byte)
Mode 0x00 0x01 0x01(R) or 0x03(D)
KeySize 0x01 0x01 0x01 ~ 0xFF
Key 0x02 0x01 ~ 0xFF KeySizeの値と同じバイト数の任意の値

ファイルシステムの設計

ファイルに実際どのように、読み書きされるかを設計しました。
バイナリファイルの中身はこんなイメージです。

スクリーンショット 2021-11-26 17.55.53.png

  • バイナリファイルへの読み書きはビッグエンディアン
  • KeyとValueとそのサイズを1つのセットとして、1ブロック0x10000byteでファイルに書き込まれる
  • KeyとValueも0埋めを行い固定長で保存
  • KeySizeに0x00が入っている場合は論理削除とする

実装

Goで実装を行なっています。

  • Client
    • 入力した値を通信プロトコルに沿ったバイナリ形式に変換してServerへ送信
    • ClientでServerから受け取ったレスポンスを表示
  • Server
    • 受け取った値をGolangの構造体に入れて、その構造体をバイナリファイルへ読み書きする処理を行い、Clientにレスポンスを返す。

ServerのCreate処理部分のソースコード

package crud

import (
	"bytes"
	"encoding/binary"
	"fmt"
	"os"
)

func (b *Block) Create() error {

	// キーの存在確認
	bf, err := b.Read()
	if err != nil {
		return err
	}
	if bf.Ks != nil {
		return fmt.Errorf("key already exist")
	}

	buf := new(bytes.Buffer)
	var data = []interface{}{
		b.Ks,
		b.Vs,
		b.K,
		b.V,
	}

	for _, v := range data {
		err := binary.Write(buf, binary.BigEndian, v)
		if err != nil {
			fmt.Println("binary.Write failed:", err)
		}
	}

	file, err := os.OpenFile(b.Cnf.FILE.Path, os.O_RDWR|os.O_CREATE|os.O_APPEND, 0666)
	if err != nil {
		return err
	}
	defer file.Close()

	_, err = file.Write(buf.Bytes())
	if err != nil {
		return err
	}

	err = file.Close()
	if err != nil {
		return err
	}

	return nil
}

終わりに

今回の経験を通して、設計では、どの様に通信プロトコルを定義すれば、バイナリセーフになるのか。
どの様な形でバイナリファイルに書き込みば、読み書きがしやすいかなどを考える良い機会になりました。
また設計をするのは殆ど初めての経験だったのですが、とても大変だが大切な工程であると感じました。
実装ではGoでの開発が初めてなので、戸惑うことも多かったのですが、今後業務でGoを使う機会もあるので勉強になりました。
設計でも実装でも先輩にレビューを頂いたり、レクチャーをして頂いたりしたのでスムーズに進めることができ、感謝しております。

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