#Kuinをビルドしたい
はてさて、なぜこのようなことになったのか。
Kuinを自前でビルドしたいのである。
理由は単純で、標準ライブラリを自力で追加したいからである。
Live2Dを組み込むため、Cubism3 Nativeを使う。
Cubism3 SDKのラッパークラスを標準ライブラリとしてビルドすることで、プログラミング言語KuinでLive2Dを使いたいのだ。
#なぜCubism3 Nativeなのか
KuinはC++とアセンブラで書かれている。
標準ライブラリの一部はKuinそのもので書かれているが、C++で書かれているものもある。
例えば wnd draw2d MFCへのラッパーか、Direct2Dへのラッパーとなっている気がする。
となれば、同じような構成で作れば、標準ライブラリを追加できるはずだ。
#なにをすべきか
主に、4つの工程に分けられる。
- Kuinの自前ビルドの確認
- Cubism3 Nativeの自前ビルドの確認
- Kuinの自作標準ライブラリの作成
- KuinにCubism3 Nativeのラッパーである自作標準ライブラリの作成
今回の記事は、1の工程について書き残す。
#事前知識
KuinのVisual Studio用のソリューションは、Visual Studio 2015で作られている。
そのため、Visual Studio 2017でビルドするに当たって、いくつか知っておくべきことがある。
Visual Studio 2017は、C++の開発環境が実質的にはオプションである。
追加でC++関連の色々なものをイントールする必要がある。
必要なものについては後から追加するのでも良い。
適時、ツールの『ツールと機能を取得』を選択し、必要なものをインストールしていただきたい。
主に、ターゲットプラットフォームをWindows8.1とするためのもの。
またツールセットをv140とするためのものである。
#Kuinのソースコードを取得
難しいことはない。
GitHubのリポジトリから取得するだけだ。
注意点として、masterはバージョンが20180817のようなので、developからダウンロードすることくらいだろう。
Kuin : https://github.com/kuina/Kuin
#プロジェクトの設定
Visual Studio 2017は、Windows10向けのビルド環境であるため、ターゲットプラットフォームがWindows10がデフォルトとなっている。
しかし、KuinのターゲットプラットフォームはWindows8.1である。これはKuinの開発当初の環境がそうであったためと思われる。
そのため、いくつかの設定を行う必要がある。
- ターゲットプラットフォームの変更
- プラットフォームツールセットの変更
- ソリューション構成の変更
- includeディレクトリのパス追加
- リンカーの入力の追加の依存ファイルのパス追加
- ビルド後イベントの追加
色々あるので、標準ライブラリの設定を参考にして変更する必要がある。
注意点として、ビルド後イベントなど、他の標準ライブラリとファイル名が被らないようにする必要がある。
#ビルド
ビルドの順番が決まっているので注意が必要だ。
詳しくはGitHubのリポジトリのREADME.mdに書いてある。
- Debug
- Release_dbg
- Release_rls
#成果物
実際にKuinの環境が生成されていれば成功だ。
現在は20190402だが、リポジトリのdevelopのバージョンは20190417だ。
この調子で残りの工程もクリアできればLive2Dの組み込みに成功することになる。
- 1. Kuinの自前ビルドの確認
- 2. Cubism3 Nativeの自前ビルドの確認
- 3. Kuinの自作標準ライブラリの作成
- 4. KuinにCubism3 Nativeのラッパーである自作標準ライブラリの作成
以上。