前回の記事から1年が経ちましたが、Advent Calendar の季節に合わせてまた記事を書くことにしました。今年も様々なAtlassian の変化があったので、個人的に印象に残ったイベントや機能アップデートを時系列で紹介します。
2024年1月
この頃に Atlassian の Cloud-to-Cloud 移行ツールが 大幅にアップデート されたようです。それまでのデータ移行は非常に負担がかかる作業でしたが、かなり軽減されるようになりました。MIXI でもいくつかのプロダクトのデータを新しいサイトへ移行しました。サイトを分けることで当然柔軟性が増えます。個別にアドオン契約やゲスト招待ができ、製品管理者に権限を渡すことで、一定のカスタマイズが可能になりました。
2024年2月
この時期に Atlassian Cloud の日本リージョンが新規に登場したようです。これまではデータレジデンシーをアジア太平洋(シンガポール)リージョンで運用していましたが、この変更によりさらにレスポンスの向上やメンテナンス時間の最適化が期待されました。しかし、「予想ダウンタイム時間:24時間以上」と表示され、MIXI では変更を断念しました。土日を含めて稼働している事業が多く、1日以上使えなくなることは厳しい状況でした。代わりに、新規で作成するサイトは日本リージョンで固定しています。
2024年5月
ラスベガスで開催された Atlassian の年次カンファレンス「Team'24」に参加しました。久しぶりの海外出張と言語の壁で不安はありましたが、現地で他の参加者や企業との交流のおかげで有意義な時間を過ごせました。日本にいてもある程度の情報は入手できますが、実際の利用者や企業の熱量を直に感じ取るにはこういったイベントに直接参加するのが最も効果的だと思います。
2024年6月
会社で利用している Jira/Confluence の一部サイトで Atlassian Intelligence 機能を有効にしました。このAI機能は2023年から提供されていましたが、社内の法務審査や利用ガイドラインの調整に時間がかかり、利用開始がこの時期になりました。社内でも注目されており、業務効率化を図りたいと考えている部門からの相談もありました。有効化直後は利用者が多かったものの、執筆時点でのMAUは全体の1割未満であり、利用の定着や促進に課題が残っています。
2024年7月
ACE Tokyo のイベントには過去に何度も参加しましたが、ホスト企業としてイベントを主催したのは初めてです。スポンサー企業や社内メンバーの協力もあり、当日に30名ほどの来訪者をスムーズに迎え入れることができました。アフターコロナでイベントが活性化しており、自社開催を通じてノウハウを得られたのは良い経験となりました。
2024年9月
Atlassian と Okta 連携特有の不具合として、漢字氏名が逆に表示される問題がありました。SCIMプロビジョニングで正しいユーザー情報をマッピングしているにもかかわらず、SSOログイン時に逆転してしまうという悲しいバグでしたが、対策 が可能になりました。手順に従ってOkta側の情報を更新する "Force sync" を実行したところ、Atlassian側のレートリミット制限が発生し、一部のユーザーが更新できなかったため、複数回の対応が必要でした。
2024年10月
「Atlassian Rovo」についての情報が増え、話題になりました。MIXI でも代理店から機能紹介やデモンストレーションを受けました。サードパーティ SaaS も含めた情報の横断検索機能は便利ですが、検索の精度や重み付けなど、Atlassian側でどのように情報をインデックス化しているのかが今後の追加情報に期待しています。
2024年11月
Atlassian Cloud Enterprise に作成できるサイト数に150の上限が設定されました。この変更自体は2023年10月頃に行われたようですが、私がその変更を知ったのはしばらく後で、改めてAtlassian側に公式な説明を求めたのがこの時期です。Atlassianも営利企業なのでこういった方針転換も一定理解できますが、無制限のサイト作成ができることもCloud Enterpriseに移行した判断ポイントの一つだったため、MIXIとしては運用方法を変えなくてはならない点が残念です。
2024年12月
リックソフト主催、アトラシアン社協賛の『アトラシアンクラウドへの移行-AIで加速するクラウドの未来を体験-』イベントで登壇し、MIXIの Atlassian Cloud 移行事例を紹介させていただきました。
当社では Cloud 移行してからもうすぐ3年が経とうとしています。移行ネタをいつまで擦ってよいか悩みましたが、まだまだ Cloud 移行の需要は多いようで、参加者からも多くのポジティブな反応をいただけました。いつか Cloud 移行した企業の担当者で座談会を開くのを楽しみにしています。
そして、2025年
来年はどのような変化があるのか楽しみです。それでは皆さん、良いお年を!