こんばんは。
12/24にPMP試験に合格しました。長期間に渡り事前の35時間研修や受験勉強で紆余曲折あったので、ここに少し記録しておこうと思います。
0.受験の背景
僕の会社では、社内資格がいくつかあり、PMの専門資格も存在しています。
PM業務をはじめた2020年から社内資格の受験を始めましたが、この社内資格を維持する要件としてPMP資格が定義されており、取得に関する情報収集を開始しました。
自社では10年程前、PMP取得推進のために事前研修35時間に相当する研修を社内研修で取得できたため、社内に200人ものPMPホルダーがいます。
当時の僕はその研修は受講せず、PMPではなくIPAのプロジェクトマネージャー試験を勉強・取得していました。当時はIPA試験を優先させる事にも迷いはなかったのですが、その後まもなく創設された社内資格ではPMPのみ必須資格となっていました。その時には社内の研修も終了しており、社内資格を取るためには独学での取得を余儀なくされました。
PMPは意外と市販の問題集や出回っているノウハウも少なく、なかなか取得までのスピードが出ませんでしたが、そうこうしているうちに、先に社内のPM資格に合格してしまいました。一年以内にPMPを取得しないと、取得した社内資格が取消になってしまいます。背水の陣でe-learningや書籍を活用して学習を開始し、なんとか期限3か月前に取得できました。時系列にすると、以下です。
2018年04月:IPAのプロマネ試験取得
2020年04月:PMをかじりはじめる。「よし、PM目指すか」と思う。
2022年01月:35時間研修受講開始
2022年12月:35時間研修受講完了(時間かけすぎ!自分いったい何してたんや)
2023年02月:JPS社の座談会に参加(https://www.jpsol.co.jp/pmp-zadankai/)
2024年07月:社内資格に合格(PMPまだ取ってない!このままだと1年で失効しちゃう。焦り)
2024年08月:eラーニング受講開始(座談会でモチベーション上げてから1年半経ってようやく着手)
2024年12月:受験→合格!
「よし、PM目指すか」と思ってから、社内資格及びPMPを取得するまで、ほぼ5年かかったことになります。そしてまだPMになった(よくわからない表現ですが、他に言い方がない)訳でもありません。業務や家庭の都合で時間が取れないと言い訳をしてきましたが、時間を自分で作り出して勉強していかなければ、資格取得もままならないなと思いました。これから学習スタイルを変えていこうと思います。
1.PMとしての実績を積む
2020年から以下の3つのプロジェクトを経験する事で、実績を積んでいきました。
(1).システムの安定化プロジェクト
1年前にリリースしたシステムの安定運用+改善対応でした。既に本番化されているシステムの安定運用はITILを意識し、改善対応はプロジェクトと認識して取り組みましたが、PMBOKを全く学んでいなかったので完全に我流でした。
(2).業務システムのリニューアルプロジェクト
足掛け3年の長期もので、初めてPMO業務を担当しました。ここでPMBOK6版のテキストを手元に置き、迷った時の判断に使うようになりました。システムそのものも未経験でとにかく分からない事だらけだったので、設計やドュメントも見ながら、実装面+管理面の双方から取り組みました。実務に適用できたか定かではないですが、PMBOKの概念を頭に叩き込むことはできましたし、迷った時の行動を選ぶのにPMBOKがかなり役立ちました。
(3).法改正プロジェクト
(2)より規模はだいぶ小さいですが、全体の責任者としてPM業務を遂行しました。何度かステークホルダーとのコミュニケーションマネジメントやスコープマネジメントで壁にあたりながらも、PMBOKガイドの知識エリア、ITTO(インプット・ツール技法・アウトプット)を意識し、プロジェクトマネジメントを繰り返し実践とともに学ばせてもらえたプロジェクトでした。こちらで教訓登録簿の運用強化に取り組み、PM学会の論文執筆のネタにもしました。
とまあこんな感じで、実務でも少しずつ研鑽してきました。小~中規模のプロジェクト(といっても決して易しくはない)を段階的に難易度を上げて経験できた点は良かったと思います。
2.事前35時間研修
PMP取得のためには、以下の条件を満たす必要があります。
・プロジェクトマネジメントの指揮・監督する立場での経験
8年以内で36か月以上のプロジェクトマネジメント経験が必要です。ただPMだけでなく、PMOでも大丈夫です。1.で述べたプロジェクトの期間を累計すれば36か月は余裕で超えるので、あまり心配はしていませんでした。
・35時間の公式なプロジェクトマネジメントの研修・教育の受講またはCAPM認定の取得
ここが問題でした。社外研修に参加してなんとか35時間を稼がなければならないのですが、とにかく受講費が高く業務調整して休暇をとったうえで受講する必要があります。しばらくしてe-learningでこの35時間を取得できるようになってきている事を知り、飛びつくことにしました。
受験申請では、受講した研修名や受講期間、PDUを入力しますので、詳細情報は提供元の会社に問い合わせて情報を入手します。
3.受験申請
1.で述べたプロジェクトの経験を英文にして申請しました。
Google翻訳が大活躍でした。
1割の方が監査に選ばれ、さまざまな証跡が必要になるそうですが、僕は意外とすんなり申請が通ったので、ここでは述べる事は多くありません。
4.受験勉強
(1). 参考書・e-learning
参考書は、有名なこれ。受験勉強はこの本だけでも大丈夫かも知れません。
あとPMBOKガイド。
実務で迷った際には非常に役立つ本なので、業務時は頻繁に参照しますが、試験合格だけを目標にする場合は、このPMBOKガイドを最初から最後まで読み込む方法は非効率だと思います。もちろんPMBOKガイドと実際のPMP試験はリンクしていますが、問題集等で練習を積まないと得点には結びつかないというのが所感です。
第6版のデカさ・重さを知っているので電子書籍にしました。7版は少し小型軽量化されたようなので購入も検討します。それにしても、もうちょっと小型の書籍を発売するとか、何とかならないものなんでしょうかね。
デジタル教材も2つ利用しました。メインはJPS社のe-learningです。
35時間研修も受講してから、JPS社びいきになっていました。実際のところこの問題演習+模擬試験を繰り返して、7~8割(9割は解けるように、とガイドされています)がマスターできれば、本試験も十分合格を狙えます。
受験2週間前に、キャンペーン中で安くなっていたUDEMYをダメ押しで購入しました。
本試験の問題に近い内容でした。模擬試験のみですが、2000円くらいで安く購入できました。これもコスパはなかなかです。
本番さながらに最後に採点するモード・1問ずつ答え合わせができるモードを選択できます。
(2).勉強方法
◆暗記カード
3月にクラウドプラクティショナーを取得した際も大活躍した暗記カードを今回も活用しました。作る手間はかかりますが、スマホより軽いし、どこでも勉強できるのでおすすめです。
◆メモ用紙
JPSのeラーニングの際には、暗記だけでは解けない問題も多かったので、考え方で躓いたところをメモしました。メモ用紙は無印のブロックメモです。
写真が学習のアウトプット(笑)です。
字汚すぎですが、頭の中はかなり整理されたと思います。やはり手を動かして書くと何らか頭の中が整理されるようです。
5.受験・合格
(1).受験
新宿会場で受験しました。
受験については色々な方がブログに書いていますが、こちらにも書いておきます。
・会場到着。身分証明書を提示します。マイナンバーカード、パスポート、免許証等です。
自分の名前のスペルを伝えて確認し、写真撮影します。受験に関する必須事項、というボードを受け取り、読んでおきます。が、すぐに名前を呼ばれてしまい、あまり内容を読めていません・・。
・ロッカーに私物をすべてしまいます。休憩時間中に飲食をして良い事になっているので、カバンから出してロッカーに入れておきます(カバンに入れっぱなしだとだめみたいです)。なのでお茶と家族からもらったお菓子を出しておきました。ここで、腕時計を外し、ポケットの中身も空にする(僕は替えボタンが入っており指摘を受けました)、携帯電話の電源をOFFにする、といった作業もします。
・呼ばれたら身分証明書とロッカーキーのみ持って試験会場に向かいます。入場前に名前や手荷物のチェックを受け、大丈夫であれば筆記用具(すぐ消えるペンとボード)を持って会場へ。
・試験開始、230分で180問を解きますが、60問を終えるごとに10分の休憩を取って良い事になっています。
60問を終えて以降の問題を解き始めると、前の60問には戻れません。ここは注意事項かも。
時間配分は、60問/70分、60問/80分、60問/80分が妥当だと思います。1問にかける時間は1分が目安です。ここが皆さん苦労するところなので、問題演習でスピード感を身に付ける事は大事だと思います。
・最初の60問終わり。手を挙げて試験官に来てもらい、外に出ます。トイレを済ませて待合室でお菓子とお茶を一口ずつ。
・次の60問終わり。だんだん疲れてきます。いちおう時間通りで、のこり80分。
・最後の60問を解く。問題を解くスピードが落ちてきて、別の考えが頭をよぎり始める。今思えば集中が切れてきている証拠だと思います。
試験終了。想像以上に疲れていました。謎の紙(後述)をもらい退出します。
(2).試験終了時にもらった謎の紙
試験終了後に、「終了の証明です」といった言葉と共に、謎の紙きれをもらいました。
試験を受けた証明書に見えましたが普通のコピー用紙。英語なのでぱっと見では分からず。
英文を少し追ってみると、SUCCESSとかCONGRATURATIONとかPASSいった単語が見えます。自宅に帰ってGoogle翻訳で見てみると、どうも「あなたはパスしました、おめでとう」といった文章のようです。ネットの他の情報によると、受験直後に暫定的な結果が分かるようです。いちおう合格したのか・・喜んでよいのかよく分からん。次の日、PMIから正式に合格通知が来て、一安心しました。
プロセス(process)は合格点、人(People)・ビジネス環境(Business environment)は合格点を上回ったようです。人(People)は学習していく中でもそこまでつまづかなかった分野だったので意外でした。
6.最後に
これで社内の必須資格は取り終えたのですっきりしました。
他の資格や、できればお休みしていた情報処理試験取得の活動を再開したいと思います!
社内で話を聞いただけですが、先述の、社内で開催されていた35時間事前研修では、受験テクニックのような指導も多く含まれていたようです。それにより合格者数を増やす事にもつながったと思います。
僕の場合、その恩恵を受けなかった残念さはあったものの、深い理解をともなう学習を長期間に渡って実施したおかげで、PMBOKの体系的な考え方は身についたと思います。
体系的な知識や理解があれば、カリスマや勢いがなくても、プロジェクトをリードする事ができると感じています。もちろんカリスマや勢いは重責を担っていくために必要ですが、根が技術者の僕からすれば、PMBOKをプログラム言語を覚えるように理解して使える事が重要だと考えています。
今後もプロジェクトマネジメント技術を積み重ねて実務で発揮できるよう、がんばっていきます。
※試験の際には、陰ながらさまざまな方の支援や応援をいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。
7.番外編(暗記カードの中身)
「こういう点が重要」と思った事、間違いやすかったことを暗記カードにして電車などで読み返しました。
自分自身の備忘の意味も含めて、ここに書いておきます。
暗記カード
テクニカルスパイク
→事前にチームがテクノロジーを試す事(PoC、プロトタイプ、概念検証)
対立についてすべきこと
→会議室に呼び、相違点を話す(オープンな議論)
理想日見積
→見積もりを理想的な日数で見積もる
(理想=集中的にやったときの日数(1日中タスクに取り組む場合)
トリプルニッケルス
→全員の意見を知り、共有できる手法
・5分ブレスト
・紙に書き、隣の人に渡す(5分)
・それをもらった人はアイデアを参考にアイデアを出す(5分)
・元に人に紙が戻るまで繰り返す
ベロシティ
→作業を進める速度、作業量。
チームによって違うものなので、数字をチーム間で比べる事は意味がない。
アジャイルマニフェスト
→アジャイルについて述べた文書
(ドキュメントより動くソフトウェアを、、)
ユーザーストーリー
→アジャイルの要求事項。フィーチャーともいう。
「Readyの定義」における事業価値基準
→スプリントに取り込まれる準備ができたときの合意
信頼関係の構築に良いのは?
→対面
リーダーシップの型
→1.指示 →立ち上げ、成立時。迷走・立ち止まりがないようにする。
2.参加 →成長過程のチームを激励。自分は環境整備をする。
3.委任 →最小限のリーダーシップ
4.支援 →信頼関係・感情面を重視
マトリクス型強→資源の可用性があるか?(要員の融通が利くか?)
マトリクス型弱→
機能部門型 →人事権限などは全くなし。
サーバントリーダーシップ
→何をすべきか、の代わりに耳を傾ける
話しやすい環境を用意する
アジャイルで進捗に影響が出る課題に逢ったときは?
→優先順位付けの検討(スケジュール固定の考え方をしない)
強制や指示
→あまり歓迎されない考え方のようではあるが、
健康や安全にかかわるコンフリクトのように、ただしに問題解決が
必要な時に使う。
プロダクトロードマップ
→成果物のリリースの順序を示すための道筋
プロダクトオーナーが作る。
フィーチャー
→ビジネスバリューを提供し、ニーズを満たす機能
プロダクトバックログ
→適切な詳細度、創発性、見積優先付けを付ける。
かんばんシステム
→リーン精算方式。スループットを上げる。効率を上げる。
シックスシグマブラックベルト認証を取得したコンサル
→欠陥の原因を特定、排除するのに有効
ローリングウェーブ
→短期的な作業を計画。徐々に詳細化する。
ジャストインタイム(JIT)
→必要な時だけ製造・受け取りをする方式
プロダクトバックログバーンアップチャート
→出来具合が分かる。
(成果が累積されたチャートが右上がりになる)
デイリースクラム
→チーム全員で認識合わせ
個別具体的な作業はオフラインでやるようにする
(話題が逸れてしまわないようにする)
インクリメンタル開発
→一気に完成させず、中核部分を先に構築し、逐次機能追加する。
ミニウォーターフォール
→適応型に慣れず、ウォーターフォールからのxxが不十分な時に発生する。
前のこじゅていが終わらないと次にいけない、とか・・。
漸進型
→計画~移行を繰り返す。
偏光頻度は低、引き渡し頻度が高い(イテレーションの中でやるから)
反復型
→ 設計で何回もやりとりして洗練させる。
コンティンジェンシー予備
→リスク対応としては受容に該当する。(軽減ではない)
PJT予算内に入っている。その上にマネジメント予備がある。
ケイデンス
→秩序とリズムで軌道に乗せる
コンフリクトの対応の順序
→調査→発生源と段階→原因究明→問題の経緯や背景→解決策を実行
SVが小さい時
→EV-AC。時間を多く使っているときはプラスになる。
EAC
→完成時総コスト見積もり
完成した時のACに、ETC(残作業見積もり)を加えたもの
BAC/CPI
NPV
→現在価値
IRR
→内部収益率
リスク許容度
→組織体の環境要因。
プロジェクトではなく、企業レベルで設定するもの。
EMV
→期待金額価値。
利益(もうけ-投資)と、その起きる確率を乗じたもの。
クリスタル方法論
→プロジェクトの規模とプロジェクトの重要性に基づいて拡張性、厳密性を提供するアプローチ
タイム&マテリアル
→実費・定額の両方。短期的、専門家の外部支援等で利用。
コスト・プラス定額フィー
→コスト追加作業(利益考慮しない)
リーン・スタートアップ
→先端的・高難度の対応
Doneドリフト
→Doneの定義の変化で目標が遠く成ってしまうこと
リバースシャドーイング
→前任者が後方でチェックする。
資源円滑化
→リソースの最適化の一つ。
もう一つは平準化。
アクティビティのフローとの範囲で調整する事。