外国人エンジニアと日本語で円滑なコミュニケーションを図るためのポイント
日本はグローバルなテクノロジー産業において重要な位置を占めており、多くの外国人エンジニアが日本の企業やプロジェクトで活躍しています。しかし、外国人エンジニアとの円滑なコミュニケーションは、言語の壁や文化の違いによって課題が生じることがあります。その中でも、日本語の特有のニュアンスや表現、ビジネスカルチャーに慣れることは、外国人エンジニアにとって特に重要です。この記事では、「外国人エンジニアに伝わる日本語」に焦点を当て、効果的なコミュニケーションを実現するための方法やポイントを紹介します。
1 やさしい日本語で話す
「やさしい日本語」とは、普段使われている言葉を外国人にもわかるように配慮した、簡単な日本語のことです。
①ゆっくりはっきり話す
日本人が普通のスピードで話すと、外国人は不慣れなため知っている言葉や表現でも聞き取れません。
②「です・ます」体の簡単で丁寧な日本語を使う
外国人は「です・ます」体を学習し、その後「わかる?」「行かない」「元気だよ」という普通の文体(普通体)を学びますが、一般研修終了時には普通体を使いこなせるまでにはなっていないからです。
<例>
わかる?⇒わかりますか?
行かない⇒行きません
元気だよ⇒元気です
③ やさしい言葉や表現を使う
漢語やあらたまった表現、逆にくだけた表現は避けます。外国人が初級で学習する語彙は約800単語しかありません。「食べます」「話します」といった基本的な語彙に限られていて、「食べます」に対しての「くう」、「話します」に対しての「しゃべる」などは学んでいません。
<例>
召し上がる⇒食べる
土足厳禁⇒くつをぬいでください
キャンセルする⇒やめる
④ 短い文で話す
何かを説明する場合、重文や複文のような長い文はなるべく避けて、短く簡単な文を繋いで話すようにしてください。初級で学習する文型は約75ありますが、「~ので、~」「~たら、~」といった複文はある程度の習熟期間が必要なためほとんどの人が使いこなせません。
<例>
私の家は宮崎市内で、駅から近いです。
⇒私の家は宮崎市内です。駅から近いです。
ここは危ないので、入らないでください。
⇒ここは危ないです。ですから入らないでください。
⑤ 方言を使わない
外国人はどこでも誰にでも通じる標準語を学んでいます。方言や世代に特有の言葉や言い回しはわかりません。
⑥ 意味のない言葉を使わない
普通日本人は「あのですね」、「えーとね」、「あー、なんかね」といった意味のない言葉を無視して聞いています。しかし外国人にはそれに意味があるかないかがわからないため全体の意味を捉えそこなうことがあります。
2 理解を助ける動作や身振り、絵や筆談といったさまざまな手段を利用する
言葉だけでは分からない場合でも、身振りや手まねを入れたり、図を描いたりすると、分かりやすくなり、理解が進むことがあります。また知っているのに聞き取れないだけの場合も多く、その言葉や表現をローマ字や仮名で書くだけでも分かることもあります。
3 一方的に話さず、理解したかどうか確認しながら話す
確認する場合は「わかりますか」と聞くだけでは不十分です。適度に説明を中断して、内容をもう一度言わせたり、質問に答えさせたりして理解を確認することが重要です。
外国人エンジニアに伝わる日本語のポイントとして、外国人の日本語スキルに合わせたアプローチが重要であることを紹介しました。言語の壁は誰にとっても克服が難しいものですが、お互いに理解し合うことで、プロジェクトや仕事がより円滑に進むことを願っています。