ポイントサンプリングツールは、背景地図の情報をベクタポイントに取り込むためのプラグインです。
下のような遺跡のポイントベクタに背景の標高ラスタから標高値を取得し結合します。
ポイントサンプリングツールのインストール
- プラグイン→プラグインの管理とインストール
- Point sampling toolを選択し「インストール」
ポイントサンプリングツールを使用する
- 「プラグイン」→「Analyses」→「Point Sampling Tool」
- Layer containing sampling points:ポイントベクタを指定
- Layer with fields/bands to get values from:サンプリングしたいレイヤ(この場合は標高ラスタ)
- Out put point vector layer:新たなデータを付値したポイントベクタファイル名
- 「OK」
「DEM_utm54」というフィールドをもつベクタデータが生成されます。
フィールド名はサンプリング先のファイル名になります。
元の遺跡ポイントベクタと結合する
新たに生成された標高値をもつポイントベクタは、元の遺跡ポイントベクタの情報をもっていません。そこで、2つのレイヤを結合します。
- 新たに生成されたポイントベクタを右クリック
- テーブル結合→「+」をクリック
- 結合するレイヤ:元の遺跡ポイントベクタ(結合される側)
- 結合基準の属性:結合される側のキーとなるフィールド(標高値をもつポイントベクタ)
- ターゲット属性:結合する側のキーとなるフィールド(元の遺跡ポイントベクタ)
- 「OK」
元の遺跡ポイントベクタのフィールドが付値されます。
データをエクスポートして保存する
新たに付値されたデータは、QGIS上で仮想的に結合されているため、標高値をもつポイントベクタファイルには書き込まれていません。付値されたデータを保存するためにはエクスポートして書き出します。
立地を分析する
遺跡ポイントベクタに付値された標高や傾斜角度はcsvなどにエクスポートして遺跡立地の分析に使用できます。
北海道では縄文時代後期・晩期に低湿地の遺跡が多く見つかる印象がありますが、実際の遺跡標高からも、早期・前期・中期の「縄文前半期」では標高の高いところに遺跡が立地し、後期・晩期になると低標高の場所に遺跡が形成される様子がわかります。
一方、遺跡の立地傾斜は前半期と後半期で差がないように見え、縄文前半期は高台の平坦地、後半期では低地よりの平坦地に居住領域を選定したという仮説が成立しそうです。