QGIS3.x系からGeopackage(.gpkg)というファイル形式がデフォルトになりました。喜多耕一さんの森林土木メモでもかなり以前から紹介されています。
QGIS3からはGeopackageが使いやすいぞ!脱シェープファイル!
しかし、意外とどうやって使ったらよいのかということが知られていないように思います。
新規Geopackageファイルの作り方
「レイヤ」→「レイヤの作成」→「新規Geopackageレイヤ」とすすみます。「レイヤの作成」メニューの一番上にGeopackageが表示されています。「これを使え」ということなのでしょう。
以下のようなウィンドウが開きます。
- 「データベース」に適当なデータベース名を入力
- 「レイヤ」がシェープファイルではファイルに相当する概念です。
- ジオメトリタイプを「ポイント」、「ライン」、「ポリゴン」の中から選択
- フィールド名を入力 ここでは遺跡名をフィールドとして登録しました。
「データベース」という概念はシェープファイルにはなかった概念ですが、複数のオブジェクトを一つのファイルに格納します。複数のシェープファイルを一つのデータベースに格納するイメージです。
複数のデータを一つのGeopackageにまとめる
「遺跡」、「等高線」、「河川」、「DEM」の4種類のファイルがあるとします。これを、先ほど作成した「data」データベースに格納します。
QGISに読み込んだファイルを右クリックして「エクスポート」→「地物の保存...」と進みます。
QGISのファイルブラウザの更新ボタンクリックすると、data.gpkgに「等高線」が追加されていることがわかります。
同じように、河川データも一つの「data.gpkg」に格納します。ラスタデータも格納したいところですが、tiffデータを格納するのは無理っぽいです。
スタイルを保存する
線種や色などのスタイルをGeopackage内に保存できます。スタイルを適用するのはけっこう面倒だったのでこれは便利です。
右クリックして「プロパティ」を呼び出し「シンポロジ」タブ→「スタイル」→「スタイルの保存」と進みます。
デフォルトは「QGIS QMLスタイルファイルとして」で.qml形式でスタイルファイルを保存しますが、
「データベース(Geopackage)」を選びます。
「スタイルの読み込み」で「データベース(Geopackage)」を選択するとGeogackageに保存したスタイルを呼び出すことができます。
データが増えてもファイルが一つにまとまっていることと、データを読み込んだ時点でスタイルも読み込まれるのでスムーズに作業が進みます。
どのファイル形式がよいのかはよくわかりませんけど
ベクタデータのファイル形式についてはGeopackageが正解、ということではなく、岩崎さんのスライドでもGeoJsonやSpatialiteがおすすめされています。
地理データ形式のこれから
でも、「よくわからん」っていう人にはQGIS一押しのGeopackageを最初の選択肢にしてもよいと思います。