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LaTeXで修論を書く(Overleaf使う)

Last updated at Posted at 2018-06-08

#この文章の目的
研究室配属された学生の大仕事といえば卒論,修論。

去年からたまに大学教員やってる関係で,そのチェックをしたいですが,物理的に距離があるところなので,なかなか行けない。
というわけでクラウドで文章を共有できると楽でいいなと思います。

最近,クラウドでLaTeXの原稿を共有できるOverleafがバージョン2になったということで,盛り上がってるのでそれを使って,修論を書くための説明を書いたのがこの文章です。

注釈 クラウドでいいならGoogle Docsとかでもいいじゃないとかありますが,そこはあえて無視します。

#LaTeXとはなにか?
細かいことはググってもらうとして,LaTeXは数式がいっぱい出てくるような文章をきれいにかけるツールです。
(Wordでも数式かけますが,やっぱりLaTeXのほうがきれい)
個人的には文章が長くなったときに,Wordだとファイル開くだけで時間かかるのに対して,LaTeXだとテキストファイル編集するだけなので重くなるとかないのがいいなと思っています。

入門的なことは下記参照
https://texwiki.texjp.org/?LaTeX入門

#Overleafを使う
LaTeXを使う上で,面倒なのが,最初に環境を準備するところです。感じとしてはFortranとかCの開発環境を整えるのと似た感じです。
最近はLaTeXをWebブラウザ上で使えるサービスがいくつか出てきます。(CloudLateXとかShare LaTeXとか)
その1つがOverleafです。
https://v2.overleaf.com/project

使うためにまずはユーザー登録します。

Overleafのポイントとしては,

  • Web上でかけるので,自分のPCにLaTeXの環境を作らなくても使える。
  • 人と共有できる。(ここ重要)
  • チャット機能があるので,チャットしながら文章直せる。

##日本語文章の作成
Overleafでは英語の文章作成が基本ですが,日本語文章も作れます。やり方がいくつかあるみたいです。
Overleaf v2 で日本語を使用する方法

一番簡単そうな方法を使います。

  1. Overleafではプロジェクトを作ってから,文章を書きます。なので,最初にBlank Projectを作ります。
  2. 次に,できたプロジェクトのmain.texの頭の部分(\documentclass{article}と\begin{document}の間)を以下のようにします。
\documentclass[a4paper]{bxjsreport}

\usepackage{fontspec}
\usepackage{zxjatype}

\setjamainfont{ipam.ttf}
\setjasansfont{ipag.ttf}
\setjamonofont{ipag.ttf}
  1. Overleafの”Menu”> "Settings"> "Compiler"から"XeLaTeX"にします。
  2. main.texの\begin{document}と\end{document}の間に日本語の文章を書いてから,右上にあるCompileもしくはRecompileを押すと,日本語のは言った文章のPDFができるはず。

##修論のテンプレ
修論用のテンプレ作ってみました。

順番が変ですけど,LaTeXの基本。

  • LaTeXの文章は\begin{document}と\end{document}の間に書きます。
  • 見出しとか,数式とか,箇条書きとか書くときには専用の命令を書く。
  • プログラムの分割コンパイル的なことができる。\include{XX}が他のファイルを読み込む部分。
  • 図のファイルはPDFかJPEGかPNGで準備する。今どきEPSじゃなくても大丈夫。

メインのファイルがmain.texで,それ以外が各章の内容を分割したもの。

main.tex
%\documentclass[xelatex,a4paper]{bxjsarticle}
\documentclass[a4paper]{bxjsreport}
%\documentclass[xelatex,a4paper,precisetext,noautoxspacing]{bxjsbook}
%
\usepackage{fontspec}
\usepackage{zxjatype}
%\usepackage{xltxtra}
\setjamainfont{ipam.ttf}
\setjasansfont{ipag.ttf}
\setjamonofont{ipag.ttf}

\usepackage{amsmath,amssymb,amsfonts}
\usepackage{bm}
\usepackage{siunitx}

\usepackage[colorlinks=true, bookmarks=true,
bookmarksnumbered=true, bookmarkstype=toc, linkcolor=blue,
urlcolor=blue, citecolor=blue]{hyperref}


\title{平成XX年度修士論文\\XXに関する数値シミュレーション}
\author{Hoge hoge}
\date{平成31年2月}

\begin{document}

\maketitle

\include{abstract}

%% 目次
\tableofcontents
\listoffigures
\listoftables

%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%
%%%  本文
%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%

\include{introduction}
\include{solution}
\include{result}
\include{conclusion}



%% reference
\begin{thebibliography}{99}
\bibitem{test1} reference
%\bibitem{test2} reference
%\bibitem{test3} reference
%
\end{thebibliography}


\appendix
\chapter{付録1}

\end{document}
abstract.tex
\begin{abstract}
 論文の要旨を記入
\end{abstract}
introduction.tex
\chapter{序論}
\section{研究背景}\ref{fig:log}に示す。

\begin{figure}[htbp]
    \centering
    \includegraphics[scale=0.5]{Fig/log-fig.pdf}
    \caption{図のキャプション}
    \label{fig:log}
\end{figure}

\section{研究目的}
solution.tex
\chapter{解析手法}
\label{chap:simulation}

\section{はじめに}

\section{問題設定}
\section{解析コード}
result.tex
\chapter{結果}
\section{解析結果1}
conclusion.tex
\chapter{結論}

#修論の体裁とかのポイント(最低限守ったほうがいいこと)
修論・卒論書くときに大事なのは体裁を守ることです。

  • 小説とかと違うので,構成は定形です。これを変えない。
    • 「序論」で研究背景とか目的を書く。
    • 「手法」で実験手法とか解析手法を書く。
    • 「結果」で結果と考察を書く。考察だけ別立てにしてもいい。
    • 「結論」でまとめを書く。
    • 序論は結果を書いたあとに書く。結果に合うようなイントロをあとから書く。
    • 研究目的は全体の目標の説明から始めて,具体的な目的の説明をする。話の全体の流れが大きなところから小さなところに発展するようにするとわかりやすい。いきなり細かいことを言われても相手に伝わらない。
  • 物理量とかを表す変数は斜体でかく。教科書とか見るとそうなってる。LaTeXなら$$で囲めばいい。
  • 参考文献はフォーマットを決めて,それに合わせる。途中で変えたりしない。
    • 論文なら,著者名,論文タイトル,ジャーナル名,Volume, number, ページ番号,発行年を書く。
    • レポートとかなら,著者名,タイトル,レポート名,ページ番号,発行年をわかる限り書く。
    • プロシーディングスなら,著者名,タイトル,会議名,ページ番号,会議の年,をわかる限り書く。
    • その他:著者名,タイトル,年くらいは書く。
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