ペアプログラミング(ペアプロ)を行う際に、個人的に意識していることを整理してみました。よりスムーズに、効果的なペアプロを行うためのポイントを紹介します。
1. 実装を指示する際は必ず意図を伝える
一人でコーディングする場合は、結論だけを実装すればよいですが、ペアプロでは相手がいます。そのため、必ず「なぜその実装を行うのか」という意図を伝えるようにします。
意図を伝えることで得られる効果
- 共通認識の形成: 複数人で作業する際、意図を共有することで意思の齟齬を防げる。
- 時間の節約: 事前に意図を伝えることで、相手が推測する時間を削減できる。
具体例
例えば、ユニットテスト(UT)でデータを作成する際に、一部の値を局所変数に格納しておく。そうすることで、期待値の確認時に「この変数はテストデータ作成時に設定した値をそのまま使っている」と明示できる。このような意図を事前に説明することで、ペアの相手もスムーズに理解できるようになります。
2. 既存のコードについて共通認識を持つ
ペアプロでは、周辺コードの責任範囲や役割をお互いに理解しておくことが重要です。認識がずれると、実装方針に食い違いが生じる可能性があります。
意識すべきポイント
- 周辺コードの動作を確認する: 何をしているのか、どの範囲までが責任範囲なのかを明確にする。
- 口に出して確認する: 「このメソッドはAの処理をしているから、Bの責務は別のクラスにあるよね?」といったように、周辺コードについて理解したことを言葉にして確認する。
お互いの認識を合わせてから実装に入ることで、スムーズなコーディングが可能になります。
3. 相手が考えを話し始めたときは、途中で遮らずに合いの手を入れる
ペアプロは、単に一方が教えるだけでなく、より良い実装を共に考える場でもあります。そのため、相手の考えをしっかり聞き、意図を理解しながら議論を進めることが大切です。
意識すべきポイント
- 相手の話が終わるまで遮らない: 途中で反論すると、相手の考えの整理を妨げ、本来の話したい内容が伝わりにくくなる。
- 適度に相槌を打つ: 無反応だと相手が不安になるため、「うん」「なるほど」といった簡単な相槌を入れることで、安心して話してもらえる。
なぜ相槌が重要か?
話している側からすると、
- 的外れなことを言っていないか?
-
相手にちゃんと伝わっているか?
といった不安が生まれることがあります。そのため、適度に反応を示すことで、相手が安心して話せる環境を作ることが重要です。
まとめ
ペアプロを効果的に行うためには、以下の3つのポイントを意識することが大切です。
- 実装の意図を伝える: 共通認識を作り、意思の齟齬や無駄な推測を防ぐ。
- 既存のコードについて共通認識を持つ: 責任範囲を明確にし、スムーズな実装につなげる。
- 相手の話を最後まで聞く: 遮らずに合いの手を入れることで、相手が安心して話せる環境を作る。
これらを意識することで、より円滑で効果的なペアプロが実現できるでしょう!