概要
近年、リモートでの面接やカジュアル面談が普及し、転職活動のハードルが下がった印象があります。それでも、転職活動は精神的にも体力的に消耗が激しいです。
そんな中、入社した企業がブラック企業だったり、自分に合わない会社だった場合には、目も当てられません。
こうしたリスクを回避するために、面接では数字を基にした質問を行うことで、企業の実態をより具体的に把握できると感じています。そこで今回は、数字を活用した質問を整理し、転職活動に役立つだろう内容をまとめてみました。
注意
踏み込んだ質問も含まれますので、面接時の空気やご自身の状況に応じてご判断ください。
前提
企業側も自社をよく見せるために都合の悪いことは言わない場合があります。下記2点は注意して見極めましょう。
1. 平均という言葉に注意する
「シンプソンのパラドックス」のように、平均値は対象や範囲を巧妙に調整することで都合よく見せられる場合があります。そのため、平均の算出方法や対象範囲を確認したり、具体的な数字を聞いて分析しましょう。
2. 実績1でも実績になる
実績が「0か1」で語られる場合、それが本当に価値あるものか、何を意味しているのかを見極める必要があります。
例:「AWSの資格をすべて取得したエンジニアが在籍しています。」
→ 会社の環境が優れているのではなく、個人の能力が高いだけかもしれません。それが自分のメリットになるかどうかを確認しましょう。
確認したい内容
会社の規模感
1. 「従業員数は何名くらいですか?」
会社の規模感を把握し、安定性や成長性を予測するための質問です。会社HPに記載がある場合も多いので事前に確認しておきましょう。
2. 「ここ数年の増減について教えていただけますか?」
入社人数(新卒・中途)を確認することで、会社の成長性や採用の安定性を判断するための質問です。増減が大きい場合、その背景(リストラや急成長による対応など)を掘り下げて確認しましょう。
3. 「離職率はどれくらいですか」
社員が長く働ける環境かを知り、ブラック企業を見極めるための質問です。離職率が高い場合に、その分析をしているかを聞きたいところです。
4. 「社員の年代ごとの割合はどのくらいですか?」
社員構成を把握し、自分が働きやすい環境かどうかを判断するための質問です。
- 若手が多い場合: 仕事のレベルが低い可能性があります
- 中堅が少ない場合: 離職者が多かったり、教育を担える人材が不足している可能性があります
- 40代以上のベテランが多い場合: 昇給や昇進がしづらかったり、意見を提案しにくい職場の可能性があります
あくまで上記は、私の感覚ですが、自身にとって適切な環境かを見極める材料としましょう。
5. 「エンジニアの人数はどれくらいですか?」
働く環境の規模感や過ごしやすさを確認するための質問です。全体の従業員数に対してエンジニアが少なすぎる場合、話を理解してもらえなかったり技術者の負担が大きくなる可能性があります。
6. 「部署の数はどれくらいありますか?」
上司やプロジェクト内容が合わなかった場合に異動の可能性やキャリアパスを考える上で、選択肢の多さを確認するための質問です。 事前説明で説明される場合があると思いますが、詳細が不明な場合は具体的に質問したほうが良いです。
7. 「営業担当は何名くらい在籍していますか?」
SESや受託開発では、営業の質がプロジェクトの質に大きく影響するため聞いておきたい内容です。営業担当が少ない場合に変えてもらうこともできない可能性があります。また、ITスキルや経験があるかを確認するのもありです。
働き方
8. 「平均的な月間残業時間はどのくらいですか?」
残業が当たり前になっていないか、無理なく続けられる環境かを判断するための質問です。平均値だけでは分からない長時間労働者がいないかも確認したいところです。
9. 「繁忙期の残業時間は最大でどの程度になりますか?」
長時間労働者がいるのかの探りを入れる質問です。深堀し忙しい時期の働き方や長時間労働の際の対処についても確認したいです。
10. 「有給取得率はどの程度になりますか?」
有給を取りやすい職場環境かどうかを判断するための質問です。取得率だけでなく、実際に取得しやすい雰囲気かどうかも聞くことが重要です。
11.「育児休暇や産休の取得の実績はどれくらいありますか?」
女性限定にはなりますが、育児休暇や産休に対する理解があり、実際に取得できる環境が整っているかを確認するための質問です。実際に取得しやすい雰囲気かどうかも聞くことが重要です。
12.「育休後の復職率はどの程度ですか?」
こちらも女性限定にはなりますが、産休後に復職しやすい環境かどうかを見極めるための質問です。復職率が低い場合、キャリアパスに影響があるのかもしれません。
質問に対する回答について
ここまで質問をまとめてみましたが、いざ実践してみると、予想外の回答が返ってくることがあります。そんなときは注意が必要です。
例として私が経験した面接の1コマです。
例:社員の年代ごとの割合について
私:「社員の年代ごとの割合はどのくらいですか?」
会社:「若いメンバーが多いですね。」← (具体的な割合ではなく、曖昧な回答)
私:「若いメンバーが多い理由は何ですか?」
(若い人が多いことで○○が良くなる、または教育制度が充実しているなどの回答を予想)
会社:「会社の方針というか...そういう会社なんですよね...etc...」←(3分ほど説明が続くがもはや意味不明...)
このように、具体的な数値やデータを求めているにもかかわらず、曖昧な答えが返ってきた場合、その裏にあるのでは?と感じました。そして「なぜ明確な数値で答えてもらえないのか」という点に注目し、質問を掘り下げていくことで、相手の本音や企業の実態が見えて来るかもしれません。
終わりに
これから10年、20年と勤める会社ですので、ミスマッチが無いようにしたいですね。少しでも考え方の参考となればと思います。
上記のほかに、これは質問したほうがいいよ!というのがありましたら教えてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。