はじめに
この記事は AWS Advent Calendar 2018 の7日目の記事です。
去年のアドベントカレンダーで「AWSLambdaとその他のサービスを組み合わせていろんなことをしてみる」という記事を書いたのですが、今年も1年間でLambdaのアップデートがあったので、2018年版という形で記事を書いていきます。
AWSLambdaアップデートまとめ
今年あったLambdaのアップデートの中で個人的に印象が強かったものを上げてみます。
- Node.js v8.10 に対応
- Golang に対応
- 実行時間が 最大15分 に延長
といった感じです。
この他にもre:Inventで様々なアップデートがありましたね!
ランタイムにRubyを選択できるようになったり、CustomRuntimeで様々な言語をサポートしたり、ALB経由でinvokeできるようになったりと、まだまだLambdaは進化していくんだなと実感しました。
1. Node.js v8.10に対応
Node.jsユーザーの私からすると、Node.js8系への対応はかなり嬉しいものがありました。
なんと言っても async/await
をLambdaでつ使えることで、非同期処理周りの書き方がとても楽になりましたね。
これについては「AWS LambdaがNode.js8.10をサポートしたのでasync/awaitを試してみた」でまとめてますので、よかったら見てあげてください。
今回の記事はNode.js v8.10で他のサービスと連携する内容を深掘りしていこうと思います。
2. Golangに対応
ちょっとGolangに興味があった時期にこのアップデートがあったので、試しに触ってみました。
「AWSLambdaがGo言語に対応したのでDynamoDBと絡ませながらデモってみた」でまとめてますので、よかったら見てあげてください。
DynamoDBに対して、GetItem / PutItem / Queryを実行しています。
3. 実行時間が最大15分に延長
今まで5分が最長だった実行時間が15分に延長されました。
これによって、より長くLambdaの中で処理を実行することができるようになったので、ちょっとしたバッチ処理などを実行させるのに有効かと思います。
ですが、個人的にはLambdaの中であまり長い処理を実行することはおすすめできません。
他のサービスと連携する
AWSLambdaを単体で利用される方はほとんどいないと思います。
LambdaからS3にテキストを保存したり、DynamoDBのデータを操作したり、SESやSNSのトリガーになったり……といろんなサービスと連携すると思います。
今回はS3 / DynamoDB / SES と連携する際のNode.jsの書き方をまとめていきます。
S3
S3とはゴミ箱…ではなく、安価で高可用性なファイルストレージです。
主にテキストや画像データを保存するのに適しています。S3に保存しておくと、自動的に3箇所に複製されます。また、保存されているファイルに対してURLが付与されるので、取り出すのにもハードルが低いのが特徴です。
ファイルを取得する(getObject)
"use strict";
const AWS = require("aws-sdk");
const S3 = new AWS.S3();
exports.handler = async (event, context, callback) => {
try {
// パラメータ生成
const getParams = {
Bucket: "BucketName",
Key: "objectKey.json"
}
// S3にGETするSDK(API)実行
const obj = await S3.getObject(getParams).promise();
return obj;
} catch (err) {
throw err;
}
};
ファイルを保存する(putObject)
"use strict";
const AWS = require("aws-sdk");
const S3 = new AWS.S3();
exports.handler = async (event, context, callback) => {
try {
// JSON文字列作成
const jsonFile = [{
id: "12345",
value: "1111"
},{
id: "67890",
value: "2222"
}];
// パラメータ生成
const purParams = {
Bucket: "BucketName",
Key: "sample.json",
Body: JSON.stringify(jsonFile)
}
// S3にPUTするSDK(API)実行
await S3.putObject(purParams).promise();
return null;
} catch (err) {
throw err;
}
};
DynamoDB
DynamoDBはNoSQLのデータベースです。SQL文を生成してデータを操作するのではなく、API経由でデータの操作を行います。
今年はデータのバックアップ機能(PITR)やグローバルテーブルなどの大型アップデートがあったりと、最近Hotなサービスの一つです。
想定テーブル
テーブル名: sensorDataTable
sensor_id | record_time | value |
---|---|---|
a001 | 2018-12-07T00:00:00+09:00 | 10 |
a001 | 2018-12-07T00:10:00+09:00 | 17 |
a001 | 2018-12-07T00:20:00+09:00 | 20 |
a001 | 2018-12-07T00:30:00+09:00 | 14 |
a001 | 2018-12-07T00:40:00+09:00 | 10 |
… | … | … |
データを取得する(query)
"use strict";
const AWS = require("aws-sdk");
const dynamoDB = new AWS.DynamoDB.DocumentClient(config);
exports.handler = async (event, context, callback) => {
try {
// パラメータ生成
// テーブル sensorDataTable に対して sensor_id が a001 のデータを
// record_time が 2018-12-07T00:00:00+09:00から昇順で100件取得する
const params = {
TableName: "sensorDataTable",
KeyConditionExpression: "#hash_key = :hash_key AND #range_key >= :range_key",
ExpressionAttributeNames: {
"#hash_key": "sensor_id",
"#range_key": "record_time"
},
ExpressionAttributeValues: {
":hash_key": "a001",
":range_key": "2018-12-07T00:00:00+09:00"
}, //
ScanIndexForward: true, // データの参照を昇順でするか、降順するか。 true: 昇順 / false: 降順
Limit: 100 // 取得するレコード数の上限
};
// DynamoDBからデータを取得するSDK(API)実行
return await dynamoDB.query(params).promise();
} catch (err) {
throw err;
}
}
データを保存する(put)
"use strict";
const AWS = require("aws-sdk");
const dynamoDB = new AWS.DynamoDB.DocumentClient(config);
exports.handler = async (event, context, callback) => {
try {
// パラメータ生成
// テーブル sensorDataTable に対して sensor_id が a001 のデータを保存する
const params = {
TableName: "sensorDataTable"
Item: {
sensor_id: "a001",
record_time: "2018-12-07T12:00:00+09:00",
value: 25
}
};
// DynamoDBからデータを保存するSDK(API)実行
return await dynamoDB.put(params).promise();
} catch (err) {
throw err;
}
}
SES
SESはメールを送信してくれるサービスです。
S3やDynamoDBに比べると使用する場面は少ないと思いますが、私はよく利用しています。
"use strict";
const AWS = require("aws-sdk");
const ses = new AWS.SES;
exports.handler = async (event, context, callback) => {
try {
// パラメータ生成
// テーブル sensorDataTable に対して sensor_id が a001 のデータを保存する
const params = {
Source: "from_address@hoge.com",
Destination: {
ToAddresses: ["to_address@fuga.com"]
},
Message: {
Subject: {
Data: "メールのタイトル"
},
Body: {
Text: {
Data: "メールの本文"
}
}
}
};
// メールを送信するSDK(API)実行
return await ses.sendEmail(params).promise();
} catch (err) {
throw err;
}
}
まとめ
今回はLambdaからその他のサービスと連携するサンプルをまとめました。LambdaはAWSの他のサービスとの親和性がかなり高いサービスです。S3やDynamoDBなどのデータレイクに格納する前にちょっと加工したり、SESなどのトリガーになったりします。
AWSLambdaは直接invokeしようとするとクレデンシャルを持たせないといけないのですが、Lambdaの前段にAPIGatewayを挟むこととで、Lambdaをinvokeするためのクレデンシャルを持たずにinvokeすることができます。
ではまた!