Ver1 - 2023-10-29 : 主要な素子3つ
今後の業況予定。
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Wikipedia曰く。
受動素子(じゅどうそし、Passive element、Passive component)は、供給された電力を消費・蓄積・放出する[注釈 1]素子で、増幅・整流などの能動動作を行わないものを言う。
一方、真空管、継電器(リレー)やトランジスタ[1]など入力信号として小さな電力、電圧または電流を入れて、大きな出力信号として電力、電圧または電流の変化を得られる素子は能動素子(のうどうそし、Active element、Active component)と呼ばれ、その入力と出力の比率を利得という。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
例えばこんなのがある
- 抵抗器
- キャパシタ
- インダクタ
- リアクトル
- メモリスタ
- 変圧器(トランス)
- 圧電素子
- 水晶振動子
以下でそれぞれについてまとめていく
概要
ある電極間に電位差を加えると電極の電位差に比例した単位時間あたりの電荷の移動、すなわち電流が生じる(オームの法則)を用いて色々やるやつ。
役割
主な役割は、電流制御、分圧、電流検出、バイアスを与える、の4つ。
【電流制御】
電子回路の電流を定格以下に制御する。例えばLED回路の場合、LEDと直列に抵抗器を接続し、電流を定格以下に抑制することで、LEDの焼損を防ぐ。
【電圧の調整】
抵抗値を調整して電圧に分ける(分圧)や、
逆に、電流から電圧を取り出すといったことにも使われることがある。
分流器とかもそれに該当する。
- 直列抵抗器(倍率器):直流電圧計の測定範囲の拡大に使われる抵抗器
- 分流器:直流電流計の測定範囲の拡大に使われる抵抗器
【電流検出】
抵抗器に電流が流れた時、その両端には電流を変換した電圧が発生します。
この電圧を測定することで回路に流れる電流を測定することができます。
【バイアスを与える】
能動素子に与える電圧を調整するために用いる。
トランジスターなど半導体を動作させるための電圧を与えることを〝バイアスを与える〟と言う。このバイアスは、トランジスターの各端子(エミッタ、コレクタベース)に異なった電圧を印加する必要。
他にも以下のものがある。
【電力消費】
熱エネルギー変換して電力を消費させる
【ダンピング抵抗】
振動を減衰させるための抵抗
【終端抵抗】
コンピュータ機器・無線機器などで使用する特に周波数の高い通信ケーブルの末端に取り付ける電子部品。 信号の不要反射を防ぐために抵抗器などによって高周波信号のエネルギーを消費させる。
【プルアップ/プルダウン抵抗】
(デジタル回路で用いられる)
構造と原理
巻線形抵抗器とは、第2図のように、磁器ボビンにニクロム線、マンガニン線などの金属抵抗線を巻きつけ、さらに電流を導くための端子を取りつけ、その上にほうろう質その他の耐熱被覆を絶縁保護として施した抵抗器をいい、比較的大きな電流が流れる回路に用いられます。
炭素皮膜抵抗器とは、第3図のように磁器棒の表面に、高温度、高真空の中で熱分解により密着固定させた純粋な炭素皮膜を抵抗体として、その磁器棒の両端には、キャップとの接触をよくするための銀皮膜を焼きつける。そして、炭素皮膜には、ラセン状に溝を切って、必要な抵抗値を得たあと、両端にリード線のついたキャップを固定させ、表面に保護塗装を施したものをいい、電子回路など、比較的小さな電流が流れる回路に用いられる。
他にもこんなものがある。
抵抗器の外観はリード部品である上のイメージをお持ちの方が多いでしょうが、最近はチップ抵抗という下の図のような平べったい長方形状の素子を用いている。とはいえ大電力を扱う電源系の電気回路やアマチュアの電子回路ではまだまだリード部品が使われていたりする。
ちなみに、基本的には『電力を消費させる』という用途以外では小さくする。
分類
こちらを見ていただくのが早い。とにかくイメージと性質が一発でわかる。
もう少しコアな情報まで知りたい方はこちらが良いかと思う
機能による分類
- 固定抵抗器:抵抗値が一定の抵抗器
- 可変抵抗器:抵抗値を変更することができる抵抗器。
- シャント抵抗器:電流測定用に回路に挿入する抵抗器。抵抗値が小さい(0.2mΩ - 数Ω程度)。大電流測定用に数万Aを流せるものや、精密測定用に誤差±0.01%程の高精度なものがある。
構造・抵抗体による分類
-
炭素皮膜抵抗
炭素は電気を通す性質を用いる。
炭素に螺旋状の道を作ることで、通る道の長さを調節している。
誤差5%程度。金属皮膜抵抗に比べ雑音や周波数の特性はよくないが、価格が極めて安いため、幅広く使われている。
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金属皮膜抵抗
炭素皮膜抵抗に比べて誤差が小さい。ただし高価格。- 厚膜型
汎用に使える高精度(誤差1%程度)抵抗器。キンピと略される。一般的な炭素皮膜に比べ雑音などの特性は良いが、カーボン抵抗より価格は高い。 - 薄膜型
厚膜型より高精度(誤差0.05%のものもある)、低温度係数だが厚膜型より高価。
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- 厚膜型
-
酸化金属皮膜抵抗
中電力(1 - 5W程度)向け。耐熱性良好。サンキンと呼ばれる。
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巻線抵抗
抵抗体に螺旋状の金属線を用いたもの。高精度を目的としたものと、電力容量を重視したものがある -
セメント抵抗
セメントで作られた抵抗
. -
チップ抵抗
電力を消費させる以外は小さくする
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仕様や定格を示すパラメータ
概要
電荷を蓄えるもの。ということだけ覚えておくと全ての性質が理解できる。
コンデンサの機能はバッテリーと似ているが、コンデンサの静電容量はマイクロファラド(µF = 10−6F)やピコファラド(pF = 10−12F)のオーダーのものが多く、ごくわずかな量の電荷しか蓄えることしかできない。代わりに、応答速度が早いため、瞬間的な電流の変化(例えば、雷サージなど)に対する応答を制御する場合や、交流電流を変化させたい場合などに用いられる。ただし、電気二重層コンデンサのような、従来のコンデンサと比較すると桁違いに大きな静電容量をもつものも存在し、それらは二次電池として利用することが可能。
ちなみに、数年前くらいから大容量のコンデンサとして1Fくらいの大きさのコンデンサが出たらしい。恐るべし現代科学。
役割
【電圧の平滑化】
静電容量が大きいほど平滑化できる。
【カップリング】(直列接続)
直流の成分だけを除去。直流成分は流れなくなるから。
アンプとかで、直流成分は増幅したくない時とかに用いる。
【デカップリング】(並列接続)
交流成分だけを除去。特に高周波の成分を除去。
ノイズを除去したいところの近くに入れる。
セラミックコンデンサは高周波特性がいいので使われる。
他にも…
共振回路、フィルタなどにも利用される。実際の電子回路では、同じく受動素子の一つである抵抗器やコイルとともに用いられることが多く要求される周波数帯域、容量や精度、温度に対する容量変化、耐圧など回路の目的、用途、環境、コスト、大きさに合わせて各種の形状、材質の物が幅広く用いられる。低コスト化、小型化の要求の強い民生用小型機器では、チップ積層セラミックコンデンサが幅広く使われている。
デジタル電子回路での用途
バイパスコンデンサ(パスコン)としての用途が圧倒的に多い。他にわずかながら水晶発振器やタイミング回路に使われる。主に周波数特性がよいチップセラミックコンデンサが使われる。
電源回路での用途
アルミ電解コンデンサを中心として、セラミックコンデンサやタンタルコンデンサ(英語版)が使われる。
電源そのものとしての用途
近年、後述の電気二重層コンデンサをはじめとした1F以上の大容量のものが開発され、蓄電装置として利用されることが多くなりつつある。たとえばノートパソコンの電源としての利用、ハイブリッドカーや電気自動車の始動用電源など。最近では電気自動車の走行用電源そのものとしても使用可能となってきている。
以下では構造や機能や、性能などでコンデンサを分類していく。
しかし、このサイトに載っている説明が引くほどわかりやすいためこちらも参照されることを推奨する。
構造と仕組み
構造は単純化すると、誘電体(絶縁体)を介した、2枚の電気伝導体平板であり、これに(直流)電圧を加えると、電荷(電気エネルギー)が蓄えられる。
実際の製品では、以下に挙げられるものがある。
-
単板型
二枚の平行平板からなるもの。誘電体の種類を選ばないが、面積を大きく取れないため、大型になる。
. -
旋回型(巻き型)
二枚の電気伝導体箔と誘電体膜を交互に重ねて巻き込んだもの。旋回構造自体がインダクタの形となるため概して高周波特性は良くない。巻き方や線の引き出し方を工夫して無誘導化したものもある。
. -
積層型
極板を形作る導電性の層と誘電体の層とを完成時に所望の容量に成るまで交互に重ね両端に電極を取り付けたもの。層を作る時は二つの極板の端面がそれぞれ別の辺に現れるように極板をずらして作る。出来上がった素子は通常直方体状になる。素子のまま表面実装用に使われる事もあれば、リード線を引き出した後樹脂で封止した物もある。
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貫通型
電極のうち、一方の極板に対してもう一方の極板と平行な方向に電流を通せるよう、一つの極板に端子を少なくとも2個以上設けたもの。
. -
管形
電気伝導体の軸の周りに誘電体の管を形成し、その外側にさらに電気伝導体の管を形成して同軸構造としたもの。シールドケースからの線の引出しなど高周波回路で利用される。
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チップ形
積層形コンデンサの直方体の平行する二面に一枚の極板へ繋がる電極を設け、残りの任意の面にもう一方の極板に繋がる電極を設けてあるもの。管形に比べるとよりプリント回路基板への実装が容易になっている。3端子コンデンサとも呼ばれる事がある。
. -
電解型
電気伝導体の表面に化学的に酸化皮膜による誘電体層を形成し、電解液に浸したもの。誘電体層が非常に薄くなおかつ比誘電率が大きいため、大容量が得られる。
. -
電気二重層型
活性炭電極の表面に有機分子を吸着させ、誘電体としたもの。誘電体の厚さを分子長さレベルにまで薄くでき、更に多孔質な活性炭により大面積を確保できるので、極端な大容量が得られる。
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使用上の注意
インダクタ成分:ESL
抵抗成分:ESK
があり、その影響を受けることに留意しましょう。
それぞれの種類の特性
インダクタ成分(ESL)と抵抗成分(ESK)があり、その影響を受ける。
電解コンデンサ
どっちも高い。高域のインピーダンスが下がらない。いけて50kHzまで。DC/DCコンバータでは600kHz、スマホでは2MHz程度で電解コンデンサは使えない。
タンタルコンデンサ。
ぼちぼちの性能。高周波特性は比較的いい。
ただ、短絡が起こりやすい。
セラミックコンデンサ
どっちも低い。低容量。数μF。
電源の入出力には数十〜数百μFが必要
積層セラミックコンデンサ
10μF、並列構造にした。どっちもめちゃめちゃ低い。1MHzでも使える。スマホも対応可能。
ただし、容量に注意が必要。
もう少し詳しく
電解コンデンサ
電極表面に化学処理することで絶縁体あるいは半導体の薄膜を形成し、これを誘電体としたもの。非常に大きな容量 (0.1µF - 10万µF (100mF)) が得られるが、一部を除き極性を持ち、諸特性はかなり悪い。電源系や低周波系に使用される。耐圧や周波数に注意する必要がある。耐圧を守らなかったり極性を間違えたりすると、正常に動作しないばかりか発熱して煙が出たり、電解液が外部に漏れ出す場合がある。ひどい時には破裂する場合もある。
アルミ電解コンデンサ
単に電解コンデンサ、またはケミコン(ケミカルコンデンサ)ともいう。大容量が得られ、電源回路の平滑用・時定数回路用に使用される。誘電体としては、アルミニウム電極(通常はアルミ箔)表面に形成した酸化被膜(酸化アルミニウム)を用いる。誘電体層が非常に薄いため、大きな容量を得ることが出来る。
タンタル電解コンデンサ
アルミ電解コンデンサより小型で周波数特性がよく、電源平滑用やノイズ除去のバイパスコンデンサとして用いられる。欠点はタンタルが希少金属であるため、コスト高や供給不安につながりやすいこと。
電気二重層コンデンサ
電解液-電極界面において電解液中のイオン及び電極中の電荷担体(電子またはホール)が互いに引き合う格好で整列する現象(電気二重層)を用いて蓄電するコンデンサ。イオンと電荷担体が互いに隔てられた部分(ナノオーダーの距離)が誘電体に相当する。また、電気二重層コンデンサの静電容量は理想的には電極の表面積に比例すると共に電極間の距離に反比例する。そのため、非常に大きい静電容量を実現することが可能である。
セラミックコンデンサ
0.5pFから1µFが一般的である。近年は数百µFのチップ型セラミックコンデンサも現れている。 デジタル回路のパスコン(高誘電率系および半導体)、アナログ回路の温度補償用(低誘電率系)に用いられる。高周波特性はよい。チップ型など小型のものや大容量のものは内部電極を積層構造にしている。
バリアブルコンデンサ(バリコン)
回転軸を回すことで静電容量を可変できるコンデンサ。送信機や受信機(ラジオ)などの同調回路などに使われる。ラジオの同調回路(周波数ダイアル)のようにもともと頻繁に回すことを目的に作られているものと、回路の定数の微調整用として、出荷前やメインテナンス等、調整するときしか回さない目的に作られたもの(トリマーバリコン、半固定可変コンデンサ)とがある。
スチロールコンデンサ
スチコンと呼ばれる。成形が容易で安価、諸特性優秀だが、耐熱温度が85℃と熱に弱く機械的にも脆い。樹脂分子の並びを制御して結晶化させることで問題点を改善した製品も出ている。
ポリエステルコンデンサ(マイラコンデンサ)
マイラコン、あるいは単に「マイラ」と呼ばれる。諸特性良好だが、誘電吸収がやや大きい。
ポリプロピレンコンデンサ
PPコンと呼ばれる。諸特性優秀で、耐圧も高い(1,000V程度まである)。
テフロンコンデンサ
諸特性良好。プラスチックフィルムコンデンサとしては比較的高温に耐える。
ポリフェニレンスルファイドコンデンサ
PPSコンと呼ばれる。諸特性良好で耐熱性に優れる。
概要
レンツの法則に従って電流の変化を緩やかにしたがるやつ。
その時に、流れる電流によって形成される磁場にエネルギーを蓄えることができる受動素子であり、一般にコイルによってできており、コイルと呼ばれることも多く、当記事内でも両方の呼び方を使う。蓄えられる磁気エネルギーの量はそのインダクタンスで決まり、単位はヘンリー (H) である。コアを使うと多くのエネルギーを蓄えられる。
単位体積あたりでは、キャパシタの方が多くのエネルギーを蓄えられる
役割
【チョーク】
直流電流のみをよく通す性質を生かし、交流電流を妨げることなどがコイルの主な役割。この機能のことをチョークなんて呼ぶ。
モーターや通信機器の受信部などに使用される。
【変圧器】
2つ以上のコイルの磁束を結合することで変圧器が構成でき、電力網の基本的部品としてよく使われている。
他にも…
コイルとコンデンサなどを組み合わせることで、特定の周波数の信号だけを取り出す共振回路やフィルタ回路を構成できる。
構造
コイルは電気伝導体の巻線として構成でき、一般に強磁性またはフェリ磁性の素材や空気を芯(コア)として、その周りに銅線を巻く。空気より高透磁率のコア素材を使うことで磁場を強化してそれをコイル内に閉じ込めることができ、それによってインダクタンスが増大する。低周波用コイルは変圧器と同様の作り方で、コアとしてケイ素鋼を積層したものを使い渦電流を防ぐ。
高周波の時の注意
高周波ではコイルは電気抵抗や他の損失が高くなる。電力損失だけでなく、LC回路では回路のQ値が低下し、帯域幅が広くなる。高周波インダクタはほとんどが空芯コイルであり、損失をなるべく最小限にする製作技法が使われている。損失の原因としては以下のものがある。
表皮効果
導線の電気抵抗は直流電流のときよりも高周波電流のときに高くなる。その原因が表皮効果である。高周波交流電流は導体の中心部まで浸透せずその表面だけを流れる傾向がある。そのため導線でも断面の大部分に電流が流れず、表面付近の狭い部分だけを流れる。もともと高周波コイルを構成する導線は細く抵抗値が相対的に高いが、表皮効果によってさらに抵抗値が増大する。
近接効果
高周波領域でコイルの電気抵抗を増大させるもう1つの現象を近接効果という。これは複数の導線がごく近くに位置する場合に発生する。隣接する巻線それぞれの形成する磁場が渦電流を誘導し、導体内の電流が隣接する導線と接する狭い領域に集中して流れるようになる。表皮効果と同様、導線の断面内で電流が流れる部分が制限されることになるため、電気抵抗が増大する。
寄生容量
コイルを構成する個々の巻線間に発生する静電容量を寄生容量と呼ぶ。これはエネルギー損失を発生させるわけではないが、コイルの挙動を変化させる。個々の巻線の電位は微妙に異なるため、隣接する巻線間に発生する電場が電荷を蓄える。したがってコイルはコンデンサが並列接続されているかのように振舞うことになる。周波数が十分高くなるとコイル本来のインダクタンスと寄生容量によってLC回路が構成され、コイル単独で共振してしまうようになる。
低周波でも…
電気回路におけるコイルは、流れる電流の変化に比例した起電力を生じることで電流の変化に抵抗を示す効果がある。理想的インダクタは定常的な直流には全く抵抗を示さないが、電気抵抗が本当にゼロになるコイルは超伝導コイルしかない。
この式を抑えておけば、周波数とは上手くお付き合いできる。
共振回路 / 同調回路
直列共振回路
直列共振回路の使い道は幅広く、
1.特定の周波数だけ通過させるバンドパスフィルタ(BPF)や同調回路
2.インピーダンスの虚部をなくして効率よく電力を伝送する整合
3.インピーダンスが極小となることを利用して電流を最大化できる
といった使い方がされる。
この中で最もイメージがつきやすいものとして1の同調回路をイメージ重視で考えてみましょう。同調回路のエッセンスだけ取り出すと電源から入力された信号を負荷に伝えたい回路の間に入れる場合となる。ここでいう電源はセンサであったりアンテナであったりマイクであったりと信号のもとになるものだが、ここではラジオのアンテナを考える。また、負荷はCPU(のADC)であったりスピーカーであったりですが、ここではラジオの(検波回路を通したうえでの)スピーカーを考える。
ラジオの場合電源は空間からキャッチした電波のため様々な周波数が混じっている(関東では文化放送1134kHzだったりニッポン放送1242kHzだったり)。これらをそのまま検波してスピーカーに出力するとそれぞれのラジオの音が混じって聞こえてしまう。そこで、間に直列共振回路を入れることで共振周波数の信号だけを負荷に送るといったことが行われる。
たとえば文化放送を聞きたい場合、共振周波数1134kHzの直列共振回路を間に入れ、1134kHz以外の周波数では共振回路が高インピーダンスとなり受信した信号がスピーカーに伝わらず、1134kHzの文化放送だけがスピーカーに伝わり、文化放送の音声だけを聞くことができる。
(直列共振回路自体の解説は、Appendixにて。)
並列共振回路
並列共振回路は主に
1.特定の周波数だけ阻止するバンドエリミネーションフィルタ(BEF)や同調回路
2.特定の周波数の電力をため込む
といった使い方がされる。
同調回路は直列共振回路で言及したが、並列共振回路でも実現できる。並列共振回路は特定の周波数だけ信号を通さない回路であり、これを負荷と並列につなぐことで特定の周波数だけを負荷に送ることができる(ほかの周波数は低インピーダンスの並列共振回路を通るため負荷に電流がいかない)
直列共振回路と並列共振回路を組み合わせることでバンドパスフィルタやバンドエリミネーションフィルタを作ることもできる。
フィルタ
不要な信号を取り除いて特定の周波数成分のみを取り出す回路をフィルタ回路と呼ぶ。例えば、抵抗RとコンデンサCを直列につないだRC直列回路の抵抗にかかる電圧Vrを回路の出力として取り出すと、入力電圧信号の高い周波数成分だけを取り出して低い周波数成分は減衰して出力されない。この性質のことをハイパスフィルタ(HPF:High-pass filter)と呼ぶ。
一方、RC直列回路のコンデンサにかかる電圧Vcを回路の出力として取り出すと、入力電圧信号の低い周波数成分を取り出すことができ、高い周波数成分は減衰して出力に現れない。このフィルタ回路はローパスフィルタ(LPF:Low-pass filter)と呼ばれる。
図6: ハイパスフィルタ(HPF:High-pass filter) / 図7: ローパスフィルタ(LPF:Low-pass filter)
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フィルタをまとめるとこんな感じ。
- ローパスフィルタ:ある周波数よりも低い信号だけを通すもの
- ハイパスフィルタ:ある周波数よりも高い信号だけを通すもの
- バンドパスフィルタ:ある周波数の範囲にある信号だけを通すもの
- バンドエリミネーションフィルタ(ノッチフィルタ):ある周波数の範囲にあるものだけを通さないもの
設計の仕方はいろいろなサイトで見れる。例えばこちらとか。
https://note.com/rururira_1830/n/nd0a11e757330
微分回路・積分回路
(作成中)
単相交流回路
(作成中)
三相交流回路
(作成中)
ホイートストンブリッジ
R₁、R₂は抵抗値が既知の精密抵抗器、R₃は抵抗値を変えられる可変抵抗器、R₄が抵抗値を測定しようとする抵抗器のこと。Gは微弱な電流を測定する検流計。
もっと組み合わせて
物理演算を行う回路
問題
寄生素子
抵抗やコイル、コンデンサのような受動素子を高い周波数で使う際に問題になるものとして寄生素子と呼ばれるものがある。
ここで丁寧に解説してくださっている。
高周波数ならではの問題
低周波極限f→0ではコイルがただの線(Z=0Ω)に見えるため、コンデンサだけの回路のように動作し、インピーダンスが高くなる。逆に高周波極限f→∞ではコンデンサがただの線(Z=0Ω)に見えるためコイルだけの回路のように動作し、インピーダンスが高くなる。共振周波数を境に分子の符号が変わることに対応して、共振周波数1kHz以下では位相が-90°とコンデンサ的な動作を、共振周波数1kHz以上では位相が+90°とコイル的な動作をしています。
共振周波数でのコイルとコンデンサのインピーダンスを計算すると、絶対値が同じで符号が逆になっていることがわかります。
コイルとコンデンサに流れる電流は同じことから、(V=ZIの関係より)コイルで電圧降下が起こっているときにはコンデンサでは同じ分だけ電圧が上昇し、それぞれの効果が打ち消しあってあたかもコイルとコンデンサがないように見えるという状態になっています。
また、エネルギー収支の瞬時値(電力)について考えると、コイルとコンデンサで値が逆になっており、ある時は電源からの電力がすべてコイルに吸われる代わりに全く同じ電力がコンデンサから吐き出されるという状態になっています。つまりエネルギーの観点からもお互いの影響を打ち消しあうような動作をしていることになります。
並列共振回路
回路を並列につないだ場合、電流が流れやすい経路、つまりインピーダンスが小さい経路がメインの電流経路になります(いつも渋滞している道路に平行したバイパス道路を造れば、車の流れのメインはバイパスの方になるイメージ)。
低周波極限f→0ではコイルがただの線(Z=0Ω)に見えるためコイルに電流が集中し、全体のインピーダンスは低くなります。逆に高周波極限f→∞ではコンデンサがただの線(Z=0Ω)に見えるためコンデンサに電流が集中し、やはり全体のインピーダンスは低くなります。そして、直列共振回路と同様に中間の周波数で並列共振回路は共振状態というコイル単体ともコンデンサ単体とも違う動作します。
Rを噛ませるのはピークを発散させないため。