6
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

HoloLensをプロコンで壊した話

Posted at

はじめに

Advent Calendar

この記事はSPC同好会 Advent Calendar 2017の14日目の記事です。

SPC同好会 Advent Calender 2017
adventer.org
#プロコンのお話
10月8日~10日、高専プログラミングコンテストが行われました。そこへ、我が東京高専は自由部門と競技部門に出場していました。
私はというと、自由部門のC#おじさんとして特攻参戦し、玉砕敢闘賞をいただきました。
#で、何してたの?
敢闘賞をいただけた作品ですが、当高専は"BirdFinder"なるブツを作っておりました。

100T2903.JPG

HoloLensにマイクアレイを付けて、音源の位相を取って、鳥の鳴く方向を割り出して相互相関関数で鳥の鳴き声を判別・・・ゴニョゴニョとやりました。

私はその中で、HoloLensのUIおよび通信部をUnityで作っていたのですが。。。
(開発の話は置いておいて)もうお分かりかと思いますが、プロコン会場でHoloLensが壊れてしまいました。
#どう壊したの?
おそらくは物理的に、ハードが死んだのでしょう。
#どんな感じなの?
起動しません。まぁ、あれです。文鎮化ってやつです。
正確には、起動時の"Hello"画面ループですね。

コンニチハ・・・コンニチハ・・・コンニチハ・・・コンニチハ・・・(以下無限ループ)
#経緯
プロコンデモ審査前日、つまり10月7日までは好調に稼働していました。(完成度が高いとは言っていない)
しかし、デモ審査当日・・・。

Ω\ζ°)チーン

100T2900.JPG

といいますのも、急に、本当に何の前触れもなく、**"冷たくなって"**しまわれたのですよね。
#その後
とりあえずデモに何とか間に合わせようと、まずはソフトを疑いました。
ご存知の方もいるでしょうか・・・"WDRT"。
Windows Device Recovery Toolの略なのですが、こいつを使ってOSを消し去り、プロコン会場で初期設定することに。・・・笑う。
私のSurfaceBookを最大限に活用()してリカバリーを試みるも、イメージを焼くのに失敗。その後何度試しても素直に焼かれてはくれませんでした。

・・・初期設定すらできない
#どんな状況だったか
デモ審査当日と書きましたが、お亡くなりになったのはデモ審査直前。
#どれくらい直前か
一つ隣のブースの高専が、絶賛デモ審査を受けている最中でした。

・・・もう一度言います。
#一つ隣のブースの高専が、絶賛デモ審査を受けている最中でした。

・・・。

#写真は?
よくぞお気付きで。慌てすぎて写真など取っている暇はありませんでした。ごめんなさい。謝ることじゃないけど。

#・・・。
・・・。
#その後
結局プロコン閉会まで一度もまともに動作することはなく。自分たちで作った部分が動かないならまだしも、買ってきたものが動かなかったという点で悔しさ倍増です。
プロコン会場から東京へ持ち帰ったHoloLens。

100T2888.JPG

開発期間の間「日本一雑に扱ったHoloLens」などと豪語していたうえ、プロコン本戦期間に散々弄繰り回されて、すっかりくたびれてしまったようです・・・。

でも、プロコンは終わってしまっても、ちゃんと動くようにしたい。

そんなわけでMS社にメールを飛ばしてみました。

#結果は?
まずサポートに頼って得た収穫がいくつか。
##①WDRTはPreviewでないOSで実行しよう
まずこれですが、MSさんにSurfaceに入っていたOSのBuild番号を伝えたところ、「WDRTはInsiderじゃないリリース版のWindowsで実行して!」とお返事をいただきました。
実はこれ、結構大事だったようでして。このお返事をいただいた翌日、HoloLensを寮に持ち帰って正規版WindowsのデスクトップでWDRTしてみたところ、なんと焼き直しに成功!

#じゃあ直ったの?
ハハッ。んなわけ。
無事翌日Helloループに至りました。

##②Development Editionは保障ないよ!
これは言わずもがなというか、むしろ知った状態で買わないといけないものなんですが、HoloLensのDevelopment Editionにはハードウェア保障が付帯しません。ので、落として壊そうが劣化で壊れたけどそれがやけに早く感じようが、基本的に直してくれません。
じゃあ今回の問い合わせは意味なかったのか?というのはまだで、次も見ていただけると。

##③とりあえずは問い合わせてみよう!
確かに保障は付帯しませんが、今回実際問い合わせてみて、少なくともInsider BuildでのWDRTがヨクナイという事実を知れました。
また、この話には続きがあって、実はまだサポートの案件が終了していないのです。かなり特殊なシチュエーションと開発の仕方(用途)だったのもあるのでしょうか、まだ「これで終了」ではないようです。
(詳しい状況については伏せますが、やはりサポートに頼るのは十分意味があると思えます)

とまぁ、実際得たものは少なくはありませんでした。

#さらにその後
そんなわけで当プロコンの部屋には動かなくなった30ウン万円のHoloLensと、相棒を失ったマイクアレイがいまだに安置置かれているわけでありますが。
この後は、まぁせっかくなので少しHoloLensを開発に使ってみた感想などでも書き連ねてみようかと。

#HoloLensは間違いなく新しく、そして当然未熟
これが私が数か月間かけてHoloLensと戯れてきて思ったことです。
HoloLensのホログラムを空間に投影する感覚は確実に新感覚で、本当に驚きでした。これを使えば、今までの"UI"とは一線を画す、もはやインターフェースというべきではないより直感的な何かが作れそうかなと思いました。それは間違いないです。

・・・んがしかし。
未熟・・・というのは、ハードウェアやソフトウェアなど技術面そのものではなく、開発する面でのお話です。
ハードウェアの完成度は、剛性もよくデザインも洗練されていてとても高いものでした。

100T2904.JPG

一方で、作らせる体制は整っていないなぁ・・・と。
というのも、正直、リファレンスが少なすぎます。
Microsoftのリファレンスは比較的充実していて、HoloLensのセンサー類を扱うのにも、HoloToolKitがあればさほど困りはしません。しかし、そういったHoloLensならでは以外の部分・・・例えば今回はWebSocketを使用したのですが、そのWebSocketを使用するにあたりimportするライブラリは、C#向けのものがそのまま使えるのか?など、細かい問題・・・ブラックボックスに対面している感覚がどうしてもありました。
決して開発できなくはないですし、きっちり読み込んで書いていけば問題なく書けはするのですが、Unityの癖とHoloLensの癖とVisualStudioの癖と・・・いろいろなこと考えなければならないのもあり、開発を楽しめたか?というと、正直・・・。
また日本での開発者の少なさから、調べても出てくる情報の多くは英語、割と厳しいものがありました。

#使うべきか
正直、今回いろいろ触れてみて、これはまだ普及していくとか、広まるとか、そういった次元のデバイスではないなと実感しました。
今回の本題である故障も、結局何が原因か不明です。
HoloLensは間違いなくチャレンジングなデバイスで、これが発表されたときの社会のざわめきようと言ったら・・・(私もそのころ相当興奮していたのを覚えています)

100T2896.JPG

HoloLensが、一種の可能性として、こんなものができるぞ・・・!と、社会に提示したものの大きさは確かに極めて評価できますし、素晴らしいと思います。
でも、この30万円越えのデバイスが世の中のスタンダードになっていくかというと・・・うーん・・・。
#それでも今後に期待
HoloLensを触って、確かにこれそのものが普及するとは考えにくい・・・でも、それでもこの分野(MR)は今後もぜひ期待したいものです。
というのも、高価で実験的で、ものすごく面白くてものすごく新しいけれどまだ実用には遠いデバイス・・・昔の、初期の携帯電話を見ているようですw
あのケースを考えてみれば、きっとHoloLens、MR技術にもまだ今後があると考えてもいいのではないでしょうか・・・。

#さいごに
今回我が高専のプロコンゼミは、おそらく日本で1,2を争うレベルでHoloLensをガツガツ使ってゴリゴリ開発してきたわけですが、そのおかげで得た発見も多かったかと思います。(壊れたけど)
知る限りは、"日本で最も雑に扱われたHoloLens"・・・ぜひ復活させたいものです。
現状何とも言えませんが、頑張っていきたいものです👍

#長・駄文申し訳ありませんでした!!!

6
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
6
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?