先日VCP-TKOを受験して無事合格した。
VCP-TKOの受験記は見当たらなかったので書いてみる。
なお、'23/12時点の情報であり、将来的に変わるかもしれない点に注意。
VCP-TKOとは
VCP-TKOは正式名称が「VMware Certified Professional - Tanzu for Kubernetes Operations 2023」となっており、VMware(現Broadcom)が提供する資格試験のひとつでTanzu for Kubernetes Operations(TKO)に関する知識が問われる試験となっている。
TKOってそもそも何?という方もいそうなので補足すると、シンプルに言うとKubernetesを運用するための製品群であり、以下の図のシステムを実現するものとなる。
(製品サイトより引用)
TKOに含まれる製品は以下であり、試験もこれらの製品に関する知識を問われることになる。
- vShphere with Tanzu (TKGs)
- Tanzu Kubernetes Grid (TKGm)
- NSX Advanced Load Balancer (ALB)
- Tanzu Mission Control (TMC)
- Tanzu Service Mesh (TSM)
- Aria Operations for Applications (AOA)
製品範囲の詳細について試験の紹介サイトにあるPDFに詳細が記載されているので、こちらもあわせて参照するとよい。
範囲は広いが各製品のDeepDive的なところは対象外なので、浅く広く知ってると有利。
ただし、UIでの設定手順やCLIの書式を問われるような問題もあり、概念だけ抑えておくだけだと通らないので注意。
ある程度HandsOnLabなどで触っておいた方がよい。
試験の前提
以下のいずれかのトレーニングコースを受けておく必要がある。
- VMware Tanzu Mission Control: Management and Operations 2024
- VMware Tanzu Kubernetes Grid: Install, Configure, Manage [V2.0] – On Demand
- VMware Tanzu Kubernetes Grid: Install, Configure, Manage [V2.0]
- VMware vSphere with Tanzu: Deploy, Configure, Manage [V8]
- VMware vSphere with Tanzu: Deploy and Manage [V7]
- VMware vSphere with Tanzu: Deploy and Manage [V7] - On Demand
- VMware Tanzu Kubernetes Grid: Install, Configure, Manage [V1.5]
- VMware Tanzu Kubernetes Grid: Install, Configure, Manage [V1.5] - On Demand
- VMware Tanzu Mission Control: Management and Operations 2022
- VMware Tanzu Mission Control: Management and Operations 2022 - On Demand
- Kubernetes Fundamentals and Cluster Operations
- Kubernetes Fundamentals and Cluster Operations - On Demand
VCP-AMと被っている物が多いので、VCP-AMを受験したことがある人はそのまま資格があると思って良さそう。
試験内容
試験の紹介サイトによると以下のようになっている。
- 言語:日本語あり
- 試験時間:130分
- 問題数:63(採点対象外の問題も含んで出題される)
- スコア:100-500(合格は300以上)
- 価格:$250くらい
- 問題:選択式(複数選択するものもあり)
試験結果はその場で確認でき、スコアも知ることが出来る。
ピアソンVUEで受験することになるので、家環境をしっかり整備するか、不安な人はピアソンVUEの試験会場で受験しよう。
ただ、私は環境面で不安があり近所の会場で受験したが、マウスのクリック感に違和感があって少しやりづらかった。
慣れたデバイスで受けたい人は家の方が良さそう。
試験前の状態
自分は元々TKOをそこそこ触っていて、大体以下のような経験がある状態だったかなと思う。
- TKGs:構築は何度もやってるが、コアなトラシュは1年以上やっていない
- TKGm:Tanzu Package関連含めて構築からコアなトラシュまでかなり触っている
- ALB:数回構築した程度。構築手順以上を知らない。
- TMC:満遍なく機能を利用。Regoはお手本見ながらなら多少書ける。得意製品。
- TSM:API周りは触っていないが、それ以外のUI上の機能は満遍なく利用。Istioの細かい設定は即答出来ない。
- AOA:OOTBダッシュボードを使ったり、アラート設定は使ったことがあるが、全ての機能を網羅的には触っていない
穴はあるが、合格点を取るだけなら大丈夫だろう、と思って特に対策はせずに受験した。
不安な人は前述の試験前提のTKGやTMCのトレーニングをしっかりやっておくか、HandsOnLabのVMware Tanzu for Kubernetes Operations (HOL-2433-02-MAP)あたりをやっておくといいと思う。
感想
合格点はそこそこ上回って無事ゲット。試験時間はフルに使わず20分くらいで退室した。
以下感想。
- TKG/TMCはオペレーションレベルで聞かれる問題が多かった気がしたが、他は機能が答えられればいい感じで偏りがあるように感じた。
- CLIに関する問題がちょいちょいあるが、オプション指定がロングオプションで聞かれたりして、実務でショートオプションしか使わない人(私)はちょっとつらかった。
- 問題に癖がややあり、正解が複数ありそうな問題や、どれも正解じゃないだろ、と思う問題もあった。
- 問題作成時期が分からず、「問題作成時にこの機能実装されてたかな」と考えることもあった(例:AOAのログ収集機能)
おわりに
この資格を持ってるからといって企業にアピールできるものでも無いと思うので、役立つ資格としてというよりは自身のスキルチェックとして試しに受けてみるといいかと思う。
あと、VCPの中でも多分レア資格なのでVCPコレクターの人に自慢できるかも。
なお、上位資格としてVMware Tanzu Mission Control Specialistがあり、VCP-TKO所有が前提条件になっているので、VCP-TKOを無事に取得しTMCに自身がある人は受けてみるとよさそう。