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Symfony ComponentAdvent Calendar 2022

Day 12

いろいろなサービスで通知する、"Notifier"

Last updated at Posted at 2022-12-11

Symfony Component Advent Calendar 2022の12日目の記事です。

最初に

SymfonyはPHPのフレームワークのひとつです。しかし、公式サイトの説明文には

Symfony is a set of PHP Components, a Web Application framework, a Philosophy, and a Community — all working together in harmony.
(SymfonyはPHPコンポーネントのセットで、Webアプリケーションフレームワークで、哲学、そしてコミュニティです。それらがハーモニーを奏でながら動作しています。)

と書かれている通り、PHPコンポーネントのセットで、たくさんのコンポーネントを提供しており、それらを組み合わせてひとつのフレームワークとして動作しています。Symfonyのコンポーネントは、Symfony上だけで動作するのではなく、他のPHPフレームワークやアプリケーションでも動作している強力なものが揃っています。

今回はそれらの中から、役立ちそうなもの・お薦めしたいものを紹介していきたいと思います。

※記事内ではautoloadのインポートは省略します。

いろいろなサービスで通知する、"Notifier"

Notifierは、メールも含めていろいろなサービスを使って通知を行うコンポーネントです。前述のとおりメールも対象なのでMailerに依存しています。

インストール

composer require symfony/notifier

通知は5種類

通知は大まかに分けて5種類の通知を用意してあり、各種さまざまなプロバイダをサポートしています。

種類 概要
SMS SMSメッセージで通知
Chat テキストチャットサービスで通知
Email メールで通知
ブラウザ 画面上にフラッシュメッセージで通知
Push Push通知

Mailerと同じく、それぞれの種類ごとに複数のプロバイダをサポートしていて、利用するためにはコンポーネントを追加でインストールします。また、DSNの設定も同じく.envに設定します。

.env
CHATWORK_DSN=chatwork://{APIトークン}@default?room_id={ルームID}
config/packages/notifier.yaml
framework:
    notifier:
        chatter_transports:
            slack: '%env(CHATWORK_DSN)%'

通知を送る

通知を送る場合、Notificationオブジェクトを作成し、NotifierInterfaceを使って通知を送信します。

ItemController.php

use Symfony\Component\Notifier\Notification\Notification;
use Symfony\Component\Notifier\NotifierInterface;
use Symfony\Component\Notifier\Recipient\Recipient;

class ItemController extends AbstractController
{
    public function publish(NotifierInterface $notifier): Response
    {
        $notification = new Notification('メッセージ', ['email', 'sms']);
        $recipient = new Recipient('{メールアドレス}', '{電話番号}'); // どちらかが必要

        $notifier->send($notification, $recipient);
    }
}

Chatサービスなどの通知先を指定する必要がなかったりメールアドレス・電話番号ではない場合は、ChatterInterface, TexerInterfaceなどのクラスを使い、送信処理を行います。
利用する場合は、それぞれ専用の通知クラスを使います。


public function publish(ChatterInterface $chatter, TexterInterface $texer): Response
{
    $chatMessage = new ChatMessage('メッセージ'); // Chatの場合
    $chatter->send($chatMessage);

    $pushMessage = new PushMessage('メッセージ'); // Push通知の場合
    $texter->send($pushMessage);
}

通知を設定する

通知によって、送り先を変えたり設定を変更したい場合もあります。そのような場合は、それぞれのプロバイダで専用の設定クラスが用意されています。例えばChatworkの場合、

ItemController.php
class ItemController extends AbstractController
{
    public function publish(ChatterInterface $chatter): Response
    {
        // メッセージ
        $chatMessage = new ChatMessage('メッセージ');

        // オプション設定
        $chatworkOptions = new ChatworkOptions([]);
        $chatworkOptions
            ->to(['{ルームID}']) // ルームIDの指定
            ->selfUnread(false)
        ;
        $chatMessage->options($chatworkOption);
        
        $chatter->send($chatMessage); // 送信
    }
}

ChatworkOptionsオブジェクトを作成し、そこに設定を行います。そのオブジェクトをChatMessageオブジェクトに渡すことで、指定のルームにメッセージを送ることができます。

フェイルオーバー、ラウンドロビン

コンポーネントの設定により、フェイルオーバー、ラウンドロビンに対応できます。

config/packages/notifier.yaml
framework:
    notifier:
        chatter_transports:
            # Slackで送信エラーの場合はChatworkで送る
            main: '%env(SLACK_DSN)% || %env(CHATWORK_DSN)%'

            # Slackで送った後の次の通知はChatworkで送る
            roundrobin: '%env(SLACK_DSN)% && %env(CHATWORK_DSN)%'

まとめ

今回はNotifierを紹介しました。Mailerと似たようなコンポーネントですが、システム管理者に対しての通知だったり、SMS, チャットサービスを利用した通知だったりを行うことができ、とても便利なコンポーネントです。

補足

Symfony 6.2からChatworkが利用できるようになりました
私が作成しました。ぜひご活用ください。

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