はじめに
下記の記事では、Fタームを使用してバブルチャートを作成してみました。
このバブルチャートは、いわゆるマトリクスの形式なのですが、縦軸、横軸の軸項目が20個くらいあるので、一目で理解しにくい図となっております。今回は、この軸項目を減らす作業をしたいと思います。
やりたいこと
軸項目を減らす方法としては、単純に軸項目を削ることが考えられますが、今回は、軸項目のグループをつくり、そのグループ名で軸項目を置き換えることにより、軸項目を減らしたいと思います。
軸項目のグループの作成法
グループの作成法はいろいろあると思いますが、今回はGPT-4へ丸投げすることにより、課題軸、解決手段軸についてそれぞれ5つのグループにまとめたいと思います。GPT-4は分類するだけでなく、グループの名称も考えてくれるので、とても楽です。
以下が、GPT-4が分類した課題と解決手段のグループとなります。
課題のグループ
1.水との関係性
'吸水性','親水性','透水性','撥水性','逆流防止','水分解性'
2.物質の拡散・通過性
'通気性','拡散性','光透過性'
3.形状と構造の変化性
'嵩高','膨張性','伸張性','伸縮性'
4.物質の強度・安定性
'剛性','密度','接着性','分解性'
5.感触と保護性能
'風合','保温性'
解決手段のグループ
1.素材のタイプ
'繊維材料','紙','不織布','合成繊維','パルプ','織編物','合成樹脂','ポリマー'
2.形状・構造'
'シート状','スポンジ状','弾性材料','高吸収性材料'
3.処理・改質
'表面処理','化学的処理','処理変性'
4.接着・固定化
'接着剤','薬剤','凝血剤'
5.機能性添加物
'脱臭剤','活性炭','抗菌剤','香料','潤滑剤'
プログラム
上記グループに置き換えるプログラムを追加します。具体的にはグループ化の辞書を新たに作成し、Fタームを日本語化した辞書をupdateしてゆきます。コードは以下の通りです。
# 課題グループ化の辞書
input_dict1 = {item: '水との関係性' for item in ['吸水性','親水性','透水性','撥水性','逆流防止','水分解性']}
input_dict1.update({item: '物質の拡散・通過性' for item in ['通気性','拡散性','光透過性']})
input_dict1.update({item: '形状と構造の変化性' for item in ['嵩高','膨張性','伸張性','伸縮性']})
input_dict1.update({item: '物質の強度・安定性' for item in ['剛性','密度','接着性','分解性']})
input_dict1.update({item: '感触と保護性能' for item in ['風合','保温性']})
# 解決手段グループ化の辞書
input_dict2 = {item: '素材のタイプ' for item in ['繊維材料','紙','不織布','合成繊維','パルプ','織編物','合成樹脂','ポリマー']}
input_dict2.update({item: '形状・構造' for item in ['シート状','スポンジ状','弾性材料','高吸収性材料']})
input_dict2.update({item: '処理・改質' for item in ['表面処理','化学的処理','処理変性']})
input_dict2.update({item: '接着・固定化' for item in ['接着剤','薬剤','凝血剤']})
input_dict2.update({item: '機能性添加物' for item in ['脱臭剤','活性炭','抗菌剤','香料','潤滑剤']})
# mapメソッドを使用して分類をグループに置き換える
df_fterm.loc[:, '課題'] = df_fterm['課題'].map(input_dict1)
df_fterm.loc[:, '解決手段'] = df_fterm['解決手段'].map(input_dict2)
# データフレーム確認
print(df_fterm)
下が生成されたデータフレームです。うまく5×5のマップになるような気がします。
課題 解決手段 Counts
0 形状と構造の変化性 処理・改質 1
1 形状と構造の変化性 形状・構造 439
2 形状と構造の変化性 接着・固定化 108
3 形状と構造の変化性 機能性添加物 9
4 形状と構造の変化性 素材のタイプ 345
5 感触と保護性能 処理・改質 6
6 感触と保護性能 形状・構造 82
7 感触と保護性能 接着・固定化 51
8 感触と保護性能 機能性添加物 14
9 感触と保護性能 素材のタイプ 279
10 水との関係性 処理・改質 56
11 水との関係性 形状・構造 176
12 水との関係性 接着・固定化 95
13 水との関係性 機能性添加物 86
14 水との関係性 素材のタイプ 947
15 物質の強度・安定性 処理・改質 8
16 物質の強度・安定性 形状・構造 283
17 物質の強度・安定性 接着・固定化 217
18 物質の強度・安定性 機能性添加物 62
19 物質の強度・安定性 素材のタイプ 569
20 物質の拡散・通過性 処理・改質 5
21 物質の拡散・通過性 形状・構造 128
22 物質の拡散・通過性 接着・固定化 54
23 物質の拡散・通過性 機能性添加物 32
24 物質の拡散・通過性 素材のタイプ 393
下が生成された特許マップです。5×5のマップになりましたので、軸項目を減らすことができました。
感想
このグループ作りについては、GPT-3.5ではあまりうまくゆかなかったのですが、GPT-4ではうまくゆくようになりました。もう少しGPT-4を使っていろいろ試したいと思います。
また、グループ化やグループの名称を考えることは、面倒な作業でしたが、これからはGPT-4にたたき台を作ってもらえるようになりましたので、格段に作業が楽になりました。今後も活用したいと思います。