背景
エンジニアとはLinuxで遊ぶものだという噂 偏見 を聞きつけて、Linuxで遊び倒そうと思い立ちました。
引越し前に処分したノートPCを惜しみつつ、調べるとThinkPadが良いらしいと聞いてタイトルに至ります。
中古PCを購入するところからUbuntuでカスタマイズを色々して見るところまでです。
初心者向けを目指して、コマンドもそこそこ詳しく解説していきます。
1. 中古PCを購入する
まず、PC性能の許容範囲は「Webプログラミングが不便なくできる程度」で考えました。
ThinkPadはSSD換装やメモリ増設がしやすいので自由度が高いようです。
結果的には下記のようなスペックになりました。
画面サイズ:12.5型(インチ)
CPU:第6世代 インテル Core i5 6300U(Skylake)/2.4GHz/2コア
ストレージ容量:SSD:256GB
メモリ容量:8GB
ビデオチップ:Intel HD Graphics 520
自分でやっても良かったのですが、換装増設済みかつ安く3年保証もついているPC WRAPで購入しました。
(実店舗もサイトも見て回りましたが掘り出し物も多く、今後も利用したいお店です)
2. Ubuntuを入れる
環境
ThinkPad X260
Ubuntu 22.04
Windows10
Rufus 3.20
前提
-
isoファイルを準備するためにWindows環境とUSBメモリを用意する
- 8GBでも足りそうだけど、今回は32GBくらいのものを使用
-
Windows環境にRufusをインストールしておく
- USBに起動するisoファイルを書き込むため
-
(必要なら)ThinkPadに元から入っているWindowsパーティションを縮小するか、リカバリーファイルを別に取っておく
- インストールに失敗してもなんとかなる
やり方
-
インストールするisoファイルをダウンロードしてくる
- 今回は
ubuntu-22.04.1-desktop-amd64.iso
- 今回は
-
Rufusを起動して、「Device→USB」と「SELECT→ダウンロードしたisoファイル」を選択して書き込む
- 他の設定は特にいじってない
-
USBを挿してThinkPadを起動し、BIOS設定画面でブート順を変更する
- なかなかBIOSに入れなかった(ここが今回一番の罠)
- 一旦再起動して、Lenovoロゴが出たタイミングでF1キーを押すと入れた
- StartupのBootタブに移動して、読み込まれたUSBが最上部にくるようにする
-
電源を入れ直すとGNU GRUBが開くので、
Try or Install Ubuntu
を選択してインストールを開始する -
あとは道なりに進む
- 言語設定やキーボード設定は日本語のデフォルトのものを選択する
- 「アップデートと他のソフトウェア」では最小インストールを選択(これは好みだと思われます)
- 「インストールの種類」ではディスクを削除してUbuntuをインストールを選択
- タイムゾーンは日本の何処か
- あとは、「ユーザ名のフルネーム」「ユーザ名」「コンピュータ名」「パスワード」を入力したら待つだけ
以上の作業が終われば無事インストールできているかと思います。
最初は日本語入力がうまく行かなかったのですが、右上のjaと表示されているところから言語設定を 日本語(Mozc) にすることで解決しました
3. APT のデータ取得元を日本に変更する
LinuxではAPT(Advanced Package Tool)というパッケージ管理ツールを用いてソフトウェアを管理しています。
そのデータ取得元のアーカイブサーバは海外のものになっているため、通信負荷軽減のために日本公式ミラーサーバーjp.archive.ubuntu.com
に変更します。(富山大学にあるらしい)
sudo sed -i 's!//archive.ubuntu.com!//jp.archive.ubuntu.com!g' /etc/apt/sources.list
sudo sed -i 's!//us.archive.ubuntu.com!//jp.archive.ubuntu.com!g' /etc/apt/sources.list
sudo sed -i 's!//fr.archive.ubuntu.com!//jp.archive.ubuntu.com!g' /etc/apt/sources.list
sudo apt -y update
/etc/apt/sources.list
はデータ取得元の設定リストファイルになります。
/etc
フォルダには重要な設定ファイルが入っているため、特権ユーザの権限で(sudo
)ファイルをいじくります。
sed
はテキスト処理が色々できるコマンドです。
オプション-i
をつけて上書きし、s/(変更前)/(変更後)/
というパラメータで置換処理を行います。
ただ、今回はcat /etc/apt/sources.list
コマンドなどで確認すると分かるのですが、編集したいテキストはdeb http://archive.ubuntu.com/ubuntu/ jammy main restricted
のように「/」を含むためエスケープしなければいけません。
sudo sed -i 's/\/\/archive.ubuntu.com/\/\/jp.archive.ubuntu.com/g' /etc/apt/sources.list
としても良いのですが、「/」の代わりに使える記号「!」を使っています。
パラメータの最後についている「g」は該当する全部の箇所に処理を適用するという意味です。
パッケージリストを読み込んでいます... 完了
依存関係ツリーを作成しています... 完了
状態情報を読み取っています... 完了
という出力がされたら成功です。
4. システムの更新
sudo apt -y install ca-certificates curl gnupg lsb-release
sudo apt -y install apt-transport-https
sudo apt -y update
sudo apt -y upgrade
sudo apt -y dist-upgrade
sudo apt -y autoremove
sudo apt autoclean
sudo shutdown -r now
SSL接続のためのCA証明書や暗号化ツールなどをインストールして、HTTPSアクセスを可能な状態にしておきます。
sudo apt update
ローカルパッケージインデックスの更新
sudo apt upgrade
ポイントリリースの適用(アップデート)
sudo apt dist-upgrade
新しいパッケージを追加・更新する
sudo apt autoremove
更新して必要亡くなったパッケージを削除
sudo apt autoclean
キャッシュ済みで未インストールのdevファイルを削除
5. タイムゾーンとロケールの設定
言語や地域の設定をします。
sudo timedatectl set-timezone Asia/Tokyo
export LANG=ja_JP.UTF-8
export LC_ALL=ja_JP.UTF-8
export LANGUAGE=ja_JP.UTF-8
sudo sed -i 's/# ja_JP.UTF-8 UTF-8/ja_JP.UTF-8 UTF-8/g' /etc/locale.gen
sudo locale-gen
sudo update-locale LANG=ja_JP.UTF-8
sudo dpkg-reconfigure -f noninteractive locales
sudo /usr/sbin/update-locale LANG=$LANG LC_ALL=$LANG
timedatectl set-timezone Asia/Tokyo
でタイムゾーン、exportでja_JP.UTF-8を環境変数を設定します。
sedコマンドでロケール定義ファイルでコメントアウトされていたのを戻して、locale-genでコンパイルします。
localeコマンドで確認すると下記のようになりました。
LANG=ja_JP.UTF-8
LANGUAGE=ja_JP.UTF-8
LC_CTYPE="ja_JP.UTF-8"
LC_NUMERIC="ja_JP.UTF-8"
LC_TIME="ja_JP.UTF-8"
LC_COLLATE="ja_JP.UTF-8"
LC_MONETARY="ja_JP.UTF-8"
LC_MESSAGES="ja_JP.UTF-8"
LC_PAPER="ja_JP.UTF-8"
LC_NAME="ja_JP.UTF-8"
LC_ADDRESS="ja_JP.UTF-8"
LC_TELEPHONE="ja_JP.UTF-8"
LC_MEASUREMENT="ja_JP.UTF-8"
LC_IDENTIFICATION="ja_JP.UTF-8"
LC_ALL=ja_JP.UTF-8
うまくいくと、manコマンドなどで日本語の出力が返されます。
最後に
調べているときに、Ubuntu22.04でのエラー報告をいくつか見かけましたが、自分が試したときには問題は起こりませんでした。
もし、同様の手順でやった際にエラーが生じても、解決法をお答えできないかもしれません。
その点をご了承ください。
実は、この記事は今回Ubuntuを入れたThinkPadで書いた初記事となります。
FireFoxを使っていますが、今のところ使用感に問題はなさそうです。
これから色々と設定をいじっていこうと思うので、それも今後追記するなどして残したいと思います。
参考
Lenovo プラットフォーム環境に Ubuntu OEM イメージをインストール
BIOSでブート順を変更する- Windows 7, 8, 8.1, 10, 11
Ubuntu 22.04 のインストール- 金子邦彦研究室
Ubuntu インストール直後のおすすめ設定
sed コマンド | コマンドの使い方(Linux) | hydroculのメモ
Ubuntu Manpage:sources.list - APT のデータ取得元の設定リスト