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N/S高等学校Advent Calendar 2023

Day 17

エンジニアに捧げる乱読のすゝめ

Last updated at Posted at 2023-12-17

はじめに

N/S 高等学校通学プログラミングコースでプログラミング講師をしている io です。

N/S 高等学校 Advent Calendar 2023の 17 日目の記事として、今回は自分が心がけている読書意識について記したいと思います。

最初に読書についての状況を軽く整理してみましょう。

最近では、2001 年生まれの統計結果などから若者の読書習慣が失われているという議論をよく見かけます。
実際に下記にある通り、ある世代として見たときに読書量が年齢を経て減っていることは分かります。

〇 1か月の間に読んだ書籍の数については紙の書籍(本)、紙の書籍(雑誌・
マンガ)、電子書籍(本)、電子書籍(雑誌・マンガ)のいずれも、0冊と回
答した者の割合が半数以上となっている。また、4冊以上と回答した者の割
合は紙の書籍(本)で 5.8%、紙の書籍(雑誌・マンガ)で 18.6%、電子書
籍(本)で 6.1%、電子書籍(雑誌・マンガ)で 21.3%となっている。(図
10)

〇 第 10 回調査と比較すると、本、雑誌・マンガとも0冊と回答した者の割合
が大幅に増加し、4冊以上と回答した者の割合が減少している。(図 10)

第 21 回 21 世紀出生児縦断調査(平成 13 年出生児)の結果概要

ただし、令和 4 年度の世論調査を見ると少々印象が変わります。

生活に必要な情報の入手先として、「本や辞典」を利用している割合は下記のとおりです。

16~19 歳:19.5%

20 代:5.7%

30 代:9.1%

40 代:7.2%

50 代:5.0%

60 代:8.4%

70 代以上:14.0%

令和 4 年度「国語に関する世論調査」の結果について

こう見ると「今の若者が本を読まない」というよりは、「小さい頃は本を読んでいても大人になると忙しくて読まなくなる」と考えるほうが妥当でしょう。

私自身の感覚でも働き始めてから本を読む機会は間違いなく減りましたし、やむを得ないことだと思います。

ただ、それで満足していてはいけないという危機感もあり、今回は読書のハードルを下げ、メリットを再確認するために乱読の有用性についてまとめていきたいと思います。

そのために、あえてタイトルに乱読というワードを入れてみました。

また、Qiita に限らず、その他の情報サイトでも読むべき技術書やその読み方については散々議論されてきたことでしょう。

わざわざ若輩の私から技術書の紹介をしても仕方がないため、私の強みの一つである読書量あるいはその分野の広さ、役立て方についてお伝えできればと思います。

私の読書量について ジャンル問わず、ざっくり年 60〜70 冊(ここ 3 年の実績)です。 これを多いと取るか少ないと取るかは人によるかと思います。 ただ、読んでいる本の種類や積み重ねの点では、多くの方の参考になると自負しています。

技術書の話もしますが、それ以外にも多く触れますので「エンジニアに捧げる」趣旨から逸れるかもしれません。 できるだけエンジニア目線になるよう語りますので、最後まで目を通していただけますと幸いです。

面倒だという方は太字に要点をまとめていますので、そこだけでも読んでください。

乱読がもたらす効果

早速ですが、語るにあたって定義しておきましょう。

  • インプットの効果

    本を読む目的と言えます。

    本の主題としている知識や啓発、物語から得られるものです。

    • ドメイン知識の習得
    • 習慣・行動の改善
    • マインドセット
    • 娯楽の享受

  • 活字を読む効果

    文章を読む経験自体によって生じる効果です。

    書籍とは著者・編集者によって伝えるメッセージが構造化されたものであり、その語彙に触れ、論理展開を読み解くことに意味があります。

    • 文章を読むことへの慣れ
    • 語彙力の増加
    • 読書習慣の獲得
    • 論理的思考力の養成

  • 副次的な効果

    以上に挙げたもの以外にも色々とメリットがあります。

    日常で役に立つ機会が少ないものの、コミュニケーションや議論を活性化させる可能性がある知識は教養と言えます。

    また、冒頭に述べた読書習慣の希少さからか、周囲の人間の評価も馬鹿にできません。

    • 教養の養成
    • 社会情勢の把握
    • 認知能力の向上
    • 周囲の人間からの評価

乱読のすすめ

乱読とはどういう読み方でしょうか。

いろいろな本を手当たりしだいに読むこと。

goo 辞書

これを踏まえて、今回勧めたい読み方を下記に言い換えます。

  • いろいろな本を → 多岐にわたるジャンルの本を
  • 手当たりしだいに → 手段や形式にとらわれず気軽に

「多岐にわたるジャンルの本を手段や形式にとらわれず気軽に読むこと」

特に強調したいのは、「気軽に」読むことです。

これは本を決して最後まで読みきらなくても良いし、読みたい箇所だけ摘んでも良いという意味です。

ことエンジニアという人種は完璧主義な面があると思っていますが、乱読にあたっては 「本は全て目を通して理解しないといけない」という幻想を捨てましょう

なぜこの読書方法を推奨したいのか、先程挙げた 3 つの効果に沿って説明します。

その後に述べるデメリットと併せて、有効かどうか考えてみてください。

乱読のメリット

大きなメリットが見込めるのは「活字を読む効果」と「副次的な効果」です。

インプットの効果

業務に関するドメイン知識は仕事への解像度を上げることに繋がり、クオリティを高めることができます
あるいは無関係だとしても、各ドメイン同士のネットワークを構築することで視野を広げることに繋がります。

また、娯楽面では試行回数を増やせることが大きいです

趣味の獲得は人生の充実において欠かせませんが、容易なことではありません。
まだ見ぬジャンルに自身のツボが眠っているかもしれず、きっかけとして気軽に冒険できるところが乱読の強みです。


活字を読む効果

論理的に考え、語彙力の豊富な人間に憧れないという方は少ないでしょう。
そんなカッコいい存在になる近道は、聡明な人間の真似をすることではありません。

人間は慣れている行動には余裕が生まれます。
では、論理的に考えることに慣れ、馴染みのない語彙に触れる時間を増やすのが手っ取り早いです。

例えば、本来良いコミュニティや高度な教育機関ではその時間を得られますが、誰にでも開かれているとは限りません。
それでも自身の力で確保したいのであれば、乱読というアプローチが有効です。


副次的な効果

ぶっちゃけると、他人から「この人は凄そう」と錯覚してもらえることが一番強力です。
読書アピールだけで尊敬を獲得できるとは限りませんが、真摯で勉強熱心な姿は少なからず信用を生みます。

また、乱読は簡単です。
仮に乱読によって得られた成果が小さかろうと、「何もしなかった自分」と比べて「簡単でも何かをした自分」が得られる自己効力感は馬鹿にできません。

乱読のデメリット

当然良い事ずくめという訳ではありません。

一定負荷のある行動を起こすのが難しい

乱読は普通の読書よりはハードルを下げた行為です。

ただ、活字を読むという行為自体が認知能力に負荷を与えるものである以上、何の気なしで出来ることではありません。
特に、社会人で時間を確保しつつ、継続的に習慣づけるのはなかなか大変です。

中途半端な状態へのストレス

乱読の特性上、各インプットで一時的な「知ったかぶり状態」が必ず発生します。
真面目な方は特に、他者への劣等感や自身の未熟さへの焦燥感と向き合わざるを得ません

成長には欠かせない痛みではありますが、悪化すると読書への心理的ハードルが上がってしまいます。

最終的には情報を正しく判断する

知らない領域の情報を取り入れる際に、それが正確かどうかの判断はつきません。
当然間違った情報はインプットすべきではありませんが、シャットダウンするのは現実的ではなく、乱読の気軽さが失われてしまいます。

必要なのは読む前に情報を精査する以上に、それが毒か薬か判別するリテラシー能力です。
古より ROM る文化で培われてきたと思いますが、乱読することそれ自体が ROM ることと同義だと思っています。

そのため、毒になりうる情報を一度は受け入れる可能性があることを知り、過度に恐れないようにしましょう。

乱読は今現在への最適解ではない

読書は余裕がないと出来ません。
もし現状で解決しなければいけない課題がある場合は、その問題と向き合うことの方が重要です。

また、乱読で得られるメリットを短期間で実感することは困難です。
いわば未来への投資であって、目に見えるアプローチを好む方には直接行動を起こすことを推奨します。

読書スタイルの提案

上記のメリット・デメリットを踏まえて、いかに乱読を実現可能にしていくか?
エンジニアらしく最適化するために、パターンごとに分類して提案したいと思います

自慢することではありませんが、私はかなり面倒くさがりでコツコツ行動するのが苦手です。
そんな私のアプローチとしては、下記のような局所最適化を場面ごとに実施していくのが性に合っていました。

性格には個人差があるため、同様に組み合わせるなり習慣化するなり、好みでカスタマイズしていただければと思います。

媒体ごとの特徴

まずは、書籍を読む媒体ごとに使い分けのコツを載せています。

物理本派か電子書籍派かは好みが大きいと思いますが、参考までに。

電子書籍(スマホ、タブレット)

物理的制約を受けない点で、当然一番おすすめです。
ビジネス書やノンフィクションなどの章が区切られて、前後のストーリーを意識する必要がない書籍を読むのに向いています。

電子書籍のプラットフォームは統一するようにしましょう。
Kindle であれば読書時間の推定やページ同期も可能なので、時間を見積もってスキマ時間に読み進めたいところです。

古典に関しては、下記の青空文庫アプリは必須級です。

ソラリ:iOS

Yom!青空文庫:iOS, Android

紙の本

紙派の方は多いと思うので、保存場所が十分ある場合は紙をおすすめします。
持ち運びを重視しないかつ、勉強や鑑賞目的でじっくり読む必要のある技術書や学術書、図録は特に紙推奨です。

持ち運びか据え置くかを最初から決めて、文庫本かハードカバーかを買い分けると良いでしょう。
乱読に文庫本は欠かせないため、じっくり読みたい本やデザインを重視しない場合はできるだけ文庫本を選ぶと良いです。

持ち運ぶのに人目や汚れが気になる人はブックカバーを複数取り揃えておきましょう。

目立つ栞をたくさん用意して、各本の読み進めているペースを可視化してあげると管理しやすいです。
理想としては本棚で積読、読書中、読了済みを分けて、気軽に手に取れるスペースを確保してあげると捗ります。

電子書籍(PC、ディスプレイ)

自身の作業場所に据え置きで読む場合はタブレットよりもいっそ PC やディスプレイ上に表示すると大画面で読みやすくなります。
PC を開きながら作業する場合に、技術書や辞書をサブディスプレイで表示することが出来ると効率的です。

また、仕事や作業で使う PC に入れておくことで、作業の空き時間や休憩中にスムーズに読書タイムを導入できます。
リモートで作業に根を詰めすぎる人には、気分転換ついでにもなるのでおすすめです。

環境ごとの特徴

続いて、読書環境ごとにどう使い分けるかの特徴とコツです。

本を 1 冊ずつ読み切ろうとしても、環境によっては適していない場合があります。
環境ごとにグループ分けして、各グループごとに並行して本を読み進めることを推奨します。

自宅

プライベートなスペースは集中しやすいため、基本的にはどんな本でも良いでしょう。
ただ、相対的に読み進めるのが重くなりやすい勉強や資格寄りのインプットや、手を動かす必要のある技術書を読む時間に割り当てるのがおすすめです。

また、インスピレーションを高めるためにも好きなものの図録や図鑑、装丁が綺麗なハードカバー本などインテリアっぽい本をあえて買っておくのも有効です。

せっかくの家なのでゴロゴロしながら読んでもよし、PC で作業しながらでもよし、とにかく目の付きやすいところに置いておきましょう。
掃除のときに見つけた本を読んでしまう現象も乱読では味方です。

もし抵抗がなければ、トイレに資格勉強や言語学習の単語帳などを置いておくとコツコツ勉強するよう習慣化出来るかもしれません。

移動時(電車、車内など)

一番スキマ時間としてイメージしやすい時間です。
基本的には電子書籍か持ち運びの文庫本を読むのが良いでしょう。

資格勉強のように細かな知識のインプットに充てると、勉強習慣を身につけることが出来ます。

漫画など娯楽を楽しむ時間に設定すると、のめり込みすぎないオフの時間を確保することが可能です。
いつの間にか時間が経っていてやりたいことが出来なかった経験があるという人は、是非おすすめです。

電車やバスを乗り過ごす危険性がある場合は、イヤホンをしてアラームを聞こえるように設定しておくと読むことに集中できます。

会社・学校

スキマ時間はないと思われがちですが、生活に根付いているが故に習慣化しやすい時間です。
始業前や就業後、休憩時間など自身のルーティンに設定してあげると良いでしょう。

この場合は、PC に入れた電子書籍で切り替えをスムーズにするアプローチもアリですし、メリハリをつけるためにあえて物理本やタブレットで読むなど自身でルールを定めておくことをおすすめします。

仕事中や授業中に読むのはルール上もちろん良くないですし、罪悪感や集中力の欠如に繋がり、読書の安全性を乱すことになります。
絶対にやらないようにしましょう。

少々高度ですが、職場で言いづらいことや質問したいことを本に反映させて、コミュニケーションのきっかけにすることも出来ます。
自分から話しかけるのは苦手だけど趣味の話がしたい時も、本を利用して自己開示する手段は有効です。

図書館

図書館は最高です。
蔵書に依存しますが、あらゆる種類の書籍に無料でアクセスできます。
できるだけ近所か通勤・通学ルートからアクセスが良い場所を見つけましょう。

図書館で適当にブラブラして、気になった本の目次などから読む本を決めることを特に推奨したいです。
ルールに則った上でですが、選定した本を複数かき集めてつまみ食いしてから複数冊借りることを習慣にしておくと、強制的に図書館に通うことが出来ます。

また、適度に周囲の目があるため、勉強するのにも最適な場所です。
家で集中できない場合は是非図書館を利用してください。

定期的に図書館に通うことを個人的にはおすすめしたいですが、私自身も習慣化出来ていません。

オフの時間(旅行、お風呂、リラックス時など)

オフの時間は自由に過ごしたら良いと思います。
少なくとも読書を強迫観念にしてしまわないために、日常的に読む本とジャンルは分けておくことをおすすめします。

私の場合は、旅行の移動時に積小説を一気読みしたり、手を付けづらい学術関連の読み物をあえてお風呂でのんびりと眺めたり、工夫しています。

書籍ごとの特徴

最後は書籍ごとに合っている読み方や意識すべきことを述べます。

乱読を有効に行うには、種類が豊富であればあるほど良いです。
これを読まなければいけないというプレッシャーを感じる必要はありませんが、合う合わないを判断できるくらいには手に取らないジャンルも見てみましょう。

技術書

エンジニアには一番馴染み深いので、特に言うことはありません。
じっくり読むことが多いと思うので、自宅や仕事場で読むのが合っているでしょう。

技術書は全部読むことが重要ではありません。
気になる場所だけでもいいから気になれば読んでみる、この意識を他ジャンルでも意識できると安全性が増します。

注意点として、手を動かすパートがある場合は出来るだけコードを書くようにしましょう。
途中でやめても構いませんが、プログラムに関しては読むだけだとインプットに繋がりづらいです。
環境構築で詰まる場合は判断が難しいですが、サンドボックスやオンラインエディタなど出来るだけ手間が少ない手段を選択しましょう。

ビジネス書

一番サクッと読めるので、困ったら有名所を読んで見れば良いと思います。
ビジネスでのエンジニアリングの役立て方を学ぶ機会になるかもしれません。
時にはしょうもないと思う本に当たるかもしれませんが、そう判断できた時点でリテラシーを確立できたと言っても過言ではありません。

細切れで読んでも問題ないことが多いため、スキマ時間の痒いところに手が届くジャンルです。
電子書籍ですぐに読めるようにしておきましょう。

また、仕事や行動・習慣の改善にも繋がりますので、周囲の人間におすすめの本を尋ねてみることでインプットとコミュニケーションの一石二鳥を狙うのも良いでしょう。

どうしてもビジネス書を受け付けないという人は、堀元見さんの「ビジネス書ベストセラーを 100 冊読んで分かった成功の黄金律」をおすすめします。
どうぞエンタメとして味わってください

小説・詩集・ラノベ

小説や特に詩集は趣味かどうかで読む量が大きく変わるでしょう。

「物語はどうしても漫画じゃないと……」、「アニメしか見ないです」という人はそれでも構わないと思います。
その代わり、そのメディアで色んなジャンルに触れてみて欲しいです。

物語も一種の構造化です。
パターン化されていると言ってしまうと夢はありませんが、自分の趣味や経験を増やすのには手っ取り早いです。

また、詩集は読んでみると案外言葉の力を実感できるため、隠れたおすすめです。
もし読んだ冊数を自慢したい方は、数稼ぎにも良いです。

もし読んだ冊数を自慢したい方は、数稼ぎにも良いです。

詩が好きな方には失礼な表現かもしれませんが、この言葉の真意は「読むきっかけは不純でもいいじゃない」という意味です。
素敵なのにあまり知名度がない詩集は無数にあり、知ってもらうことこそがまずは重要だと思います。

もし読む本が見つからないという方は青空文庫を開いて、ランキング上位の本をとにかく読んでみましょう。
詳しくは古典のところで述べます。

ノンフィクション

いわゆる一般常識をキャッチアップするなら欠かせない分野です。
あまりピンとかもしれないので補足をしておきましょう。

  • 有名な事件の真相や歴史的事実などを描き出した作品
  • 自伝・伝記
  • 社会問題について取材を通して状況を伝える作品

主に上記のような作品です。
社会問題などは真面目な場所にいるとふとした機会に意見を求められる場面があるかもしれません。
特に、国際的な領域に関わる場合はセンシティブな問題を知っておくべきです。

もっと軽く読むなら、子供向けの伝記漫画でも良いでしょう。

図書館に行くとこれらの本はかなり多いです。
中にはいわゆる左右に偏った本もありますが、そういった審美眼もリテラシーの一環かと思います。

古典

いわゆる教養に当たりますので、面白みを感じるには慣れが必要なジャンルかもしれません。
ただ、もし物語が好きであれば、物語の原型として扱われやすい古典に触れると楽しめると思います。

具体的には、神話・伝説の類やシェークスピアを筆頭とした戯曲の数々です。
「この展開どこかで見たことがあるぞ?」と思い当たることが多いので、古典の入口にはおすすめです。

古典の知識は学校で習ったことがあるはずですが、覚えている人は少ないことでしょう。
それは中身を知らないからであり、読んでみると案外面白いことが多いです。

教養としても強力なツールであり、「春はあげぽよ」や「クソデカ羅生門」で楽しめる人には古典にハマる素質があります。

何が一番良いかというと多くの古典は無料で読めることです。
図書館と青空文庫を活用すればほぼお金がかかることはないでしょう。

きっかけとして子供向けのまとめ本でもいいと思いますが、できれば原文を読んでみて欲しいです。
途中で諦めてもいいのですから。

学術書・論文

この辺はもはや趣味です。
特別興味がなければわざわざ読むこともないと思いますが、研究に慣れ親しむのであれば論文を読むことほど手っ取り早いものはありません。

案外調べてみると内容も分かりやすく面白い論文があったりします。
とにかく面白さに特化するならイグノーベル賞やダーウィン賞で調べてみると良いでしょう。

本と同様、論文にも間違っている(あるいは古くて説が覆された)内容が存在することがあります。
情報をジャッジする姿勢は忘れてはいけません。

下記のようなサイトで検索すると良いでしょう。

google scholar
CiNii
J-STAGE

もし無料で読めるかどうかを知りたい、読めるなら簡単にダウンロードしたいという場合は下記の Chrome 拡張機能はおすすめです。
Unpaywall

また、PDF であれば Kindle など電子書籍アプリで読み込めることが多いので、一括管理しておきましょう。

図鑑・辞典

こちらも趣味の範疇です。
値段も高いですし、基本的に好きでなければ買うことはありません。

ただ、最近では雷鳥社の辞典シリーズなどコンパクトかつデザイン性重視のものもあります。
インテリアにいかがでしょうか?

無料で読むなら図書館が鉄板ですが、古本屋を巡るとたまにニッチな図鑑や辞典と出会えます。
かつて悪口を集めた辞典やシンボルとして扱われるものを全て載せた辞典を見かけた時はワクワクした覚えがあります。

漫画

今回取り上げるか迷いましたが、漫画も色々ありますし多様なジャンルに触れるには良いメディアです。
スキマ時間を埋めるのにはちょうど良いかと思うので、物語としてたくさん触れるのには適していると思います。

個人的には、手塚治虫の問題作や AKIRA のように芸術に昇華された作品も読んで欲しいところです。
古典のコミカライズ作品や歴史漫画もおすすめです。

漫画も奥深く、マンガミュージアムのような場所でそれを体験してみると面白いかもしれません。

図録・カタログ

これは図鑑に近いのですが、どちらかというと別の趣味と読書を繋ぐ架け橋のような存在です。

推しの写真集、マイコレクションの図録、好きな映画のパンフレット、手元に置いておきたくなりますよね?
その感覚はコレクション欲の現れであり、乱読と無縁ではありません。

自分の好きなものから何かを読むきっかけには適していると思います。

持ち運ぶことはまず無いでしょうから、自宅でのリフレッシュに活用してあげるのが適しているでしょう。

読書と体験のバランス

ここまで散々読書に関してアピールしてきましたが、「感化されて生活全て読書漬けになりました」と言われても実は心外です。
なぜなら、所詮読書は疑似体験に過ぎないからです。

技術書のところで手は動かしてくださいと書いたことが全てで、結局体験に先立つものはありません。
乱読は読んだもの全てをインプットすることが目的ではなく、知らない何かに触れるきっかけを作ることが重要です。

エンジニアであれば特に知識だけ知っていても意味がない場面は散々目にしてきているはずです。

私自身も確立できていませんが、結局は読書と体験はバランス良く摂取しないといけないものだと思います。

ただ、冒頭で書いたように、現状としては明らかに読書の方が不足しがちであるため、この乱読の記事を書きました。
人生で経験しきれない数多くの要素を埋め合わせてくれるものの一つは読書に違いないのです。

さいごに

結局、具体的な技術書の話は一切しませんでした。
技術記事投稿サイトにそぐわないかもしれませんが、自然言語か人工言語かの違いはあれど言語を読み解くことに長けた方々に少しでも読書の楽しさを知ってもらえますと幸いです。

とりとめのない長文が続くので、この記事を読むこと自体が乱読の一環かもしれません。
全て読んでくれた方は乱読の才能があります。

ご覧いただきありがとうございました。

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