はじめに
AWS Certified Solutions Architect - Professional(AWS SAP-C02) を受験し、783点で合格しました。
合格最低ラインまで辿り着くには何を勉強したらいいかを振り返り、綴ります。
筆者はAWS Certified Solutions Architect - Associate(SAA-C01)を4年前に取得しており、とうの昔に有効期限が切れていました。
せっかく取り直すならSAPっしょ!と軽い気持ちで受験申し込みをしてから勉強をはじめました。
本記事では具体的な受験方法や試験範囲については触れません。
他の方が既にたくさん記事を書いていらっしゃいますのでご参考ください。
筆者のバックグラウンド
- 転職前、オンプレミス上で構築されたシステムの運用保守を経験(not インフラエンジニア)
- 転職後、AWSの業務利用経験年数は約4年(一応インフラエンジニア)
- AWSのサービスでは、EKS(Kubrnetes)・CloudFormationをがっつり触っています。
CloudFormationでELBやVPCなど、必要なものを公式ドキュメントを参考にしつつ使う感じの業務をしています。
なので本記事は、AWS初心者ではなく、3年以上AWSになんとなく触れてきた人向けです。
いきなり結論
合格する上で必要なことを下記に記載します。
- AWSのメジャーサービスのみ触れてきた人は、約100時間勉強する心算が必要
- 日本語でAWS以外で提供されている模擬問題コンテンツだけではC02に対応しきれない(2023/2現在)ので、英語に躊躇せず英語のコンテンツを買う
- 似たようなサービスの使い分けや、解説を見てもわからなかったサービスを理解すべく、自分の文章でまとめる
参考になるサイトが多数ある中、自分の文章でまとめるのは時間がかかりますが、箇条書きでもいいのでまとめると、理解がかなり深められて試験前に安心して振り返りができます。
合格最低ラインに辿り着く勉強方法
最短ルートかどうかは別にして、合格最低ラインに辿り着いた筆者の勉強方法を綴ります。
1. 模擬問題に触れて、自分の課題を洗い出す
自分は今どのくらいのレベルなのか?まったくわからない領域はどこか?を確認していきました。
筆者が利用したコンテンツは下記です。
①TechStock AWS WEB問題集で学習しよう
https://techstock.jp/
1問1答式で、解説が都度表示されるので便利です。比較的新そうなSAP#30-74(最後まで)を1周し、解説を読んでもチンプンカンプンだった箇所を把握しました。
2周目を実施し、解説を読んで理解できた範囲は知識が定着したのかを確認しました。
②Udemy: 【01版】AWS 認定ソリューションアーキテクト プロフェッショナル模擬試験問題集(全5回分375問)
https://www.udemy.com/course/aws-53225/
試験は3時間で75問なので、この模擬問題集で長文問題75問を解く筋トレをしました。
「後で力量を確認するために、半分は受験直前にとっておこう」とか思ったのですが、知らない分野が章ごとにどんどん出くるので、さっさと全5回一周するのが吉でした。
筆者は労働しながら勉強する体力があまりないので、75問全部解く日と、解説を理解する日を分けました。 この時点で正解率は45%くらい…。
上記2つは、AWS-C02に挑むには学ぶ範囲が不十分です。自分がわからない範囲をしっかり把握・長文に慣れる目的で実施するのがよいと思います。
2. AWS-C02の範囲を網羅的に学ぶ
Udemy「Ultimate AWS Certified Solutions Architect Professional 2023」で、解説動画を見ました。
https://www.udemy.com/course/aws-solutions-architect-professional/
知らないサービスがわんさかと出てきますが、前章で理解できなかった箇所が洗い出されているので、頭に入ってきやすくなります。
動画は3~10分くらいの細切れにしてくれていて、非常に振り返りがしやすいです。
動画時間も16.5時間とコンパクトなので、腰を据えて理解しながら進めても1週間くらいで終わりました。
知っているサービスでも何かしら新しい学びがあったので、全部見ることをおすすめします。
3. 結局よくわからなかったサービスを調べて自分の文章でまとめる
ここまできても、わからんがなというサービスを土日まるつぶしで調べまくりました。
インプットが増えると、似たようなサービスの使い分けがわからなくなっていきます。
本記事のおまけ章に、自分が勉強した具体的なところを記載しましたので、ご参考ください。
4. AWS-C02対応の模擬試験に挑む
この時点で、残り一週間しかなかったので、Udemyで30問6セットの模擬問題を解きました。
Udemyでは75問のコンテンツもあるのですが、振り返る問題数が多すぎてパニックになりそうだったので購入しませんでした。
AWS Certified Solutions Architect Professional Practice Exam
この時点で、正答率は80%~70%(30問で)と、平均するとギリギリ合格?くらいのラインでした。
上記コンテンツは英語ですが、Udemyのアプリではなく、Chromeで開いてGoogle翻訳すると選択肢も含めてすべて日本語で読むことができます。(筆者の環境ではSafariで日本語訳すると選択肢だけ英文のままだったので、Chromeがおすすめです)
(おまけ)筆者が理解を深めるために勉強した分野まとめ
以下、筆者がわからなくてまとめた分野です。
AWS-C02範囲かどうかはあんまり気にせず、調べてiPadのメモでまとめました。
私自身が業務で利用したことのないものがほとんどで、皆さんのお仕事内容によってばらつきがあると思いますが、理解しなければならないポイントとして参考になればと思います。
理解が漠然としがちな分野
-
DynamoDBの基本
以下のキーワードが理解できているか?- プライマリキー
- グローバルセカンダリインデックス
- ローカルセカンダリインデックス
- カーディナリティ
-
オンプレミスからクラウドへのマイグレーションに使えるツールを整理
それぞれのツールの使い所を確認- Migration HUB
- Application Discovery Service
- Database Migration Service
- Snow Family
- DataSync
-
S3
意外と落とし穴。基礎を覚えているか再確認。- Glacier等、種類を全部書き出し比較
- Macie等、セキュリティまわりのツール確認
- イベント検知で呼び出せるサービスの確認
- CloudFrontとの連携方法の確認
通常業務ではあまり触れなさそうな分野
-
SSO関連
オンプレミスのIDPからどう認証するか?とかをBlackBeltで確認
https://www.youtube.com/watch?v=ZzD9-5XZgRE -
オンプレミスとクラウドの接続
ホワイトペーパー等で図があるので、手書きしてみると理解が深められました。- Direct Connect関連(以下キーワード)
- LAG
- BGP
BGP自体はAWSの専門用語ではないです。下記の動画が非常に理解しやすかったです。
https://www.youtube.com/watch?v=OEHAw6zuZ_Q&t=1669s - VIF
- Public VIF
- Private VIF
- Transit VIF
- 冗長化
下記の動画を参考
https://www.youtube.com/watch?v=IEQ1ZM93DMo&t=2050s- Active/Active
- Active/Standby
- Site to Site VPN
- Direct Connect関連(以下キーワード)
サービスの使い分けを調べた分野
-
メッセージングシステム
- SQS 標準キュー
- SQS FIFO キュー
- Kinesis Data Stream
- Managed Streaming for Apache Kafka
-
大規模なデータ分析
まったく触ったことのない素人には何がどう違うのか理解に苦労しました。- EMR
- Apache Hive
- Apache Spark
- Presto
- Redshift
- Athena
- Glue
- EMR
-
データベース
- RDSとAuroraの違い
- クロスリージョンリードレプリカ
- マルチマスター
- グローバルデータベース
- オンプレミスからの移行する対応関係を確認
- 例:MongoDBはDocumentDBに移行できるとか
-
ストレージ
コスト的にどれを選ぶのか、などを調べました。- Storage Gateway
- ファイルゲートウェイ
- S3
- FSx
- ボリュームゲートウェイ
- テープゲートウェイ
- ファイルゲートウェイ
- EBS
- gp3やst1など、ボリュームの種類まで理解
- S3
- FSx
- EFS
- Storage Gateway
-
キャッシュ
- ElastiCache
- Redis
- Memcached
- DynamoDB Accelerator (DAX)
- ElastiCache
-
VPC間の接続
- VPCピアリング
- Transit Gateway
おしまい
以上です。結論は冒頭にまとめた通りです。
正直、783点だと、受験後は「うーん、再受験ですな…」という感覚です。バッジがきた時は、本当か疑わしかったです。
なので、是非75問問題集も利用をすることをおすすめします。筆者がやろうとしていた問題集を貼っておきます。
Udemy「AWS Certified Solutions Architect Professional Practice Exam」
ではでは。