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【サポーターズCoLab勉強会】20代エンジニアのキャリア論 に行ってきました

Last updated at Posted at 2017-11-28

はじめに

2017年11月27日 渋谷スクエアAにあるサポーターズCoLabにて行われた
【サポーターズCoLab勉強会】20代エンジニアのキャリア論に行って来ました。
この記事はそのイベントで語られた内容のまとめ・備忘録的なサムシングです。

おことわり

発表中の内容は一応おおまかなメモに残しておりますが、細かい内容は発表内容と異なる可能性があります。
また、楓さん自身が講義前に提示していた注意書きも記載しておきます。

  • (自称)Web系ライク、SIディスなのでSI系に勤務している人は不快に思う内容もあります (質問タイムでフォローも入ります)
  • あくまで「人より多くのエンジニアを見てきた非エンジニア」としての意見と捉えてほしいです

以上、ご了承ください。

講師紹介

今回のイベントはサポーターズ代表取締役の楓 博光さんが登壇しました。
下記は上記のイベントページからの引用です。

株式会社サポーターズ代表取締役社長 楓 博光(かえで ひろあき)
慶應義塾大学経済学部卒。在学中に就活支援会社を創設し、WEBサービスや就活イベントを運営。
大学卒業後は大手広告代理店、ベンチャー企業の採用担当を経て、
2012年4月に株式会社サポーターズを創業。
これまで1万人以上のエンジニアのキャリア支援を行う。
ちなみに自らもエンジニアに挑戦するも、あまりのわけのわからなさに挫折。
苦手な言語はPHP。趣味は仕事と愛犬の散歩とラーメン二郎。

講義内容

エンジニアは希少という話

講義の導入として楓さんの自己紹介があった後、「エンジニアは希少な存在である」ということを語られました。

1/300の人材

「日本の労働人口はおおよそ6000万人ですが、そのうちエンジニアはどれくらいいると思いますか?」
答えは「20万人」でした。これは労働人口全体の0.3%に当たり、割合にすると1/300です。
楓さんは「エンジニアである時点で0.3%の人材であることを自覚し、自信を持って欲しい」と強く仰られていました。

プログラミングは高度な技術

楓さんは自分でプログラミングを学習しようとしたそうですが、途中で挫折し、このときの体験からサポーターズを立ち上げようと思ったそうです。
曰く「プログラミングは誰でも出来るものじゃない」とのこと。

非IT業界もエンジニアを求めつつある

例えば、これまでITが入り込む余地の無かった産業(ex.農業など)も技術の発展によりITの活用が可能になり、エンジニアの需要は右肩上がりになっているそうです。
確か「数だけで言えばエンジニア一人につき8社くらい選べる状態」であると仰られていたかと思います。(ここは記憶のみなので曖昧)

「エンジニア or Not」 答えはひとつ

サポーターズに来る相談者の中には「エンジニアじゃなくて他業種をやりたい」という方もおられるそうですが、そういう方には上記の内容を説明した上で一旦「エンジニア続けようよ」と説得するそうです。

お金と人生についての話

次にキャリア、人生設計において大事なお金について語られました。

年収と幸福度が相関する上限は600万円

プリンストン大学の教授が「年収600万円以上では年収と人生の幸福度の相関は無い」とした発表されたことを紹介し、現在子育て中の楓さん自身の経験も交えつつ「年収が600万円あれば人は幸せに生きられる」ということを説明されました。

説明の前には参加者同士でグループを組み、「年収と幸福度が相関する上限はどれくらいか?」というテーマで意見交換する時間が設けられましたが、そこでは大体800~1000万円くらいの方が多かったです。

年収600万円とそれ以上で変わるのは「やることのグレード」のみ

例えば「週2回行く飲み会の予算が1回4000円から6000円になる」とか「子供をより良い学校に行かせる」といったレベル。
本質的にはあまり変わらず幸せに暮らせるそう。

「30歳で年収600万円」はエンジニアならいけるはず

他の職種を含めると「40歳の全国平均年収は400万と少し」だそうですが、先述したエンジニアの希少価値を鑑みるに「エンジニアならこれくらいは頑張れば誰でもいける」とのこと。
また、「エンジニアは謙虚だし、お金の知識が無い人が多いから、本来600万円もらえる仕事でも400万円で受けちゃう」とも。

自分のレベルを知る話

ここで、(個人的には一番聴きたかった)エンジニアとしてのレベルの話になっていきます。

三つの分岐点

エンジニアにはキャリアを考える分岐点が「新卒、3年目、30歳」の三つがあり、それぞれの点でおおよそのレベル感が分かるペルソナを3,4つずつ提示されました。

エンジニアレベル別ペルソナ集 新卒編

  • 上位5%
    • 東大京大早慶等の有名校に在学
    • 趣味でもバイトでも開発している
    • 就活は引く手数多
    • 言語はRuby, PHP, Python, Go, Swiftなど一通り触った上で強みとなるものを持っている
    • 戦闘力:400 ~ 600
  • 上位10%
    • 学歴は関係なし
    • 夏のインターンやプログラミングスクール等で目覚め、趣味やインターンで開発している
    • 言語はWeb系をはじめ、ちょいちょい触る程度
    • 戦闘力:200 ~ 300
  • その他
    • プログラミングは授業でやったか、趣味で少し触った程度
    • 「プログラミングは嫌いじゃないし、開発が仕事ならいいか」と思い就活を終える
    • 戦闘力:0 ~ 100

エンジニアレベル別ペルソナ集 社会人3年目編

  • 上位5%
    • メガベンチャーに入社し、早々にプロダクトを任せられる
    • サーバサイドを中心に一通りのサービス開発に関わる
    • 夜や休日は勉強会やカンファレンスで情報のインプット/アウトプットを行う
    • 3年目を待たずしてスタートアップを起業したりする
    • 年収500 ~ 700万円
    • 戦闘力:600 ~ 1000
  • 上位10%
    • メガベンチャーの普通の人 or 中規模ベンチャーのエース
    • 勉強会などでインプットに勤しむ
    • 上がいることを痛感しつつ、より好待遇な職場を求めて同規模 or メガベンチャーに転職する人も
    • 年収400 ~ 500万円
    • 戦闘力:400 ~ 600
  • 上位20%
    • なんとなくSIに就職してしまい、同期や先輩の技術力やモチベーションの低さに愕然としている
    • 技術力を上げる手段を勉強会などで模索し、Web系言語の自主学習を始める
    • 転職も模索しだす
    • 年収300 ~ 400万円
    • 戦闘力:50 ~ 300
  • その他
    • なんとなくSIに就職
    • 「人生はこんなもんだろう」と思いつつ、日々を過ごす
    • 戦闘力:10 ~ 50

エンジニアレベル別ペルソナ集 30歳編

  • 上位5%
    • 大規模サービスのリードエンジニア or スタートアップCTO
    • 共著で技術書を出す
    • 「転職したい」とTweetすればオファーが殺到
    • 年収800 ~ 1000万円 or ストックオプションで資産数億
    • 戦闘力:3000 ~ 10000
  • 上位10%
    • 上位5%の3年目あたりと同じくらい
    • サーバサイドを中心に一通りのサービス開発に関わる
    • 夜や休日は勉強会やカンファレンスで情報のインプット/アウトプットを行う
    • 自分の力を試してみたくなり、スタートアップに転職する人も
    • 年収500 ~ 700万円
    • 戦闘力:600 ~ 1500
  • 上位20%
    • 上位10%の3年目あたりと同じくらい
    • メガベンチャーの普通の人 or 中規模ベンチャーのエース
    • 上がいることを痛感しつつ、より好待遇な職場を求めて同規模 or メガベンチャーに転職する人も
    • 年収500 ~ 600万円
    • 戦闘力:300 ~ 600

20%ラインはマジで大事

このペルソナを踏まえて「30歳で年収600万」を実現するには最低でも上位20%に居続けないといけないということを簡単な図を使っておさらいしました。
「大変に思うかもしれないし、実際大変だとは思うけど、10%までは頑張ればいけるしいっぱいいる」とのこと。
しかし、「5%になると才能や運も絡むので、努力でなんとかなるとも言えないけど」とも。

分岐点についての話

このあとは先ほど出てきた三つの分岐点について、「どういう環境なのか、何が起こるのか」などについて語られました。

新卒(と その就活)

  • 環境
    • 企業の選択肢が一番多い
    • 日本の文化的に新卒は大切にされ、なぜ、どこに入ったのかがその後のキャリアに影響される
    • 社会人としての価値観が形成される
  • 起こること
    • 良くも悪くも、様々なことが刷り込まれる
    • なのに、情報は不足し正常な判断ができないのが新卒の就活

3年目

  • 環境
    • 中堅扱い
    • 3年で10000時間勤務 → プロ扱いされるようになる
    • 転職時はスキルで評価される
  • 起こること
    • 「無条件で応援される」期間が終了する

30歳

  • 環境
    • ベテラン扱い
    • 「何か(マネジメント力、人脈、実績、地位)」が無いと対外的に相手にされない
    • 誰も怒ってくれないし、アドバイスをくれなくなる
  • 起こること
    • 同期間で圧倒的な差がつく
    • 体力が明らかに落ちる
    • 自分の時間が減る

どうやってレベルを上げるかの話

これまでの説明で30歳までに上位20%に入るかが如何に重要かを説かれた後は、そこにどうやって到達するかを語られました。
結論、「仕事を変える」のと「インプットとアウトプットを行う」という2つが重要とのことでしたので、詳細を以下に書いていきます。

仕事を変える

当然ながら、勉強しながらお金をもらえる環境がベストなので、できるだけその環境にいけるように頑張るのがやはり良いそうです。
具体的には自分のレベルより一つ上の技術レベルを持った企業に転職することです。
エース扱いされる職場だとそこで成長が止まる可能性が高いので、そうなった時が転職の考え時みたいです。

インプットとアウトプットを行う

副業やアルバイトで開発を行うのがお金ももらえるのでベストではありますが、ブログや自主制作なども全然OKです。
「多くの人はインプットをした時点で満足するのですが、アウトプットが無いと評価されない(評価のしようがない)ので積極的にアウトプットしていきましょう」とのことです。
楓さん曰く、サポーターズのCoLabで講義を行う人はだいたい5%内の人たちだそうですが、その人たちは「先に発表の予定を立て、そのあとに勉強する」そうです。

講義終了

このあと、蛇足的に「もし僕がエンジニアだったら起業かスタートアップするね」とか「スタートアップに入社したら株かストックオプションを確保するんだよ」的な話があった後、まとめに入りました。

まとめ

  1. エンジニアって超希少
  2. 年収は600万円で充分
  3. 5%? 10%? 20%? Ohter?
  4. 新卒、3年目、30歳はマジで岐路
  5. スタートアップしちゃいなよ!

質問タイム

楓さんの回答を記憶を頼りに抜粋しています。

楓さん的にSIの評価が低いのはなぜか? 良いSIの定義は?

「SIは悪ではないし、ザッカーバーグとかへの憧れというバイアスが働いてるのは自覚した上で、SIで苦しんでいる人が多すぎる。確率論的な話」
「SIの生産性はWeb系の三倍高いし、ちゃんとものづくりできて技術も年収も育ててくれる良いSIもある」

SIからWeb系に入った人の悩みって?

「20%に入れないとツラい」
「学び続けないといけない」
「COBOL30年が重宝される点はSIもいいよね… Webじゃまず無理」

悪いWeb系企業の見分け方は?

「ぶっちゃけわからない可能性の方が高いけど、20%ライン以上の人がいるかどうか。20%レベル以上になったときに面接いけばわかるかも」
「悪いWeb系企業の中で働いている人は低レベルであるという自覚がないので注意」

10年後でも仕事あるの?

「少なくとも2030年まではこの状況はそう変わらないと思ってる」
「でも、1年エンジニアしてない(ブランクある)と、それまで5%の人でも門前払い」

2030年まで需要あるというけど、それ終わったら横ばいに?

「むちゃくちゃ増えると思う」
「シンギュラリティ来てもAIと共存するし、それを作るのがエンジニアだし需要増えるんじゃない?」
「AIと共存する世界がいいよね」

じゃあ、30年後は仕事多すぎてヤバいのでは?

「人手不足でヤバいとは思うよね…」
「国を挙げてなんとかすべき」

600万で裕福?

「東京で裕福だと思えるようになりたいなら年収3000万でも足りない」
「年収3000万じゃないけど、600万円で幸せ」
「子供2人だと年収600万円はキツいかも…」

なんでエンジニアと営業じゃあんなにノリが違うの? (エンジニアは謙虚だけど、営業はアゲアゲな人が多いし、そういう差異はなぜ生まれるのか?)

「やっぱり性格の問題でしょう」
「子供の頃、迫害あったでしょ?エンジニアになる・なりそうな人はそこがスタート」
「そういうスタートの人に自信を取り戻させること、解放させることが僕の仕事」

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