はじめに
これはNTTテクノクロスのアドベントカレンダーの8日目の記事です。
こんにちは。
普段はAWSの業務に従事している井上です。
昨年度Qiitaのアドベントカレンダーにて1人で1カレンダーを作成する、俗に言う一人完走を達成しました。
さらに今年、その内容を書籍化し技術書典にて出版しました。
この記事では書籍化までの過程とその後について紹介します。
皆さんのアウトプットの多様化やアウトプットをするひと押しになれば幸いです。
アドカレ一人完走
まずは昨年度達成したアドカレ一人完走についてお話します。
そもそも「一人完走」ってなに?
というところですが、
アドベントカレンダーの王道パターンは1人1記事を担当し、25人で1つのカレンダーを作成します。
そこを1人で25記事=1カレンダーを作成するのが一人完走です。
Qiitaでは昨年のアドベントカレンダーから一人完走を表彰するプレゼント企画が開催されています。
達成した暁にはQiitaのオリジナルTシャツとぬいぐるみ、ステッカーがプレゼントされます。
私自身、オリジナルTシャツに惹かれ、チャレンジしました。
プレゼントは執筆中のモチベーション維持にも寄与していました。
作成したカレンダー
ここからは完走までのアレコレについて紹介します。
第1関門
まずはじめに立ちはだかった壁は、ネタ集めです。
一人完走してみようと思い立っても、25個も記事ネタが思いつかないから諦めるという方もいるのではないでしょうか。
そんな方へ
-
1つも思いつかない場合
もう誰かが書いてるし、
たくさん文献あるし、
そんな風に考えてないでしょうか。既に世に出ている情報でも、もっと易しく書いてみたり、狭いところを深ぼってみたりすると需要があると思います。
何より、アウトプットすることで自分の頭の中を整理できます。
-
いくつかは思いついている場合
テーマを絞りすぎていませんか。
そこから派生してみたり、いっそテーマを複数個にしてみるのも良いかもしれません。
あまり自分で縛り過ぎないのが大事です。
私はとりあえず書き始めました。
昨年、業務でAWSのAppSyncというサービスを利用し、文献があまり多くなく苦労したため、折角得た知識を忘れないためにと自分の記録用くらいの気持ちで書き始めました。
途中からは労役と化していましたが、是非この記事を読まれている方でチャレンジされる方は、記事数が増えていくのを楽しみながら書いていくことをおすすめします。
第2関門
次に差し迫ってくるのはスケジュールです。
完走してたまに聞かれるのが
「毎日1記事書いてたの?」
という質問です。
答えは NO です。
流石にテック記事を1日1つ生産するのは難しいです。
なら、どうしていたか。
書き溜めです。
私は11月頭にプレゼント企画を知ったので、それからすぐに着手しました。
平日は2,3日かけて1記事、
休日は1日で1記事、
大体これくらいのペースです。
9月頃からゆっくり着実に準備するのも手だと思います。
逆に夏休みの宿題を最終日にまとめてやるような方に朗報です。
一人完走のプレゼント企画、12月25日までに25記事公開すればプレゼントの対象となります。
何を言いたいかと言うと、極論12月25日に25記事公開しても良いのです。
なので、仮に12月10日あたりで1記事間に合わなかったとしても諦めるのは早いです。
折角一度チャレンジを決めたのなら走りきってしまった方が絶対に気持ちいいです。
私は書き始めが遅かったこともあり、かなり切羽詰まっていましたが、なんとか1日1記事ずつ公開していくことができました。
小まとめ
一人完走は大変ではあるものの、その分達成感は大きいです。
学生までは、「無理」「できない」とやる前から決めつけてしまうことが多く、なかなか挑戦してこなかった自分が、1つのことをやり遂げられたので、少しばかり自信にも繋がりました。
アドカレ一人完走に限らず、まだアドベントカレンダーやブログ執筆の経験がない方は1つ投稿してみるところから始めてみてはどうでしょうか。
書籍化
ホンマツリ
今年9月、社内でホンマツリというイベントが開催されました。
ホンマツリは「アウトプット」に焦点を当てたイベントで、9月に行われた第1回では、過去に技術本の執筆経験がある社員が経験談を話すものでした。
どんな本を書いたか、
どうして本を書いたか、
どこに出したか、
そのような内容で発表されつつ、どちらかというと経験者同士で雑談してるのを覗き見させていただいてるイメージで、リモート開催されました。
私は1視聴者として参加したのですが、聞いていてすごくワクワクしたのを覚えています。
イベントに参加して、ものすごく本を書いてみたくなったものの、
まぁ本って優秀な人が書くものだし、
仮に自分が書いたとしても社名を名乗って出せるわけがない、
と根っからの「どうせ自分にはできない」節を炸裂していました。
そんなとき背中を押してくれたのは社内の人事の方でした。
普段からよく相談にのっていただいてるのですが、その方と話しているうちに、本を書きたい気持ちがより大きくなり、一度「こんな本を書きたい」を簡単にまとめてみることにしました。
本の内容
一番に思いついたのが、アドカレ一人完走で書いたAWS AppSyncでした。
詳しくは後述しますが、執筆期間が短かったことから既にあるネタを使うのが最良と考えました。
ざっと目次を作り、ホンマツリで登壇した方に見てもらいました。
入社4年目のため、正直、「まだ本執筆は早い」と言われてしまうのではと思っていましたが、この方も背中を押してくださり、その後の執筆中のサポートまでしていただきました。
こうしてAWS AppSyncについての本を作成することが決まりました。
出版先(掲載先)
ホンマツリで登壇していた方が書籍を掲載したのが技術書典だったため、私も倣って技術書典に出すことにしました。
技術書典は、技術書の同人誌を販売するコミュニティで、定期的にオフラインの販売会が行われています。
私が掲載した回は 技術書典15 で、執筆した本はオンラインのみで出しました。
ですが、オフラインイベントがかなり気になっていたので、購入者側としてイベントには参加してきました。
これまたものすごく面白く、次回も絶対に足を運ぼうと決めています。
雰囲気はコミケと似ていて、広義での技術本が売られているので、いわゆる本屋で見るような技術本から、漫画や小説、詩集などまであり、とてもワクワクしました。
本を書く勇気がまだないという方はまずイベントに参加してみてはいかがでしょうか。
執筆
ホンマツリが9月に行われ、技術書典の直近のイベント日が11/11だったため、急いで執筆にとりかかりました。
基本的にはアドカレで書いた内容をより詳しく、易しい形に落とし込み、アドカレで紹介しきれなかった内容も追加しました。
もちろんまだまだ技術力は乏しいので、社内の有識者の方にレビューを依頼したり、教えていただきながら作成しました。
また、社内には TX技術出版同好会 というコミュニティがあり、このメンバの方々にたくさんのサポートをしていただきました。
サポートの抜粋
- スケジュール設定
- レビュー対応
- 社内手続きのサポート
- 技術書典参加手続き
- 電子書籍リリース代行
表紙作成
表紙づくりも楽しかったのでここで紹介します。
表紙は、技術書典に出版した歴代の自社本が、食べ物を載せており、とてもかわいいので私も肖りました。
歴代の自社本
作成自体は社内のデザインに長けている方に依頼しましたが、どんなデザイン、テキストにするかは複数人で話し合って決めました。
まず、本のタイトルとサブタイトルから。
こちらはストレートに「ゼロから始めるAWS AppSync入門」に決めました。
対象者も入門本ということで星1つにしました。
肝心の食べ物ですが、ここに一番時間を使いました。
AWSはクラウドサービスのため、イラストに起こすとしたら雲のイメージがあり、食べ物とつなげにくいです。
AppSyncも特に食べ物のイメージはなく、困っていたところ、
「好きな食べ物でよいのでは?」と意見が上がりました。
なら、モンブランにしようかな、ということで表紙の食べ物はモンブランに決まりました。
最終的には好みで決めてしまったものの、AWSがオレンジ色の印象で、出版時期が秋なこともあり、丁度良かったかなと今では思っています。
完成した表紙
表紙が完成すると、書籍を作った実感が湧き、出版が待ち遠しくなりました。
また、本の中身よりも先に表紙が完成したので、執筆活動にも力が入りました。
出版して
技術書典15にて11/11(土)に無事出版することができました。
11月末時点で 204冊 ダウンロードいただいてます。
ダウンロードしてくださった方々、そしてサポートしてくださった方々、快く応援してくださった上司の方々、ありがとうございます。
正直なところ、AWSの1サービスだけを取り上げた本を読んでいただけるのか不安でしたが、想像を遥かに上回るダウンロード数で自身が一番驚いています。
ダウンロード数は技術書典のマイページから確認でき、日に日に数が増えていくのはとても嬉しいですし、達成感が凄まじいです。
さいごに
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
ここで紹介した内容は、数あるアウトプット方法の1つに過ぎません。
アドカレや書籍化に限らず、得た知識や技術を形にすることで、多くの人へのノウハウ共有、そして自身のスキル定着に結びつきます。
ぜひ自分なりのアウトプットを模索し、どんどんアウトプットしてみてください。