29
52

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 3 years have passed since last update.

GCPで無料のJupyter Notebookサーバを立てる

Last updated at Posted at 2020-05-20

こういう内容はnoteよりQiitaかなと思い、転載してみます。
https://note.com/inoccu/n/n9d5a74d2316b

Google Cloud Platform(GCP)には、Always Freeという期限のない無料枠があります。その中にはスペックはそれほどではないものの、仮想マシンが含まれており、それを使ってUbuntuサーバを立て、Jupyter Notebookサーバとして使うことにしました。

まず、GCPのAlways Freeがどのようなものか、こちらのサイトから確認してください。仮想マシンはComputing Engineというサービスになるので、その部分だけ抜き取ったのが下記の内容です。

1 つの非プリエンプティブル f1-micro VM インスタンス(1 か月あたり)。次の米国リージョンのいずれかで利用できます。
オレゴン: us-west1
アイオワ: us-central1
サウスカロライナ: us-east1
30 GB 月の HDD

f1-microはどの程度のスペックかというと、CPUは仮想1コア、メモリは614MBです。たったそれだけ?と思うかもしれませんが、たったそれだけです。ただ、このマシンでUbuntuなどのLinuxで使って主に開発用、実験用のサーバ用途とするなら、決して非現実的な環境でもありません。

※ちなみに、GCPの費用はComputing Engine自体の料金以外にデータの下り送信料金があるのでご注意ください。ただ、どの程度使うかにもよりますが、月に100円も行かないのではないかと思います。

インストールの方法については説明を端折りますが、注意するべきはリージョンをきちんと指定されたものにすることと、ディスク容量はブートディスク(インストールするOSを決める)の編集画面で指定する(無料枠で最大の30GBにしましょう)ことくらいです。OSは最新のUbuntu 20.04 LTSを使うことにしました。

また、後でWebサーバを立ち上げるので、ファイアウォールの設定でHTTPトラフィックとHTTPSトラフィックを有効にしておきます。

日本語化

仮想マシンが立ち上がったら、メッセージなどの日本語化と、タイムゾーンをJSTに変更します。

sudo apt -y install language-pack-ja
sudo update-locale LANG=ja_JP.UTF-8

ここで一旦、再起動して、次にタイムゾーンの設定です。

sudo dpkg-reconfigure tzdata

スワップの設定

614MBのメモリではさすがに少ないので、スワップを設定します。1GBを設定します。

dd if=/dev/zero of=/swapfile bs=1M count=1024
chmod 600 /swapfile
mkswap /swapfile
swapon /swapfile

これでスワップが有効になりますが、再起動後もスワップを有効にするため、/etc/fstabに下記の設定を追加します。

/swapfile swap swap defaults 0 0

Apacheの導入

Jupyter Notebookをインストールした後、Apacheでリバースプロキシするので、まずはApacheをインストールします。

apt install apache2

私はさらにPHPやらMariaDBやらを入れたのですが、Jupyter Notebookとは無関係なので端折ります。(スワップが有効ならMariaDBすら使える!)

また、SSLアクセスするならLet's Encyptの設定も行います。(私もやりました。)でも、Jupyter Notebookとは直接の関係が無いので、それも端折ります・・・。

Jupyter Notebookの導入

Anacondaだとちょっと荷が重いかなと思ったので、Minicondaを使います。Minicondaのインストールにはanyenvとpyenvを使います。

anyenvのインストールは、こちらの公式サイトを参考に行います。

git clone https://github.com/anyenv/anyenv ~/.anyenv
echo 'export PATH="$HOME/.anyenv/bin:$PATH"' >> ~/.bash_aliases
~/.anyenv/bin/anyenv init

ここで、さらに.bash_aliasesに追加する文字列が表示されるので、追加します。

シェルを再起動して、次のコマンド。

anyenv install --init

次は、pyenvのインストール。

anyenv install pyenv

pyenvを使ってMinicondaをインストールします。最新のMinicondaだとインストールが終わらない(仮想CPUが1コアだとダメらしい?)ので、miniconda3-4.6.14を使います。

pyenv install miniconda3-4.6.14

私はホームディレクトリの下にdevディレクトリを作って、そこでMinicondaを有効にするようにしているので、このような操作をします。

cd ~/
mkdir dev
cd dev
pyenv local miniconda3-4.6.14

さらにJupyter Notebookをインストールします。

pip install jupyter notebook

Jupyter Notebookの設定ファイルを作成し、パスワードを設定しておきましょう。

jupyter notebook --generate-config
jupyter notebook password

Jupyter Notebookの自動起動

サーバとして使用するにはJupyter Notebookが自動起動する必要があります。そこで、/etc/systemd/system/jupyter.serviceというファイルを作成し、下記のようにします。{USER}と{GROUP}については、適宜置き換えてください。

[Unit]
Description = Jupyter Notebook
[Service]
Type=simple
PIDFile=/var/run/jupyter-notebook.pid
ExecStart=/home/{USER}/.anyenv/envs/pyenv/shims/jupyter notebook
WorkingDirectory=/home/{USER}/dev
User={USER}
Group={GROUP}
Restart=always
[Install]
WantedBy = multi-user.target

あとは、下記のとおり。

systemctl start jupyter
systemctl enable jupyter

Apacheのリバースプロキシの設定

最後にリバースプロキシの設定を行います。今回は、https://ドメイン/notebook/のようになります。

先ほど作成したJupyterの設定ファイル(ホームディレクトリの、.jupyter/jupyter_notebook_config.py)を編集します。編集箇所のみを示します。

c.NotebookApp.allow_remote_access = True
c.NotebookApp.base_url = '/notebook/'
c.NotebookApp.open_browser = False

Apache2のsites-available内のファイルを編集します。これも編集箇所のみ。SSLProxyEngineは、私の環境では実はSSL化しているためです。

SSLProxyEngine On
ProxyRequests Off
ProxyPreserveHost On
<Proxy https://localhost:443>
    Require all granted
</Proxy>
<Location /notebook/>
    ProxyPass http://localhost:8888/notebook/
    ProxyPassReverse http://localhost:8888/notebook/
</Location>
<Location /notebook/terminals/websocket/>
    ProxyPass ws://localhost:8888/notebook/terminals/websocket/
    ProxyPassReverse ws://localhost:8888/notebook/terminals/websocket/
</Location>
<LocationMatch /notebook/(api/kernels/[^/]+/channels.*)>
    ProxyPass ws://localhost:8888/notebook/$1
    ProxyPassReverse ws://localhost:8888/notebook/$1
</LocationMatch>

いくつかのApacheモジュールを有効化する必要があります。

a2enmod proxy
a2enmod proxy_http
a2enmod proxy_wstunnel

あとはApacheの再起動を行えばOKです。

systemctl restart apache2

PandasやMatplotlibも問題なく動作しますので(Minicondaなので、それぞれインストールは必要ですが・・・)、興味のある方は是非試してみてください。

29
52
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
29
52

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?