1. AcronisCyberBackup12.5について
Acronisは商用製品のバックアップソフトの中でも、かなり安く購入できて、ユーザインタフェースが優秀なので、使いやすいですが、その分細かいところで制約がいくつかあるため、選定する際には気を付けなればなりません。
とはいえ、ほとんどのバックアップソフトで実施可能な機能は備わっているため、難しいことをしなければ、Acronisで良いかと。
2. AcronisCyberBackup 12.5ができないこと
自分の経験で困ったAcronisの制約について紹介します。
(バージョンアップにより制約がなくなる可能性があります。)
2.1. ESXi6.7以上のバックアップはできない
vCenterServerでHAクラスタを組む場合は、バックアップをとらなくても問題ないことが多いです。(障害発生していないサーバに仮想マシンを移行し、その間に再構築をするため)それでも災害発生などで全滅したときに備、バックアップを取りたい場合があります。しかし、AcronisではESXi6.7以上はバックアップできません。7.0がすでにリリースされ、また、2年後ぐらいにはサポート対象外となるため、早くバックアップ可能なようにしてもらいたいものです。
2.2. テープへxfsファイルシステムをディスク単位でバックアップすると、ファイル単位でのリストアができない
ディスク単位バックアップをストレージにとる場合は、ファイル単位でのリストアが可能ですが、テープへxfsディスクをバックアップした場合は、ファイル単位でリストアすることができません。ファイル単位でバックアップしましょう。(xsf以外のファイルシステムの場合は、ディスク単位でバックアップをとってもファイル単位でリストア可能ですが、オプション設定が必要なので注意です。)
2.3. LVMの場合は、Acronis Web コンソールからのリストができない
LVMでパーティションを切る場合は、ブータブルメディアからしか、リストアできません。
2.4. スナップショットが実行できない場合はエージェンレスは不可能
AcronisでVMware ESXi上の仮想マシンをエージェントレスでバックアップするときは、一時的にスナップショットを採取してバックアップを実行します。そのため、スナップショットが取れない環境だと、バックアップできません。エージェントバックアップを実行しましょう。
(Acronisに限った話ではないが・・・)
2.5. バックアップ先メディアがWindowsにマウントされたディスク出ない場合は、重複排除がきかない
AcronisはWindowsにマウントされたメディアをStorageNodeというタイプで登録をします。、StorageNodeへバックアップを採取する場合に限り、重複排除の制御が可能です。
テープやNSF経由の共有領域やLinuxなどにマウントされたメディアについては重複排除は不可能です。
2.6. 重複排除を有効化すると、高速バックアップが不可能
高速バックアップはバージョン12形式というバックアップ形式で実行できます。重複排除はバージョン11形式でのみ可能なため、重複排除を有効化すると、高速バックアップは実行できません。
3. ライセンス
AcronisCyberBackupのライセンスは非常に簡単です。
仮想環境であれば、仮想ホスト用でVirtualHostライセンス、物理サーバであれば、Serverライセンスを購入します。オプションはStandardかAdvancedのみです。
特にVirtualHostライセンスでは、仮想マシンに対し、エージェントバックアップ、エージェントレスバックアップをどちらも有効化するため、仮想マシンの数を気にせずライセンスを購入することができます。
バックアップ対象/バックアップ先がシンプルな構成で、リストアもマシン全体のみ復元する(データ飲み復元は考慮しない)など、難しいことしない場合は、他のバックアップ製品より安いので、選定しても良いかと。
4. 参考URL