#1.ストレージへのマルチパス構成
マルチパス構成を行うことで、サーバ側に、[サーバ]-[ストレージ]間の複数の経路を一本の経路として認識させることができます。また、マルチパス構成を組むことでケーブルやモジュールの故障が発生した場合の可用性が担保され、[サーバ]-[ストレージ]間のディスクアクセスを継続することが出来ます。
#2.設定方法
今回はCentOS7上でFiberChannelを使ってマルチパス構成を行います。
まず、device-mapper-multipathがインストールされていることを確認します。
#インストール確認コマンド
rpm -qa |grep "device-mapper-multipath"
#インストールコマンド
yum install device-mapper-multipath
device-mapper-multipathのコンフィグを生成するために以下のコマンドを実行するか、/usr/share/doc/device-mapper-multipath-X.X.X/multipath.conf
を/etc/
配下にコピーします
mpathconf --enable
cp /usr/share/doc/device-mapper-multipath-X.X.X/multipath.conf /etc
コンフィグファイルの中身を編集し、devices内に、各ストレージごとに決まったdevice設定を追加します。vendor
へメーカー名、product
に、製品名を設定し、後はデフォルトのパラメータを設定すれば、大体認識するかと思います。
※正しく設定をおこなう場合は各製品のマニュアルを確認しましょう。
また、複数の外部共有ストレージを利用したり、ローカルディスクもマルチパスに追加されてしまう場合は、blacklistにwwidを追加し、マルチパスを利用するストレージを制限します。
なお、defaults内のfind_multipaths yes
は自動的にマルチパス可能なストレージを見つけてマルチパス構成を組んでくれます。
defaults {
user_friendly_names yes
find_multipaths yes
}
#ストレージごとにデバイスを追加します。
devices {
device {
vendor "<ベンダー名>"
product "<製品名>"
#ここから }までの設定はデフォルトのコンフィグをコピー
path_grouping_policy multibus
path_checker readsector0
path_selector "round-robin 0"
hardware_handler "0"
failback 15
rr_weight priorities
no_path_retry queue
}
}
#マルチパス構成を制限するときにwwidを記載し、wwidを持つストレージのみをマルチパスとして構成を組みます。
blacklist {
wwid <WWIDを記述>
}
最後に、サーバを再起動させ、以下を実行し、マルチパス構成が組まれているのか確認します。
multipath -ll
/dev/mapper/
配下にmpathaが現れています。df -hコマンドを実行すると、複数のデバイスがマッピングされていることがわかります。
あとは、/dev/mapper/mpatha
にpartedコマンドやfdiskコマンドでパーティションを切り、 pvcreateコマンドで物理ボリュームを作成するなど、ローカルディスクと同等の設定をしていきます。
#3.参考URL
RHEL(RedHat Enterprise Linux)などのマニュアルを見るとより細かい設定方法が確認できます。