自治体標準化で担当している範囲
私はガバメントクラウドのインフラを担当しています。具体的にはネットワーク構築運用補助環境やデータ連携用オブジェクトストレージ周りの設計・構築などを担当しています。自治体標準化に携わったのは現在の会社に入った(正確には一度辞めた会社に出戻り)2024年1月からです。元々自治体システムに関わっていたわけではないのですが、該当領域および技術について詳しい人がおらずこの範囲を対応することになりました。最初の4か月で関連ドキュメント(GCAS内のドキュメントや地方公共団体情報セキュリティポリシー、標準化基本方針等)を読み込みガバメントクラウドの要件について理解するとともにネットワーク構築運用補助者環境の検証を実施しました。幸いAWSやインフラについての経験があったことやネットワーク構築運用補助の設計パターンとしてはあまり多くないため、期間内に検証が完了し、会社としてもサービス提供可能なレベルとなりました。その後、該当領域において、各自治体環境の設計・構築を実施し現在も複数自治体のシステムを担当しています。
標準化に対する課題感
該当領域に詳しい人がいないため、この領域の導入を少人数で実施しています。また、オンプレのエンジニアの方ははいますが、少しオンプレの運用とは違った考慮点が必要です。例えば、AWSやガバメントクラウドに関する情報のキャッチアップなどがあげられます。クラウドの運用は一度教育したら終わりではなく、自ら情報をキャッチアップしてく意識付けや最新の情報を社内で円滑に共有出来る仕組みが必要であると考えています。このあたりの人材育成や情報共有の仕組みが整えば、標準化案件を円滑に進められるのではないかと思っていました。そんな中Xで「標どう塾静岡」の開催を知りました。今自分が考えている上記のような問題や同じことをやっている人達と情報交換出来ればという思いでした。既存のコミュニティーかつ参加者がすごい方ばかりの中で申し込むかどうか悩みましたが、自分の出身地の静岡県開催ということが最後に背中を押してくれました。また、勉強会の仕組みを参考に社内で同じように実施出来れば状況共有が上手くいくのではという考えがあり、そのあたりの学習もかねて参加をしました。
参加してみて
構成は大きく「登壇者の方によるLT/セッション」と参加者で話し合いを行う「アンカンファレンス」に分かれます。「LT/セッション」はどの内容も素晴らしいものでしたが、私が一番勉強になったのは自治体の方が話していた文字標準化についてのセッションです。そもそもどういった背景で文字に関する問題が発生しているか~現在発生している文字標準化の問題まで少し理解することが出来ました。私はインフラエンジニアのため、この領域は詳しくないのですが、今期は業務側の知識についてもっと勉強したいと思っていました。業務ではガバクラ案件とは別に生成AIの導入検証なども行っているのですが、業務知識がなければ実業務への導入提案などは出来ません。「アンカンファレンス」では主に自治体の方と人材育成についての話を行いました。課題感としては設計、構築は少人数でも問題ないのですが、運用フェーズを対応出来るエンジニアを育成する必要だと思っています。自治体の方も次の世代の人にどう引き継ぐかという課題を持っておられ、採用や教育についてもベンダーと同じような悩みを持っていることが分かりました。そのあとの飲み会(標どう塾のメイン)でも自治体の方とこの延長で話をさせてもらったり、こちらが一歩的に知っている有名な方々とも情報交換させて頂き、大変有意義な飲み会でした。
社内で勉強会を開催する
私はインフラ部門に属していますが、開発部門と合同で勉強会を実施する提案を行いました。現在実施している標準化のプロジェクトは開発部門/インフラ部門で良好な関係ではありますが、普段プロジェクトで関係している方以外は知らない方がほとんどです。情報共有の観点の他に、運用フェーズでは導入フェーズと異なったメンバーで対応するパターンもあるため、今のうちに部門間で良好な関係を作ることが最も重要であると考えています。
社内勉強会概要
下記の要領で来週勉強会を開催しようと思っています。
- 参加者:開発部門、インフラ部門合わせて20人位
- 方法:基本オフライン(一部オンライン)+飲み会
- 内容:下記表に記載
内容 | ポイント |
---|---|
趣旨説明 | 勉強会実施の目的など |
自己紹介 | 全員の自己紹介を簡単に |
若手社員のLT×2 | お互いの部門について知らないため、部門紹介等 |
下記セッション | 初回は私が20分位のセッションを予定 |
飲み会 | メイン |
セッションの内容
下記の話を予定しています。
- ガバメントクラウドの基礎
- 自部門で取り組んでいる内容
- 関係がありそうなAWSのアップデート
- 標どう塾で学んだ内容
もし勉強会参加予定の人が見ているとネタバレになってしまうため、本記事では各項目スライド1枚のみを記載しています。
ガバメントクラウドの基礎
自部門ではまだガバメントクラウドに深く関わっている人が少ないことや普段関わっている方以外の開発部門の方のスキルレベルが不明なため、最初にガバメントクラウド基礎の内容を入れました。内容としてはガバメントクラウド制定までの流れやガバメントクラウドの特徴、ガバメントクラウドの環境(テンプレートやユーザの考え方、閉域接続などガバメントクラウドの特有の環境)について話そうと思います。
自部門で取り組んでいる内容
開発側で何をやっているか、インフラ側で何をやっているかはお互い理解出来ていないことが多いと思います。今回はインフラ側でどういったことをやっているか説明をします。次回は開発側でどういったことをやっているか説明を聞きたいと思います。現在私が取り組んでいる内容はガバメントクラウド以外にも複数あり、その他の領域でも他部門と連携して新しいサービス開発などに繋げていければと考えてます。
関係がありそうなAWSのアップデート
基礎的な話だけだと飽きてしまう可能性もあるため、少しテクニカルな話もしようと思います。例えば去年末に出たPrivate Linkのアップデート内容を検証した話など。(基幹系のサーバだとELBを前に配置するのがほとんどなので、ガバクラでは下記のようなパターンで利用することは少ないと思いますが)
標どう塾で学んだ内容
勉強会の内容自体というよりは、「コミュニティへ参加することの意義」だとか「同じことに取り組んでいる人どうしで勉強会する意義」だとかそのあたりを話そうと思います。同じ会社でも部署を越えてしまうと利害関係が発生するため、なかなか腹を割って話せないこともあると思います。あとは「飲み会」で多くの話が出来れば良いと思います。(ちなみに私はお酒飲めません)