内容
昔サービス業を運営する会社の情シスをやっていた時期がありますが、その時コーチングの研修を受けました。パートやアルバイトの方達にヤル気を出して働いてもらう必要があるため、若いうちからマネジメントやリーダーシップを発揮する能力が必要とされている傾向にあります。そのためコーチングなどのスキルが重視されているものだと思います。今回はヤル気を引き出すリーダーシップとコーチングについての記事になります。
マネジメントとリーダーシップ
経営学では2つの機能は区別されています。イメージとしてマネジメントは「計画を作成してそれが上手くいくように管理してく」、リーダーシップは「ビジョンを明確にして、それを達成するために動機付けをおこなっていく」といった感じです。言葉の定義は分かれていますが、プロジェクトマネジメントだったり、組織運営上の管理者は両方の機能が求められます。
リーダーシップ理論
その中で今回はヤル気を出してもらう=動機付けを行うリーダーシップの話です。どのようなリーダーシップが効果的かは諸所研究がありますが、「効果的なリーダーシップのあり方は状況によって変わる」という考え方があります。その中の理論の一つとしてSL理論というものがあります。
SL理論
これはメンバーの成熟度によって有効なリーダーシップの形が異なるという考え方です。縦軸に「リーダーがどれだけ指示するか=(指示的行動)」、横軸に「リーダーがどれだけ一緒に働くか=(協力的行動)」をとります。指示的行動、協力的行動の高低でリーダシップのスタイルを変えます。メンバーの成熟度が低い内は指示的、高くなるにつれて説得的→参加的→委任的の順になります。
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指示的
メンバーの成熟度が低い状況下で細かい内容まで指示を行う。 -
説得的
メンバーとのコミュニケーションを重視しつつ正しい方向に導く。 -
参加的
メンバーの意見を丁寧に聞き適切なアドバイスを与えて結論を出す。 -
委任的
細かな指示は行わずにメンバーの自主性を尊重する。
ティーチングとコーチング
教育の際にやり方を教える=ティーチングと答えを引き出す=コーチングという概念があります。ティーチングは指示的ですが、コーチングの場合は「相手の意見を傾聴して答えを考えてもらう」、そのために「適切なアドバイスを行う」ということをします。上記SL理論では指示的リーダーシップの際はティーチング、参加型リーダーシップの際はコーチングが有効となります。(説得型は中間です。)
コーチングにおけるタイプ分け
やり方を教えるティーチングと違って、コーチングは相手の考えかたを形成していくため時間がかかります。そしてこの過程でコミュニケーションが最も重要になりますが、人によって有効なコミュニケーションの取り方も異なります。そんな中でコーチングを行う際にタイプ分けという考え方があります。人によって求められているコミュニケーションが異なるのでその人にあった対応を行ってみましょうということになります。タイプ分けの定義と各タイプの特徴については下記のサイトを引用させて頂きました。
- タイプ分けの定義
「タイプ分け™」は、「人をもっとも特徴づけるのは、他者とのコミュニケーションである」という前提に立ち、臨床心理学、組織行動学などをベースにつくられたコミュニケーションの分類方法です。「感情表出」と「自己主張」という2つの軸で、コミュニケーションのタイプを次の4つに分けて考えます。
- 各タイプの特徴
タイプ | 特徴 |
---|---|
コントローラー | 行動的で自分が思ったとおりに物事を進めることを好む |
プロモーター | アイディアを大切にし、人と活気あることをするのを好む |
サポーター | 他人を援助することを好み、協力関係を好む |
アナライザー | 行動に際して多くの情報を集め、分析、計画を好む |
何個か質問に答えていくと、自分がどのタイプか分かるのですが、私はこの診断をやった時、プロモーターでした。そしてプロモータータイプの人とのコミュニケーションのポイントを上記サイトから引用すると下記になります。
コミュニケーションのポイント
彼らと接するときは、次のポイントを意識してみましょう。
- 話を聞くときは相づちをうつなどして明確に反応する
- 質問は間口の広い質問をして自由に話をさせる
- たくさんほめる(特に彼らの影響力をほめると効果的)
- 彼らのオリジナルなアイデアに耳を傾ける
確かに当たっているといえばあたっているかもしれません。何かほめられれば嬉しいですからね。タイプ分けの注意点は決めつけを行わないことは、どのタイプが良いかなのどの優劣はないということです。目的はコミュニケーションを円滑に行うために参考にするということです。
まとめ
メンバーの状況やタイプによって効果的なリーダーシップの取り方は異なります。その人が持っている能力を活かせるかどうかは組織やリーダーシップの対応力によって大きく変わってしまうため、適切な対応が取れるようになりたいです。