内容
今年追加されたAWS Certified: SAP on AWS - Specialty (PAS-C01)
については、興味があるもののSAPを全く触ったことがないため、どのように勉強していいか分からない状態でした。ポイントを掴めばSAP未経験でも1週間程度で取得出来ましたのでポイントと勉強方法について記載します。
なお、1週間で取得しましたが、その週の日曜はフルで勉強、月~金は5時起きで業務前に勉強とそれなりに勉強時間は確保しました。※他のAWS資格11種類は取得済みです。
あると理解しやすい知識
- EC2,VPCを中心としたAWSの基礎知識
- SAP以外でもパッケージ製品の導入、運用経験
- Linux、ネットワーク、データベースなどのインフラ知識
ポイント1:マネージドサービスではなくEC2
まずSAP on AWS 技術文書から引用させて頂きました下記構成図を参照下さい。
色々なサーバが出てきますが、全てEC2です。データベースも(一部RDSに対応しているものもありますが)基本EC2です。他のSpecialty試験はその分野のマネージドサービスに関して問われることが多いですが、この試験はSAPのマネージドサービスがあるわけではく、EC2上に構築したSAPインスタンスの設計、構築、運用、移行などについて問われます。上の構成図で言うとオンプレからVPNで接続する。可用性向上のためマルチAZで冗長化する。(ここはSAPの機能だったりOSのクラスタリングの技術だったりします。)S3にバックアップを取得してCloudWatchで監視すると言った感じです。あとは冗長化した際に共有ストレージが必要になったりするのでEFS(Windowsの場合はFSX)が出てきたりします。ポイントの1つ目としては(ECS,LambdaやAuroraなどモダンなアーキテクチャの知識ではなく)「EC2やそれに付随するネットワーク、ストレージなどのAWSサービスを理解すること」となります。
ポイント2:AWS+SAPやOSの機能を組み合わせる
またSAP on AWS 技術文書から図を引用します。これはデータベース(HANA)をマルチAZで冗長化している一例です。RDSではないのでAWS側の機能で冗長化しているのではなくSAPの機能(HANA System Replication)やOSのクラスタリングの仕組みで冗長化します。また、DR対策としてS3に取得したデータベースのバックアップをクロスリージョンレプリケーションで送付する構成となっています。このようにAWSで提供されている機能、SAPで提供されている機能、OSで提供されている機能を組み合わせて使用します。ポイントの2つ目としては「AWSで出来ること、出来ないことを理解しOSレベル、ミドルウェアレベル、SAPで実装されている機能を覚えること」なります。
最初の1歩
まずはSAP on AWS (Technical) (Japanese) (日本語字幕版)をやってみて下さい。
最初にAWSの概要について説明があり、その後SAP on AWSで使用するサービスの説明(EC2,VPC,S3,EFSなど)、その後SAP on AWSの説明と続くため、内容に詰まることなく進めていけるかと思います。また日本語対応しており、学習の最後に確認試験があるため理解を深められるのもポイントです。
その他に学習した内容
上記SAP on AWS (Technical) (Japanese) (日本語字幕版)
以外に学習したのは下記2つのみです。
-
AWS Certified: SAP on AWS - Specialty 公式練習問題集
解説があるのが良いです。上記のSAP on AWS (Technical) (Japanese) (日本語字幕版)
を学習しただけだとまだ分からない問題も多いですが、下記SAP on AWS 技術文書
を読んだ後だと結構分かるようになると思います。 -
SAP on AWS 技術文書
公式ドキュメントです。全て読み込みました。
SAP on AWS (Technical) (Japanese) (日本語字幕版)
とは違いLinuxの基礎知識がない場合、読んでて詰まってくる可能性があります。しかし、細かい設定方法を覚えるのではなく下記のような概略を理解することが重要かと思います。
例として
- オンプレからの移行方式やパターン
- 高可用性やDRのパターン
- バックアップの方式やパターン
- サポートされるインスタンスやOS
- 監視やサポートの前提となるSAPのコンポーネント
- オンプレからの接続方方式やパターン
- どのストレージの選択が最適解か
- なぜオーバーレイネットワークが必要か
などなど
勉強方法まとめ
①. EC2を中心としたAWSサービスを理解する。
②. SAP、OS、ミドルウェアで出来ることを理解する。
③. 設計、運用、移行のパターン、ベストプラクティスを理解する。
①.はまず他のAWS資格(SAAなど)を取ると良い。
②.③.は公式ドキュメントに載っている。しかし、いきなり公式ドキュメントだと難しいので最初にSAP on AWS (Technical) (Japanese) (日本語字幕版)
をやるといった、感じです。
受験結果
最近オンラインが多かったですが久しぶりに試験センターで受験しました。AWS認定のステッカーは残念ながら在庫切れでもらうことは出来ませんでした。
その他資格について
- 他のAWS資格(11種類)を取得した際の記事です。
- 今まで取得した資格に関する記事です。