AWS MGNでの移行後IPアドレス設定の検証

内容

AWS MGNを使用して、オンプレミスからAWSへ仮想マシンをリホスト方式で移行します。閉域網での移行で移行元、移行先でCIDR異なる場合、仮想マシンのIPアドレスが変更されることが想定されます。IPアドレスは移行時に設定可能ですが下記のパターンについて検証します。

• IPアドレスを引き継いで移行する
• IPアドレスを指定して移行する
• IPアドレスを指定しないで移行する

準備

こちらの記事を参考に閉域網での移行環境を準備します。

具体的には以下のVPCエンドポイントを作成します。

com.amazonaws.ap-northeast-1.ssm
com.amazonaws.ap-northeast-1.ssmmessages
com.amazonaws.ap-northeast-1.mgn
com.amazonaws.ap-northeast-1.ec2
com.amazonaws.ap-northeast-1.s3

環境準備後、VPCエンドポイントを指定して移行を開始します。

wget -O ./aws-replication-installer-init.py https://aws-application-migration-service-ap-northeast-1.bucket.vpce-xxxx.s3.ap-northeast-1.vpce.amazonaws.com/latest/linux/aws-replication-installer-init.py

sudo python3 aws-replication-installer-init.py \
     --region ap-northeast-1 \
     --aws-access-key-id xxxx \
     --aws-secret-access-key xxxx \
     --no-prompt \
     --s3-endpoint vpce-xxxx.s3.ap-northeast-1.vpce.amazonaws.com \
     --endpoint vpce-xxxx.mgn.ap-northeast-1.vpce.amazonaws.com

今回はテストを簡易的に行うために、同一VPC内の左側のサブネットから右側のサブネットへの移行を行います。

IPアドレスを引き継いで移行する

起動テンプレートの設定に「プライベートIPをコピー」という設定項目があります。これをチェックすることで、ソースサーバのIPアドレスを引き継ぐことが可能です。ただし起動テンプレートの主な考慮事項に記載されている通り、引き継いだIPアドレスがターゲットサブネットのCIDRに含まれていない場合、インスタンスの起動は失敗します。

上記設定をした上でテストインスタンスの起動を行いましたが、下記エラーが発生して起動に失敗しました。

エラー: An error occurred (InvalidParameterValue) when calling the RunInstances operation: 
Address 192.168.0.233 does not fall within the subnet's address range

IPアドレスを指定して移行する

MGN エージェントをインストールすると、ソースサーバとして登録され、各インスタンスごとに起動テンプレートが作成されます。起動テンプレートの主な考慮事項に記載があるようにプライベートIPの欄に任意のIPアドレスを指定します。なお、起動テンプレートでサポートされるENI最大2つまでです。3つ以上が必要な場合は、起動後の処理で追加する必要があります。起動テンプレートで下記項目を設定後、デフォルトバージョンとして保存します。

上記設定後、テストインスタンスの起動を行うと指定したIPアドレスで起動します。

IPアドレスを指定しないで移行する

起動テンプレートでIPアドレスを指定しない場合、CIDR内の任意のIPアドレスが付与されます。