はじめに
この記事はnem#2アドカレの14日目の記事です。
近畿大学で2019年7月1日より始動していた、「ブロックチェーン研究プロジェクト」に参加していました。
本プロジェクトでは@daokaさんを講師として、3チームにわかれて、それぞれブロックチェーン技術を用いたサービスの設計・開発を行っていました。
- モバイルオーダーアンドペイ (MOAP)
- ポートフォリオサービス
- フリーテーマ -> よみとも
の三つから参加するチームを選択することができ、僕は「ポートフォリオサービス」のチームに参加しました。
ポートフォリオサービス is なに
近畿大学では、本プロジェクトのように、大学が主体となってさまざまなイベントがACTプロジェクトとして開催されています。
しかし、現状では成績以外での評価は難しくACTプロジェクトなどへの参加率や貢献度といった課外活動を評価することができていません。
そこで、NEMを使って自己証明をするためのプラットフォームを作成しようといった内容になります。
初期構想
活動の履歴をアポスティーユを用いて、改竄がないことを証明し、それを学生の成績以外の面での活動の評価指標のひとつとして活用するためのwebアプリケーションの作成
学生の課外活動を記録し、その記録をそれぞれアポスティーユすることで、改竄されていないことを証明するサービスを設計していました。
構想した機能は
- 活動記録のアポスティーユ
- 活動記録の可視化
- 課外活動の評価
- 課外活動の記録を用いた検索
などを構想していました。
問題点
しかし、様々な問題点がそこにはありました。
- ストレージ
- テキストデータのコピーと監査
- 手数料
- NEMを使う意義・意味
アポスティーユしたからといってストレージが不要になるわけではないことやストレージで管理するべきでないデータも含まれる?(あまり詳しくはわかってないです)、テキストデータ(テキストデータに限った話ではないが)をアポスティーユした際に、コピーするのは容易であること(喜憂だった気がする)、単純にリクエストの度に監査をしていたら手数料どうなるの?という疑問、そしてこれが一番大きな問題点でNEMを使っている意義、意味はあるのかと言う問題
NEMを用いたサービス開発と使う意義・意味
初期の構想でも、最終的な構想でも、ここが一番難しくデリケートであると僕はこのプロジェクトを通して感じました。
今回の初期構想では、データの改竄がないことを証明するためにアポスティーユをつかうといったものでしたが、はたしてそれは本当にブロックチェーンというシステムで実現するべきであるのかが重要だと思いますが、
学生の課外活動を記録し、その記録をそれぞれアポスティーユすることで、改竄されていないことを証明するサービス
において、ここに改竄がないことを担保するのは、ブロックチェーンシステムで担うことよりも、大学が担保するほうが適切なのではないかと考えました。
確かにアポスティーユを使うことでデータが改竄されていないことを証明することはできますが
大学内での課外活動を記録し、可視化するといった要求からは大学が情報を担保するべきであると考えました。
使う意義・意味を考える
そしてブロックチェーンを使う意義や意味を考える中で、意義・意味の見出し方についての僕なりの答えを探しました。
これまで、僕たちはポートフォリオサービスを設計する上で、ブロックチェーンをどうやって使うかを考えていました。
ブロックチェーンを使ってどうやったらポートフォリオサービスを作るかに囚われていたのです。
ポートフォリオサービスの設計をし、どこをブロックチェーンシステムに置き変えることで、サービスがよくなるかに着目し、初めからブロックチェーンを使った設計をするのではなく設計したサービスのどこをブロックチェーンに置き換えるかを考えるべきだとかんじました。
この結論は一般的かもしれません(サービス設計とかわからん学生なんや)しかし、使う意義・意味を考える上でこれまでの発想とは逆の考え方をすることで設計を見直し、アポスティーユを使わないことを選択しました。
最終的な構想
モザイクを利用してイベント参加、イベントでの貢献をモザイクの授与という形で点数化、可視化を行う。
まだ、これだけでは先程同様使う意義・意味と言った問題はクリア出来ていないのではないかという部分もありますが、モザイクを利用しているため、ここに学生へのインセンティブを考えて行くことで、NEMを使う意義・意味を与えることが出来るのではないかと思っています。
まとめ
- ブロックチェーン技術を使うことをベースにサービスを設計するのは難しい
- ブロックチェーンを使わずに設計をし、ブロックチェーンを使うことでより良くなる部分を考えると良さそう
- 完成させたかった