はじめに
いなたつアドカレの二十五日目の記事です。
もうアドカレもおしまいですね。悲しいです。
最終日に自己紹介するのも変な話ではありますが、僕は近畿大学の電子計算機研究会(以下CSG)という、web制作、動画制作、ゲーム制作などいろいろな活動している人が集う団体に所属しています。
現在CSGのプロジェクト活動にて、ノベルゲームを作成しているチームがいくつかあり、シナリオ制作のコツを聞かれたりしたので、僕が趣味で行っているクトゥルフ神話TRPGのシナリオ制作をする上で意識していることなどを、最終日に書こうかなって感じです。
独学というか自分の経験にしか基づいていないため、セオリーなどはわかりません...
TRPGシナリオだけでなくノベルゲームなどのシナリオ作成の参考になる部分もある.....はず
クトゥルフ神話 is なに
小説家ハワード・フィリップス・ラヴクラフトが小説に登場させた事物を複数の作家たちとまとめたことでできあがった架空の神話で英語では「Cthulhu Mythos」となる。神話というより価値観・世界観という方が理解し易い。ラヴクラフトと友人の作家たちがお互いの作品で登場した怪物やアイテムを自分の作品に登場させるという一種の遊びにより、いかにも本当に神話のように見せかけたもの。
例としてはロバート・E・ハワードの『英雄コナン』シリーズは、ラヴクラフトと同じ世界観を共有している。
新ルールブックが先日発売されたのでみなさん購入しましょう。
るるぶ
シナリオを作る流れ
- テーマの決定
- 導入の決定
- エンド(目的)の決定
- 解決手段の設定
- 解決手段を振り分ける
- エンディングの描写を書く
実際に短編シナリオを作ってみる
クトゥルフよりではありますが、実際にどうやってシナリオを作るかを順を追って考えていきます(今からシナリオ考える)
これを読むとソロのクトゥルフ短編シナリオのプロットが完成(するはず)です
テーマの決定
今回のテーマは「クリスマス」にしましょう。せっかくのアドカレ最終日ですもん。
ここで同時にタイトルを決定しても構いません。
タイトルを決めておくとシナリオがブレにくくなります。
本シナリオのタイトルは 「せいくりっどないと」 とします。
何かイメージする対象があるとシナリオは作成しやすくなります。
今回のタイトル「せいくりっどないと」では(口頭でのみ伝える)
BUMP OF CHICKEN の Kをイメージして命名しました。
素晴らしい曲なので是非聴いてください。
曲中で出てくる「Night」と「Knight」の言葉遊びを拝借します。
導入の決定
導入はクトゥルフ神話TRPGでの導入のままでは他のシナリオに応用できるかは分かりませんが一応書きます。
目を覚ますとそこはどこか懐かしい場所であることが分かります。幼い頃によく読んだ囚われた姫を助ける騎士の絵本の世界によく似た世界だと感じることでしょう。
ここでも、騎士「Knight」を登場させ、存在をアピっておきます。(実際のシナリオではもっと描写する)
エンド(目的)の決定
姫を救出し、現実の世界へと帰る
クトゥルフでは描写をカットしたりしますが、導入に近い箇所で、この物語を完結(姫を助ける)しないとクリアできないことを匂わせます。
これで、StartとGoalが決まりましたね。
解決手段の設定
シナリオのStartとGoalができたら次はこの目的を解決する手段を用意します。
まちがってもシナリオの始めから考えてはいけません。終わりから考えましょう。
シナリオのイメージ通り、本シナリオのキーは「K」です。曲聞きましたか?
ただ、Kがキーになるといってもそれだけじゃ物語を解決できません。
アイテムを追加しましょう。
- 鍵
- アルファベットピース
今回はこの二つを追加します。
鍵には窪みがあり、アルファベットピースがぴったりはまるであろうという設定をきめました。
さらに鍵には「ey」という刻印が施されていることでしょう。
当てはめるアルファベットピースが「K」であることを指し示します。
つまり、窪みのある「ey」という刻印が施された鍵とアルファベットピースを見つけ、組み合わせることで、姫を捉えた鍵を開くことができるというゴールへの解決手段が完成しました。
解決手段を振り分ける
作った解決手段を無造作に置いておくわけにはいきません。適切な場所に振り分けていきます。
アルファベットピースはおもちゃ箱の中とかにあってもおかしくないでしょう。
鍵はおそらく厳重に保管されているでしょう。敵が持っているかもしれませんし、はたまた鍵のかかった引き出しの中かもしれません。
今回は敵に持たせておきましょう。これで戦闘シーンもできますね。クトゥルフでは中ボスとの戦闘を挟むと緊張感が増します。
脱出ゲームのようなゲーム性の場合は鍵のかかった引き出しの中とかでもいいかもしれませんね。
これで、目的を解決するための解決手段を設定し、隠すことができました。
そして新たな目的ができます。
- アルファベットピースを見つける
- 鍵を手に入れる
この二つですね。
解決手段の設定に戻ってひとつ手前に戻ってきます。
鍵を手に入れるために戦闘を行うなら、武器となるものをさがしたり、敵の弱点に関する情報を探す。
鍵のかかった引き出しに入れるならその鍵を探す。
といった風に問題をシナリオの終わり側から始まり側へと4と5を繰り返し戻っていきます。
シナリオサイズに適するように謎解きや探索を設定していきます。
そして、満足したら6に進みましょう
エンディングの描写を書く
さあ、これで完成です。
鍵を見つけ、Kのピースをはめ、姫のもとへと駆けつけることでしょう。
その鍵を姫が待つ牢へと刺す、扉は開き、不思議な力で鍵は剣へと姿を変えることでしょう。
ここまでくるとゲームクリアですね。
探索者は日常へ変えることができます。
探索者が大人なら子供に絵本を読み聞かせているうちに寝てしまったのでしょう。
子供なら絵本を読みながら寝てしまったのでしょう。
目を覚ますとクリスマスプレゼントが目の前にはあるでしょう。「K」と刻印のついたメッセージカードを添えて。
おわりに
この記事で作っていったのはプロットレベルなので、実際に脱出ゲームやTRPGシナリオにしようとすると、描写を考えたり、導入文やエンディングの文章を考えたりしなければいけません。
プログラムの勉強やUnityなどを使用しているとゲームを作ろうと思っても、シナリオの作り方がわからなくミニゲームのようなものに落ち着いてしまうといった場面もよくあるかと思います。
今回は実際にシナリオプロットを考えながら記事を書いてみました。
クトゥルフ神話TPGなどのシナリオを作る場合は 妖怪 神話生物のせいにしとけばいいので結構楽だったりしますね。
まずは何かもとのイメージとなるものを設定しそこからイメージを膨らませていくと良いかと思います。
クトゥルフ神話TRPGシナリオ制作しましょう。