こちらの内容は、RPACommunityの ライトニングトーク大会 vol.2 にてお話したことをまとめたものです。
WinActorのシナリオを引き継いだはいいものの、パスやURLや初期値の設定箇所が分からず、動かなくなって困っている……という方向けの内容です。
動画でご覧になりたい方はこちら! ▶ WinActorでの設定ファイルの取得方法について
設定ファイルとは
設定ファイルについて
プログラムを動かすのに必要な初期値や環境設定を記録しているファイルのことです。
ファイルに関する、場合によって変更する必要のある部分をまとめたもの、と考えていただくと分かりやすいかもしれません。
初期値や使用するファイルの保存場所を、シナリオ外のファイルに記録しておくと保守性が上がります。
なぜ作る必要があるか
設定ファイルが無くても、シナリオのライブラリのプロパティへ直書きすることは可能です。
また、変数一覧の初期値の欄に書き込むことも可能です。
作成者がいる間は問題はないのですが、作成者の異動やシナリオ引継ぎが発生したときに課題が発生します。
初期値や使用するファイルの保存場所の変更が発生すると、直書きした箇所を探すのに時間がかかります。
また、RPAに慣れていない人が修正するとなると、修正に抵抗感が出てしまいます。
シナリオ外のファイル(例えばExcelなど)を修正する形にしておくと、
修正箇所を探す手間も減らせますし、RPA初心者の修正への抵抗感も下がります。
また、WinActorの実行版(シナリオ修正不可で実行のみ行える)を使用する場合に、設定ファイルがあるとそちらで変数の初期値を変更することも可能になります。
上記理由により、設定ファイルを作成しておくことで保守性を上げることが可能になります。
取得方法について
設定ファイルの作成
ExcelやCSVやテキストファイルなど、誰もが編集しやすいファイルで作成するといいかもしれません。
中身のレイアウトについては、使用するライブラリで取得しやすい形に作成すると効率が良いと思います。
例えば、パソコンにExcelがインストールされていない場合は、CSVやテキストファイルで設定ファイルを作っておく必要があります。
また、CSVの編集ルールが詳しくない場合は、何度も操作しているExcelを使用するといいかもしれません。
設定ファイルから取得した値の収納先
主に「変数に取得」する場合と「メモリに取得」する場合があります。
変数に取得
変数一覧に登録されている変数に取得した値を代入するパターンです。
登録されている変数と取得した値が1対1になっていないと代入できないので、あらかじめ変数を登録しておく必要があります。
設定ファイルの項目が多すぎると、事前に設定しておく変数が増えて管理が大変になる可能性もあるので、検討しておく必要があるかもしれません。
メモリに取得
変数一覧には登録せずパソコンのメモリに値を一時的に保存しておくパターンです。
変数一覧のように代入された値を見ることはできません。(テキストファイルにつど書き出すことは可能)
設定する項目を変数一覧に事前登録の必要はないので、項目が増減しても使用可能です。
ライブラリは、辞書型、一次元配列、二次元配列、JSON形式関連で使用可能です。
今回は基本のExcelから変数への取得方法を解説
設定ファイルの取得手順
まず、設定ファイル(Excel)とWinActorのシナリオを同じ場所に保存します。
それから、Excelで設定した内容を保存するために、WinActorの変数一覧に変数を(必要なら初期値も)設定しておきます。
それからExcelを開いて読み取るためのライブラリを配置して、プロパティを設定しておきます。
※ 詳細な設定内容は次のスライドを参照してください。
シナリオ実行の流れ
では、実際に読み取れるかどうか実行してみましょう!
WinActorのシナリオの実行ボタンを押下すると、Excelで設定した変数値の内容が変数一覧の現在値に読み取られていることが分かります。
まとめ
ですので、変更の可能性があるフォルダパスやURLや初期値を、設定ファイルにまとめておくことでスムーズに引き継ぐことが出来ます。
設定ファイルも、使用する相手のスキルや保存場所を考慮して設定することも大切です。
WinActorで使用するライブラリも、設定ファイルや使用する相手に合ったものを考慮して使用していただくと保守しやすくなると思います。
うまく使い分けて、楽しいWinActorライフを👍✨