MicroPython Advent Calendar 2018の4日目が埋まってなかったので、小ネタ埋めておこうかと書き始めたら、初日から連投の boochow さんが4日目を埋めてくれました。せっかく書き始めたことと、日付も変わっていることですし、5日目投稿します。
カシオ計算機の公式Twitterで12月4日にこんな発表がありました。
はい、カシオのカラーグラフ関数電卓 fx-CG50 で Python が使えるようになりました。Pythonといっても、実際はMicroPythonです。MicroPython には組込み用途以外にも軽量Pythonとして使われることがあるのですが、電卓にのっかるのもその例でしょう。
実はヨーロッパあたりでは昨年から出すぞ出すぞ予告されていて、今年9月の OS 3.20 アップデートで公式にサポートされました。日本で今頃発表されたのは、たぶんマニュアルの翻訳が完了したからでしょうね。
私は9月に安いUS版をを購入してOSアップデートしました。日本版との違いはたぶんカシオ電卓間のファイル転送に使うとかいう3ピンケーブルが付属しないことと、日本語説明書が付かないことぐらいでしょうか。OSのメニューは日本語版でも日本語表示にできないはずです(そもそも日本語フォントが入ってないらしい)。電卓間のファイル転送することはまずないですし、日本語マニュアルはPDFでダウンロードできるので、個人的にはUS版で十分でした。
fx-CG50 はけっこうデカイです。以下に比較写真出しておきます。中央が fx-CG50、左が iPhone XS Max、右がシャープ最後のポケコン PC-G850VS です。
使い方の簡単な説明はここで見れます。マニュアルには17章にPython機能の説明があります。さらっと目をとおして、気づかれる方もいると思いますが、カラーグラフ関数電卓なのにグラフィックがらみの命令が無いみたいです。help()関数もないので、何のモジュールが標準入っているのかよくわからないのですが、マニュアルを読むかぎり、math と random ぐらいしか見つかりません。せっかくのカラー画面がもったいないので、次のOSバージョンではぜひともグラフィック機能と cmath ぐらいはサポートしていただきたいと思っています(あと、ソース公開もぜひとも)。
※ ちなみに fx-CG50 には元々 CASIO BASIC なる一風変わった BASIC 言語がのっています。これだとグラフィックも扱えます。
電卓キーボードからのプログラム入力はかなり苦痛ですが、入力支援のための CATALOG 機能があります。SHIFTキーと4を押すと、Pythonの予約語や組込み関数をメニューから選んで入力できるので、キーでポチポチ入力する苦労がだいぶ軽減されます。それでも苦痛なら、PCで編集してUSBケーブルでつないで転送するという方法もあります。
欧米では理数の授業に関数電卓が取り入れられていたり、大学入試試験で関数電卓が持ち込み可能だったりするので、高機能電卓はまだまだ需要があり、TI, HP, CASIO, そして新興の numworks などが教育市場に高機能電卓を供給しています。日本だとそういう需要がほとんど無いので、fx-CG50 のような電卓が日本で売られていることは、私のような物好きには大変嬉しいことです。できればポケコンも復活してほしいなと切に願っております。