はじめに
2022年にリリースされた micro:bit 用の Python Editor V3 を紹介します。
外観
micro:bit Foundationより、2022年秋に Python Editor V3がリリースされました。Web ブラウザ上で動きます。micro:bit への転送に WebUSB を使うので Chrome 系のWebブラウザでアクセスするのがよいでしょう。
※ Python Editor V2もまだ使えます。
個人的な印象ですが、V2 のちょっと安っぽい画面に比べると V3 はかなり洗練されています。
V3 では機能も大きく増強されていて、補完はもちろんのこと、マニュアルの例のペースト、シミュレータのサポートなどがサポートされています。日本語化も大部分完了しています(私も日本語化に参加していました)。
Pyhon Editor V3リリースの背景
micro:bit Foundation は、以下の意図があって V3 を開発/リリースしました。
- MakeCode のブロックベースのプログラミングは、プログラミング入門者をサポートする素晴らしいツールだが、多くの領域では圧倒的にテキストベースのプログラムが利用されている
- ブロックベースのプログラミングからテキストベースへの移行の手助けとなる環境を提供したい
マニュアルにサンプルコードが多くあるのと、それらを容易にエディタ領域にペーストできる機能を有しているなど、確かにブロックベースのプログラミングからの移行を意識したものになっています。
MakeCode と同様にシミュレータもあるので、実機に転送前にある程度動作を確認できます。
それでは、なぜテキストベースのプログラミング言語として Python (厳密には MicroPython)を採用しているかというと、幅広い領域で利用されている人気のプログラミング言語であるということと、シンプルで自然言語(英語)に近い構文であることが理由とのことです。micro:bit 以前から Python をプログラミング言語に採用している学校が英国に多かったというのも大きいでしょう。
おわりに
かつて、micro:bit の Python エディタとしては muが推奨されていましたが、現在となってはオフラインでの要求がなければ Python Editor V3 で十分でしょうし、機能的に上回っているところもあります。
micro:bit というと MakeCode の使用例ばかりが目立ちます。それは V3 エディタ登場後もあまり変わらないように見えます。イベント処理がないことと(micro:bit の Python には割り込みもないので、イベントループを用意しないといけない)、BLEが未だサポートされないのも原因なのでしょうが、学校教育ではテキストベースのプログラミングって敷居が高いのでしょうかね。