はじめに
LTspiceで回路勉強をするとき、書籍を見ながら回路動作を確認する読者が大半だと思います。学習中によくあることとして、既存のSPICEモデルだけでなく、企業が提供しているSPICEモデルを使用することが挙げられます。実際の回路設計業務や何かモノづくりをしたいとき、購入までに実物の動作を確認する等、SPICEモデルでの検証と確認は行うため、非常に重要なプロセスです。
読者の対象
電子工作をしたい!電子回路の勉強をすすめたい!という方々はもちろんのこと、実際に販売されているデバイスのSPICEモデルで動作確認をしておきたい!という方にも読んでいただければと思います。
SPICEモデルの読み込み時のエラー対処法を紹介している記事のため、LTspiceの基本操作等は知っている前提で記述しております。
動作環境
- LTSpice 24.1.5(2025年4月1日現在)
- Windows 11 Home 23H2
本記事の目標
エラーの情報展開
外部のSPICEモデルをダウンロードしてLTSpice24で動作を確認できる
エラーが起こるポイントに関して
大まかに2点あります。(他に起きるポイントもあるかと思いますが・・・)
- .libで記述したファイル名が異なる
- Component Attibute Editorの記法が間違っている
1番目に関しては、読み込みたいSPICEのファイル名を正しく記述すれば治ります。
本記事では、2番目に関して掘り下げます。
エラーが起きたキッカケ
2N7000を使った回路動作を学ぶときに発生しました。
回路図はいたってシンプルなMOSFETと直流電源の構成です。
ダウンロードしてきたMOSFETのSPICEモデルを動かそうとした際に、見覚えのないエラーが発生した。
Expected device instantiation or directive here.
N§M1 N001 N002 0 2N7000
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
接頭語§:セクションマークが現れてしまい、エラーになるとのこと。
PrefixでNを打ち込んでしまいLTspiceで有効でないデバイス名を指定してしまったらしく、雑に入力したせいで不要なエラーが起きてしまったらしい。
解決方法
Component Attribute EditorのPrefixに有効可能なX1を入力して下さい。
先に、コンポーネントのNMOSを配置した場合のComponent Attribute Editorを載せます。
注目してほしい点はPrefixがMNとなっている箇所です。
Nが含まれると他の項目を編集して準備を整えている場合でもエラーが出ます。
実際に修正したComponent Attribute Editorは下記の通りです。
結果として、シミュレーションでエラーを起こすことなく実行できました。
まとめ
回路勉強に集中していると、細かいミスが出てきて、LTspice動かない!なんてこともあるかと思いますが、エラーでめげずに回路勉強を楽しんでもらたら幸いです。