昨年より、中高生を対象としたビジネス&アプリコンテスト Technovation Girls(略してTG)の日本チームのメンターとしてサポートさせてもらっています @imk2oです。
今回はこのTGで利用している開発ツールについて紹介したいと思います。
大人がプログラミングを学ぶのであればJavaScriptやPythonなどから始めてもよいのかもしれませんが、中高生が対象となると比較的ハードルが高いと考えています。まずは自分のアイディアが実現でき、その面白さを実感できること が大切だと私は思います。
そこでTGのカリキュラムではThunkableとApp Inventorという、ブロックプログラミングによる開発ツールを採用しています。どちらも教育用ブロックプログラミング環境Sctrachのような操作感で、モバイルアプリを制作できる開発環境になっています。
Thunkable | App Inventor |
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ThunkableはApp Inventorから派生したサービスで、
App InventorはScratchと同じMITが開発したものです。
誰でも使える?
App Inventorはアカウント登録すればすべて無料で利用できます。
Thunkableの無料アカウントは作成できるプロジェクト数や画面数、一部機能に対する制限はありますが、すぐに利用することができます。
どちらもWebブラウザ上で開発を行うことができます。
UIエディタで画面レイアウトを作成し、ブロックエディタでその振る舞いをコーディングするという形ですので、すぐに慣れるのではないかと思います。
Thunkable/App Inventorどこが違うの?
こちらに比較表が載っていますが、特徴的な違いをピックアップしてみます。
- Thunkableの良いところ
- エディタが比較的使いやすい
- DBやSaaS、APIに接続しやすい
- Webブラウザ内で動作確認できる
- プロジェクトの共同編集に対応(Pro版)
- App Inventorの良いところ
- エディタが日本語対応
- センサー値取得、チャート機能などが豊富
Thukableはソーシャルや外部連携が多いアプリ、App Inventorはデバイス中心のアプリが作りやすいのではないかと思います。機能的な違いはありますが、原点が同じこともあり使用感は似ているところが多いです。
Thunkable/App Inventorの使い方を知りたい!
TG公式のカリキュラムに、それぞれを用いたレッスンやサンプルがありますので、まずこちらを参照してもらうとイメージを掴みやすいと思います。
(日本語訳はWaffleメンバーと一緒にがんばりました!)
あとは英語になりますが、公式ドキュメントがあります。
Thunkable/App Inventorの実用性は?
どちらも基本的なUIコンポーネントはあるものの、精細なレイアウトや外観設定を行えるわけではありません。デバイス機能の利用や外部連携にも制限があるので、ネイティブと遜色ないアプリを作ることは難しい かなと思います。また単独のアプリとして配布するためのパッケージ化を行うことは可能であるものの、通常のiOS/Androidアプリと同様の準備が要りますので、敷居は高いです。
ただプログラミング学習に加え、プロトタイピングや検証を目的としたアプリ制作であれば、良い入門環境ではないかと思います。
まとめ
Thunkable/App Inventorはプログラミング言語より敷居の低い、プログラミング初学者向けの開発ツールです。ソフトウェア開発の基礎を学んだり、プロトタイピングにも活用できるのではないかと思います。これをきっかけにアプリ開発の楽しさを知り、更なるステップアップを目指す方が増えてくれると嬉しいです!