1
2

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

失敗しないためのプロジェクト再入門(その1)・そもそも、プロジェクトって何?よくある失敗とは?

Last updated at Posted at 2019-11-03

プロジェクトは失敗ばかり

01_what_is_project_03_01_m.jpg

 遠くの目標を目指すときの例に「千里の道も一歩から」ということわざをよく耳にします。たとえ、どれだけ大きなプロジェクトと言えど、最初の1歩は必ずありますし、達成までの道のりはメンバー1人1人が行う作業や判断の積み重ねでしかありません。
 しかし、目標を達成しようとするとき、ただ1歩1歩、前に歩いていきさえすれば、成果にたどり着くことができるのでしょうか?
 おそらく違いますね。
 正しい手順を知らないまま闇雲に行えば、ある時は成功し、またある時は失敗します。
 仕事としてプロジェクトを行う場合、これでは困ります。
 私たちが日々行っているプロジェクトには、いつもトラブルがついて回ります。それらはもしかしたら、正しい手順を踏めば避けられるのかもしれません。
 まずはじめに、プロジェクトとは何か、どうしてプロジェクトは失敗するのかについて、簡単な例をを使って考えてみましょう。

最も単純なプロジェクト

 初めに、最も単純なプロジェクトはどのようなものか、考えてみましょう。

参加者1人×予算ゼロ×作業期間1日

です。
例で考えてみましょう。

 ある日の朝、新宿を歩いている人がふと「よし、高尾山へ行こう!」と思い立ったとします。ここに「高尾山登頂プロジェクト」が立ち上がります。

 Googleマップによると、新宿から高尾山頂まで49.1Km、徒歩10時間42分で到着するそうです。どうやら、今日中にたどり着けそうです。

 彼は新宿をスタートして、国道20号をひたすら西へ歩きます。それこそ一歩一歩歩き続けます。
途中、少し遠回りをしてしまいましたが、「国道20号」の看板を手掛かりに、ひたすら歩き続けました。。
 丸一日歩いて、ようやく高尾山の頂上に到達することができました。プロジェクトの目標達成です。

01_what_is_project_01_01.png

 計画や管理がなくても「作業1」⇒「作業2」⇒「作業3」・・・と進めていけば、目標を達成することはよくあります。
 すでに手順が確立していたり、手探りて進めても、大損害にならない場合です。

プロジェクトにブロッカーはつきもの

 ブロッカーとは、プロジェクト全体の進行を止めてしまう一部の要素のことです。
次に、ブロッカーのある小規模プロジェクトの例を見てみましょう。

参加者1人×予算20万円×作業期間は数日

といった具合です。

 次に彼は、「そうだ、ハワイ行こう。」と思い立ちます。今回は、所持金も十分にあります。ここに「ハワイ弾丸ツアープロジェクト」が発足しました。

 チケットや宿、食料など、必要な物は、その都度調達すればいいでしょう。
電車を乗り継いで、成田空港に到着しました。最低限の着替えも道すがら揃えました。

そこで彼は気づきます。

 「あ、パスポート持ってない。。」

 プロジェクトは約3時間と3万円を消化し、目的地に到達することなく、ここで終了です。

01_what_is_project_01_02.png

 たった1つのプロッカーによって全体が被害を被るような場合も、その原因は単なる見落としである事が大半です。
 絶対に必要な要素であり、しかも調達に時間を要する要素が計画時にすっぽり抜け落ちてしまったこと、経験ありませんか?

 前回の担当者がきちんと引継ぎをしてくれなかった場合もあります。

 現実の業務では、下記のような要素がプロジェクト全体をストップさせるブロッカーになりやすいものです。

  • 実施予定日に行政の許可が下りていない
  • 途中で予算が枯渇した
  • 必要な時期に、必要なスキルを持った人員が確保できていない
  • 会議室、材料、車両等、必須の資材が確保できないまま期日を迎えてしまう

 いずれにせよ、ブロッカーを取り除くまでは、プロジェクトは丸々ストップです。

プロジェクトのゴールって何だっけ?

 次の例は、ゴールの設定誤りです。これは特に、顧客のある場合や、過去の資料が残っていない場合、最終生産物の見通しができていない場合によく発生します。

 いわゆる、「言った。言わない。」論争もこのケースにあたります。

 このパターンを参加者1人のプロジェクトで起こすことは実際難しいですが、無理やりひねり出してみましょう。

 あくまでも例のためですからね。

 ハワイ旅行を断念した彼は、気を取り直して、「スリルある八ヶ岳の断崖を登り、アルプスの絶景を写真に収めよう。」と、目標を改めます。

 ここに「八ヶ岳絶景撮影ツアー」プロジェクトが発足します。

参加者1人×予算6万円×作業期間は3日

です。

01_what_is_project_01_03.jpg

 八ヶ岳は以前、友人に連れて行ってもらったこがあります。登山用の装備も一通り持っていますし、体力にも自信あがります。

 急峻な岩山を登るスリリングな写真や、遠く富士山・中央アルプス・北アルプスの素晴らしい眺めがたくさん撮れるでしょう。

 八ヶ岳にはたくさんの頂上があります。前回なんという頂上に登ったかは友人任せだったので覚えていません。でも、メジャーな頂上を目指せば問題ないでしょう。GoogleMapを見て。。「茶臼山」よし、ここに登ろう。

 かくして、電車とバスを乗り継ぎ、ロープウェイにのって、なだらかな坂道を歩くこと90分。あっさりと頂上に到着。

 景色は素晴らしい、しかし富士山は見えないし、道中は登山靴も要らいくらい緩やかだった。。

 「目指したものと何か違う。。」

 八ヶ岳は非常に大きな山で、どの頂上を目指すかで、山並みも難易度もまるで違います。前回登ったのはもっと険しい山でした。

 どうやら、選んだ頂上が違ったようです。

 お目当てであるスリルある体験や絶景写真は撮れませんでしたが、彼はこの結果を「プロジェクト達成!」と思うことにしたようです。

 頂上には到達していますしね。。

01_what_is_project_01_04.png

メンバー1人でここまで単純な取違えをすることはありませんが、ゴールの設定誤りによるトラブルは、突き詰めてみれば、この程度のことです。

 最終生産物のイメージを明確にせず、作業を進めながら決めていこうという甘い考えは通用しません。
 最初の段階で最終形が想像できない練度の場合、最後の最後になるまで全体像を描けないからです。

 実施した結果が誤っていた場合、大きな修正が必要になったり、最悪、プロジェクトを丸々やり直しになってしまいます。
 割引して、できたもので納得するという方法もよく取られます。

業者が思ったものと違うものを作ってきた場合、

・どんな成果物がほしいのか、きちんと提示したのか?
・そもそも、どんな物が欲しいのか最初に答えを持っていたのか?

 自分を省みないといけません。

 トラブルの回避は、まずここからです。

プロジェクトは目標と目標達成のための手順をセットにしたもの

 上記の3つの例を読んで、「そんなバカなことはしない。」とお思いになるかもしれませんが、プロジェクト管理におけるトラブルの原因は、おおよそこのケースに集約されます。

 特に、規模が大きくなり、関係者が増えてくれば、見通しを立てるのが難しく、コミュニケーションロスによるトラブルも発生しやすくなるものです。

 取引先が悪意を持ってこのケースを仕掛けてくることすらあります。でも大丈夫。それすら、ある程度予防することができます。

 あなたが、プロジェクト運営でトラブルを抱えたことがあるのなら、ザックリ言うと、上記のようなプロジェクト運営だったのかもしれません。

 これ以降、プロジェクト運営・管理方法について紹介していきますが、それは、単に管理作業を指すものではなく「目標を達成するためのプロジェクト運営」であり、「手順化されたプロジェクト管理」となるような基本的な考え方です。

 業務でプロジェクト管理と言った場合、当然、そのようなものでなければなりません。

 以下に「目標を達成するためのプロジェクト」の全体構成を図にまとめました。目標と、目標達成に必要な要素がセットになっている様子がわかると思います。

01_what_is_project_01_05.png

 まぐれではなく、毎回、予算内/期間内に目標を達成できるよう、また、プロジェクトを通して蓄積したノウハウや情報を役立てていけるよう必要な考え方や手順をマスターしましょう。

 これ以降の回で、順を追って整理していきたいと思います。

まとめ

  • 目標と作業があればそれはプロジェクト
  • トラブルの多くは、未解消のブロッカーや目標の設定誤りによって起こる
  • プロジェクトとは目標と、目標達成のための手順をセットにしたもの
1
2
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
1
2

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?