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デザインしたことがない人なんて本当はいないんじゃないかという話。

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はじめまして

こんにちは。デザイナーの佐藤(初登場)です。

前職の制作会社から、グロービスに転職して1年半くらいが経過しました。
もともと事業会社で、開発組織自体が新参者ではあるのですが、入社してから「デザイナーじゃないのでデザインなんてできないです!」とか「やったことないので!」という言葉を社内で度々耳にしてきました。いやいやそんなことないよーーー!みんなもやってるよーーー!!!と感じておりましたので、今日はその所以について綴ってみます。

ファンを獲得するための仕組みもデザイン?

さて、突然ですが、モーニング娘。ってご存知ですか?(唐突!)

彼女たちのトークシーンをちょっとだけ思い出していただきたいのですが、「なっちは…」「後藤的には…」「さゆが…」と、自分のことを名前で呼んでいますよね。このメンバーのチョイスで歳がばれs…

一般的には、自分のことを名前で呼ぶという行為は受け手に子供っぽい印象を与え、心理学的にも、ナルシズムや幼児性の現れと言われています。

しかし「モー娘。は大人数の中で発言するとき、“私”でなく“名前orあだ名”を使うシステムになっている。」とアイドルファンの友人から聞き、それ立派なコミュニケーションデザインでは!と思ったことがありました。(※果たして、それが事実かどうかは一旦横に置かせてください。)

そして、そのシステムの目的は至極シンプルで、ファンになってもらうにはまず名前を知ってもらう必要があるからだそうです。
単純な日頃のクセなどではなく、ファン獲得のために意図的かつ客観的な戦略のひとつだったと気づいて、なんだかアイドル文化の奥深さを感じました。

確かに。マーケティングで「AISAS」というフレームワークがありますが、序盤の「Attention」→「Interest」→「Search」あたりまで、スムーズに進むには、名前を覚えてもらうことがキーになりそうなので、納得&合理的な仕組みだなとも思いました。

さて、ここまではファン目線でのお話ですが、この仕組みが面白い理由ををもう一段掘り下げてみます。

ファンとの関係値を築くには、タッチポイントとなるコンテンツも重要です。例えばテレビのトーク番組など。
番組制作にはカメラを回す人、音声を拾ってくれる人、ディレクター、プロデューサー、さらにその場にはいないかもしれませんが脚本家やスポンサー。また共演者など様々なモチベーションの関係者が登場しますが、全員が必ずしも積極的に名前を覚えてくれる人ばかりとは限りません。

貴重なアピールの場で、背丈も衣装も似た人たちの中から、個々を判別して、間違いのないようカメラやマイクを向けるのって結構難易度が高そうです。

でもそんな時、自ら「〇〇は〜」と名乗ってくれたら、誰が話しているのか把握しやすくなります。
共演者目線で考えたら、全員の名前を覚えなければ…という心理ハードルが下がって、少し話しかけやすくなるかもしれません

そして何度も繰り返し名乗っていれば、自然と顔と名前が一致し、誰かしらの記憶に残る可能性がグッと上がりそうです。

アイドルを取り巻くエコシスステムの中で「自分のことを名前で呼ぶ」というシンプルなアクションが、コンテンツを作る過程を円滑にし、視聴者への発信になり、受信した人がファンになる過程までをスムーズにしているとしたら、それってもうコミュニケーションをデザインしていると言っていいのではと思ったりしました。

でも、この仕組みを考えた人は、果たしてデザイナーという肩書きがあったののでしょうか。
この例を見ると、もしかして自分にも考えられそう!と感じた、NON-デザイナーの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

デザインとは、思いやりなんじゃないか説

知らない人に、顔と名前を覚えてもらうという課題で言えば、日常生活でわりと起こりうる事案です。
その時「先方の負担になっていないか?」「先方はちゃんと理解できたか?」「失礼でないか?」など、相手を思いやるという行為は、誰でもやっていると思います。

誤解を恐れずに言うならば。
この思いやりを極限まで突き詰めれば、誰でもデザイナーになれるのでは!と思ったりするのです。(異論、反論、認めます!!!)

結局デザイナーって何なの?

じゃあ、職業としてデザイナーを名乗っている人は何が違うの?というと、思いやりの思考をより深く、広く、速く巡らせ、体系立てながら課題解決の策を錬ることを訓練されている人、といったかんじではないでしょうか?

もう少し具体的にするなら…
鳥の目で全体エコシステム捉えながら、虫の目でヒトの行動を観察し、魚の目で潮流を掴み、最も受け手を思いやれているであろう決定打を探る〜仮説立てる〜検証するというプロセスを超高速で無意識的に回しまくる思考訓練を、まるで呼吸するくらいナチュラルに体現できるよう鍛錬してる。みたいな。

はて?突然ちょっと何言ってるかわからなりましたが(笑)

上記はあくまでも主観に基づく持論なので気にしなくて大丈夫です。

つまるところ本稿で、何をお伝えしたかったのかというと、
「デザイナーじゃないから、デザインできない。」は、「I cannot speak English at all.」くらい違和感があって、誰でも語れる、考えられる、取り入れられるものだよ!ということです。

英語が話せません!ってそれ自体英語で話せているし、旅行くらいなら問題ないという人、結構いますよね。
デザインも同じで、実務で使うにはそれなりの訓練を要すとしても、思いやりを持っていれば全くできていないことはないんじゃないと思う次第です。

以上、なんだか取り留めのない話になってしまいましたが。
デザインってなんだかよくわかんない!とっつきにくい!と思っていた方の心のハードルが少しでも緩和されたらいいな〜と思った次第です。

では、また〜!

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