はじめに
私はITエンジニアの仕事が好きです。結構楽しんで仕事をしています。
不器用な私でも自分で手を動かして課題解決できるのが嬉しいし、様々な制約条件の中で要件をどう実現するのか考えるのが楽しいです。保守性を考えてどのように実装するか考えるのも好きです。
ブリッジやマネジメント、PMがやりたいわけではなく、開発業務が楽しいです。
一方で私は技術に興味がありません。恥ずかしながら以下のようなことはやったことがありません。
- 休日に個人開発
- 最新動向のチェック
- 技術記事の執筆(社内での発信くらいはやる)
- エンジニアイベントへの参加
やっていることは以下くらいです。
- 業務で必要になった技術のリファレンスや記事を読み漁る
- 必要に応じて技術書読む
- X(Twitter)や社内Slackで流れてきた技術記事読んでみる
ハンズオンは大の苦手なので基本読んで理解するだけで手を動かすのは基本業務の中です。
休日はPC開かないことがほとんどです。
業界からの風当たりはまあ強く感じることが多く、「なんとか技術に興味を持たないとなあ」と思ったこともありましたが、うまくいかなかったので諦めました。興味がないなりにエンジニアとしての仕事は続けられるようにしていこうと気持ちを切り替えました。
私のような人にあまり会ったことがなかった(特にネットでは見かけなかった)ので、以下の記事を読んで「おお〜」と思いました。
私は以前社内のLTで「技術に興味がないけどエンジニアやってます」というLTらしからぬ発表をしてドン引きされた多様性を体現したことがあります。折角なので↑の記事の波に乗ってその内容を一部抜粋して記事にしてみようと思います。こういう風に考えている人もいるんだなあくらいの暖かい目で見守ってくれるとありがたいです。
ということで以下をお送りします。抜粋しているので若干脈絡がないですがご了承ください。
- 60-70点の技術力を身につけるためにやっていること4選
- 技術に興味がないことの強み(かもしれないこと)3選
- 技術に興味がないことの弱み3選
1. 60-70点の技術力を身につけるためにやっていること4選
1. 技術を蔑ろにしない
まずこれは大前提だと思うが、興味がないからと言って技術を蔑ろにしたり、「技術は手段」という言葉を言い訳のために使ったりしない。
ただ自分が興味がないだけであって、「どの技術を使うか」も「どのように技術を使うか」も重要であるという認識を持っている。
興味が持てないことは仕方ないことなのかもしれないが、正当化はしない。
2. 興味がない ≠ 学習しない
これも大前提だと思うが、興味がないからと言って学習しないわけではないし、技術が嫌いなわけでもない。
前職で認証・認可の担当部署に配属された時は情報処理安全確保支援士(旧セスペ)試験をpassしたりしたし、AWSわかんねえなあと思った時はSAA認定を取得したりした。その他にも別に技術書を読まないわけではない。
slackで記事が共有された時とかはむしろ積極的に読むし、今日みたいな発表(※)も興味深く聞く。自分から触れようと思わないのでそういう機会をありがたく感じるし、大切にしようと思っている。
※社内イベントでのTLのこと
3. 技術の学習は「会話できるレベル」を目指す
とはいえ、まあ技術に興味ないわけなので、高いレベルを目指そうとすると疲れてしまう。そして何より学習のために手を動かすのが苦手(ハンズオンがすごく苦手)。なので、基本的には「会話できるレベル」を目指している。
例えばAWSで言えばSAAで得られる知識レベル。 RegionとかAZとか言われれば分かるし主要なサービスで何ができるかとかもまあ分かるが、詳細な機能は知らないし、パッと手を動かして何かできるかと言われれば難しい、みたいな感じ。
経験上このレベルで理解しておくと自分が主にいじっていない領域の人(ex. SRE)とも会話ができ、設計時やトラブル時に役に立つ。 詳細は仕事で必要になった時に学習するようにしている。
なお、昔はもっと何もやらなさすぎて大学の同期(つよつよエンジニア)に「キータって何?」って言ってドン引きされたことがある(Qiitaは知っていたがキータって言われて自分の中でパッとつながらず後で一人で赤面した...)
4. 業務中に全力で学ぶ
業務外であまり学ばない分、業務中に「目の前の業務で必要なこと」から少し広げて学習するようにしている。例えばこんな感じ。
- 例1: react-autocompleteでこんなことできないんかなあ -> ついでにpropTypesには一通り目を通す
- 例2: LaravelのCollectionで〇〇ってどうやるんだろ -> 調べる -> Collectionに関するリファレンスは該当部分以外も目を通す -> ついでに目次から他にも気になる機能がないか見て読んでみる
実装が遅いと言われたことはないので、まあ許容範囲内で広げられていると思う。できることが増えるので、やったことない分野の仕事が振られるのは基本大歓迎というスタンス(あまりに基礎のない分野で助けもないときついが)。もちろん、価値を出すことは前提で。
2. 技術に興味がないことの強み(かもしれないこと)3選
※「技術に興味ある人ができないこと」ということではない
1. 技術力に下手に自信を持っていない
自分が積み上げてきた技術力に自信があって、それに固執する、みたいなことは起こりにくい。もちろん今までの経験を生かして仕事するのだが、それが正解だとは思っていないので、もっと良いやり方を提案されればそちらを採用する。
指摘してくれる人が年下だろうが後輩だろうが、そもそもそこに強いプライドを持っていないのですんなり受け入れられる。 もちろん、そのまま採用するという意味ではなく自分の意見をぶつけて議論するし、エンジニアとして真剣に仕事してきたことに対するプライドというかプロ意識はちゃんと持っているつもり。
結果、技術つよつよな人と仕事するとぐんぐん吸収できてる気がする。 前職では2つか3つ下(忘れた)の代に器用な後輩が入ってきて色々教えてもらった思い出。
2. バイアスなしに課題に向き合いやすい
プロダクトの課題に向き合う際に「そもそもこういう作りの方がいいんですよね」みたいな感じの飛躍が起こりづらい。それが悪いというわけではなく、イケてる手段ありきでボトムアップ的に考えて課題解決するのも有効なのだが、気をつけないと目的がいつの間にかすり替わってしまったり、オーバースペックになってしまう 、みたいなことはザラにある。
そういう時に、技術よりも課題解決に関心がある私は議論の軌道修正ができることがままある(大体「そもそも〜」とか言い出す笑)。特にビジネスサイドとのMTGだとエンジニアの議論についていけず「まあ解決できるならいっか」ってなりがちなので、エンジニアサイドに私みたいな人がいると役立つことがあると勝手に思っている。
3. 分からない人の気持ちが分かる
自分が技術に関してダメダメだったので、相手に対しても期待していない。「え、こんなことも知らないの?」とは基本ならない。別に今知らなくても知っていけば良いよね?と思っている。
相手が「何もかも知らない」ことも想定して教えるので、結果的に相手に寄り添って教えられるらしい(自分から「何もかも分からないんです...」とはさすがに言いづらいし、大抵そういう人は「分からないことが分からない」)。
結果、前職では「新人育成は@imahellob99君よろ」みたいな教育係的ポジションになっていた。大体の人は徹底的なティーチングで軌道に乗せてから、コーチングに切り替えると自走していった。それでも無理な人はたぶんエンジニアに向いていないのかもしれない。
3. 技術に興味がないことの弱み3選
1. やっぱり知らない・できないことは多い
まあ時々「そんなことも知らないの!?」みたいなことを言われることはあるし、そんな感じの顔をされることはある。転職の面接でもあった。
実務でも基本的なことから調べることはよくある。Linuxコマンドはググらないと基本使えないし、MySQLもJavaScriptも必要になってから真似したり調べたりしながら、基本的なことから学んでなんとかしている。全体的に不器用。
また、その場で学習しながら、こうすればできそう、みたいに考えるので見積もりがガタガタになりがち。 実際にいろいろな技術を触っている人よりも不確実性が高い領域が多いので、まあそりゃそうなる。
2. 周りの人の技術力の影響をモロに受ける
「強み」で挙げた部分も 「技術に強い人がいてこそ光る」 ところはある。開発部署の人みんなが私みたいな感じだったらたぶん崩壊する。
技術的にリードできる人がいる中ではうまく機能するが、自分が技術的にリードするのは厳しいと感じる。
まあ技術に興味ない人が技術的にリードするのはそりゃ微妙だよね。
3. エンジニアのノリについていけないことがある
純粋に技術的な興味を満たすための活動というか、「やってみようぜ!イケイケな技術試してみようぜ!」みたいなノリには「お、おう...」となってしまう。
エンジニアたるもの技術好きだよね!?みたいなノリでこられるとゴメンナサイ...ってなってしまう。
なんなら 「技術に興味持つのが当たり前!」みたいな感じで来られると死ぬ。
ということで今日こうして発表してみたのでした!技術好きじゃないけどエンジニアやってます、みたいな人ってそもそもあんまり発信しない気がしたので!
さいごに
私は技術に興味がありませんが、ITエンジニアの仕事は好きです。これからも私にできるやり方で研鑽し、ITエンジニアという職種を通じて社会貢献していきたいと考えています。「こんな人もいるんだな〜」くらいに思ってもらえれば嬉しいです。読んでいただきありがとうございました。