量子力学と虚数
さて、量子力学を語る上で、シュレジンガー方程式などにも登場する虚数。
どうも虚数、imaginary numberなるものに、人は弱いね。今回はいきなり深みに行く前に少し寄り道する感じです。
虚数。うつろな数、である。あるんだかないんだかわからない。2乗して-1になる?そんなものあってたまるか。高校生が頭を悩ます大きな原因。
そしてただでさえ波だか粒だかわからない上に、虚数まで式に出てくるのでもう本当に普通の人ついていけない。物理屋も数学屋も虚数って何ですかよ?って聞いたってちゃんと答えてくれない人が多い。
数学の中の虚数は?
自分も高校のときとか、やっぱり虚数はなんだかわけわからん。あると便利と人は言う。確かに解のないはずの2次方程式に解が出てきてしまう。しかもより高次の方程式でも。
で、おまけにこんな式も。
qiitaの数式チートシートの最初に書いてある式なんだけどねw
「コードブロックの言語指定に math を指定することでTeX記法を用いて数式を記述することができます。」と紹介されている式。
e^{i\pi} = -1
美しい。いやー美しいね。人類の至宝だな。でもなんか騙されている気がするよ。そもそもiは勝手に決めた数なんだから、勝手にこの式を作ったようなものではないか??意味もまあ、考えると分かるんだけど。
e^{i\theta} = \cos(\theta) + i \sin(\theta)
だからね。θにπ入れれば当然そうなるし。
で高校の時にもこれ見て考えてて、ああと思ったんだよね。虚数とか言って2次元平面上で回転してるだけじゃないか、と。それから虚数というものにあまり拒否感が亡くなって少しすっきりしたのを覚えている。計算も図形的にとらえるから間違えなくなった。入試は助かったw
でも、また大学で量子力学ですよ。今度は物理のくせしてなんか虚数使うし。一体なんなんでしょうね。物理的意味はどうなってんの??そこが明確でないうちに勝手に使っていいの?
でもやもやはずーっと大学にいる間、残ってた。もやもや、何で虚数?量子とはいったい??
数学的にも虚数ってなんでこうなった??なんで勝手に決めてる??
でも、よくよく考えると、わかってくるものがある。
複素数平面、って言っても要は2次元平面なんだよね。実際には虚で見えない平面が出てきたりはしないのです。結局2次元平面での計算。ベクトル計算、行列計算とやってることも結果も同じになってることに気が付く。
そういわれて改めて見たら、2次方程式の解なしと虚数なら解があるって話も、実際にはZ軸を持ってきて、そこでの曲線を広げた曲面とZとの交点になるのであった。これは数学的には明確なんだね。
うん?という事は??
つまり虚数とは、今ちょうど考えていた系の数学的次元を「一つ上げる」ための道具ではないか?
iによって、数直線は複素平面に。XY平面はZ軸を新たに作ってる。1から2。2から3
まあ数学屋さんならそりゃそうだよね、って話なのかもしれないね。意味を考えたら実際にだれでも分かるはずの事でしかなかった訳ですよ。
これで実際には少なくても数学的なもやもやはもう晴れてしまう訳です。iという数直線に垂直の「軸」を別に作ったんだよね。次元の1次元拡張子、それがiの根本的な正体(いや根本というかは知らない。もっと深い意味がって怒られそう)だったわけですね。
iと次元の拡張の話はこの辺のYoutubeの動画はとてもわかりやすく説明してるよ。
では量子力学では何の意味が?
虚なるものが、数学においては
iはその処理系に次元を一つ追加するための方策としての文字であり、i=虚数がつくと系の次元を1つ上げて考えることになる!!
と考えられる事がわかってきた。
で、となると??量子力学では??次元・・・4次元??高次元の意識が云々・・・ああ、トンデモな話にwww
いやそうじゃなくて!!「虚数次元はある!!いやない!虚なのにあるんだ!」とか変な話じゃなくて、「虚数は系の次元を1次元上げて計算とかするのに使われる方策の一つ」って事ですよ。違い分かりますかね??虚なる数がある無いじゃなくて、数学研究上の単なる方式みたいなものって事。
まあここでちょっと困るんだけど。それが物理になぜ出てくるのか。次元高いってやっぱり妖しいでしょう?でも実は、現代では物理的には既に超弦理論が存在し、万物の理論としての候補になってるんだよね。5つの超弦理論をまとめたM理論、もう本気でわけわかんないミチオ・カクの分厚い本とかも昔読んだんだけど。M理論では11次元でこの世界はまとってるのでは、とある。
だから高次元というのは。まずはもう現代科学ではそう考えないとどうしても説明つかないぐらいにスタンダードであって。この世界は3次元では済まないというのはもう仕方ないと考えられている。量子力学では明示的に言わなかったけど、超弦理論に量子力学が接続していくんだとしたらむしろ次元の高い部分が量子に関与しない理由は、少なくても、完全禁止されるほどのいわれはないだろう!
だから、量子論における虚数は・・・この実際の物理空間の中で高次元側に量子が出てる、ないし最低でも「膨らんでる」と考えそこでのふるまいも記述しているからこそ、i、虚数を式に出すと良いのではないか?と考えるとなんかよさそうな気がしてくるんだよね。
これは似てるけど、よくあるトンデモとは違って、きわめて単なる数学的な意味合いと、物理としての要請に従った話でしかない。なので妖しい話ではなくて、単なる普通の解釈であり、そこでの何か不思議な挙動をそのままでは全く要請しない。単に本来この世界にあるはずの別次元方向に振る舞いが出てるねーって話だと思える。
これについては、量子なるものの今まで言われてきている物理的な定性的な性質と実はものすごく相性がいいのです。ちょっと例を挙げよう。
まず電子とかクォークなど素粒子と呼ばれるもの。これは実は本来も粒だなんて言ってる場合ではなく。なぜかというと「大きさが存在しない=0??」いや粒だって言ってるが大きさ0の粒ってそもそもおかしいでしょう?そこに質量あるって??密度どうなるのさ??しかも電子にはもちろん電荷もあるぞ?しっかり詳細に計測されている電荷が。
Wikipedia の電子
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E5%AD%90
どんだけ正確に出てるのさ。それでこの質量や電荷が大きさ0の「粒にある」などと言ったりしてる。もうそこで破綻してるだろ??そこは密度も電荷の傾きも無限大です。繰り込み理論がガー!!とか言ってるんだけど、
破綻してるよ。それ。
次元が高いという意味
こういう場合、2次元人には高さは永遠に見えない。0.0001mmでも上にあったらもう何をしても触れない。無限大の高さになってしまうのと同じ。つまりこの無限大を説明するにはむしろ高次元に電子の存在が「膨らんでる」と考えたらこんな話は自分たちが単に3次元しか見えてないからわけわからなくなるんだ、って事に実際にできるじゃないですか。
電磁気学にもあるかもだけど、いやむしろないものだ、と言われていた概念があってそれが「ベクトルポテンシャル」。このベクトルポテンシャルは実際に日本の外村彰
氏が1986年「アハラノフ-ボーム効果」としていわば「存在を確認(と言わない人たちもいるけど)」したんだけど、(この話はまた別にして)、この人は別に実際の2次元膜上の「磁束量子」=「準粒子」ができる過程も写真で撮影していて、その写真を見ると、2次元の膜の上から、まさにこの準粒子が条件がそろって出現すると同時に「ぽっこり」と「面の上に」高く盛り上がっていたんだよね。
【磁束量子の動きの撮影の発表記事】
https://www.jst.go.jp/pr/announce/19990129/
[超伝導磁束量子の観察法と全方位磁場印加機構] http://microscopy.or.jp/archive/magazine/48_3/pdf/48-3-169.pdf より引用
じぶんはそれを昔見てよく覚えていたし、準粒子は実際には「量子」であって、フォノンなども含めてそして、素粒子が「超弦」の1形態であるならますますこの描像が、2次元の中のものが3次元に膨らんでいるのと同様に、電子などがもう1次元高い次元方向に「ぽっこり膨らんでいる」と考える描像が思い浮かぶでしょう???
自分たちは3次元人で4次元は普段見えない(極小に縮退してる)としても、そちらに電子はエネルギー的に3次元空間内だけでは安定できなくなって、膨らんでるものだ、と考えたらいいのではないか?と。
読んでる人たちちょっと飛躍しているように感じるでしょう。でもこれを支持するようなもっといろんな話や事実がある。そこをまた次回以降述べていきたいです。
今回の結論
今回は量子力学にも出てくる謎の数字、虚数(複素数)について、実際の正体は何なのか、考えてみました。要は数学的な扱う処理系の「数学的な次元」を上げるための仕組みだっただけで、別にどこも虚なものではないよね。みんなロマン感じすぎだよ。でもそれを物理空間に使うと、このリアルな世界の高次元を扱う事になる?ありゃまたロマンが?w って話でした。