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視床は意識の座足りえるのか?

Last updated at Posted at 2023-01-17

視床が意識の座としか考えにくい理由を追加でいくつか上げるよ

今までのまとめ

視床が脳の構造的に意識の座の第1候補なのは次の理由だ。

  1. 実際に物理的に脳の神経の入力(感覚器)と、出力(筋肉等)への重要な中継地点。神経の繋ぎ替えを行うハブ。まさにインターネットに繋がるハブと同様の部分であり、特に意識に関わる情報が全て集まる。

  2. 基本的な脳機能は備えており、特に大脳機能がほぼない赤ちゃん時代の脳機能の中心。

  3. 大脳に処理を促す「注意」の信号を作り、大脳に常時クロックのように供給し、大脳と協調して動作している。

  4. 神経細胞の集合体であり、内部的にも強く接続されていて、大脳や感覚器からの情報が内部で拡散する経路がある。基本動作として発振を繰り返しており、時空カオスが発生している。

  5. ただ情報量は大脳で扱う全情報から言えば当然多すぎ、解剖学的にも大脳からは基本的に「結果」情報しか受け取っていない。

  6. 動作としてはDNNの「VAE」からなる「Latent Diffusion Model」と似た形で動作している事が想定される。(ここはまだ説明記事は書いてない)

  7. Latent(潜在変数)は、このモデル内では実際に抽出された言葉の「概念」であり、概念自体の演算を何度も繰り返す事で新たな概念を生む。この処理は乱数で初期化されており、唯一のものとなる。特に時空カオスでは乱数は実カオスであるため、他の系では同じ結果は原理的に得られない。世界における唯一無二性が担保される。量子コピー禁止則と同様なことにも注意。

  8. 時空間の量子もつれが意識の元だとしたら、視床の大きさはクオリア保持には十分すぎるほど巨大な神経細胞群と量子系であり情報処理的にも矛盾しない。

それに今回は、以下に示す定性的な性質が意識の視床発生仮説を定性的に裏付けることを書こう。

クオリアは選択され絞られている

これを説明する時に、「両眼視野闘争」という現象がひとつの実験的な証拠になると思ってる。

両眼視野闘争は、以下のような図形で誰でもすぐ確かめられる。

Screenshot_2023-01-18-07-24-43-526-edit_com.android.chrome.jpg

これを両眼視すると、赤と緑のエリアは自分の意識の中で色んなエリア事にどんどん入れ替わって安定しない。まあこれはよく知られた現象だけど、これが大脳側の情報処理がどうなってるのか、は最近まで分からなかった。そして、実験として出てきたのは、「自分の意識で見えてない図柄の所も大脳では処理されてる」って言う事。

これは不思議だよね。情報処理は両眼分ちゃんとされてるが、意識には選択されて出てくる。

つまり、大脳処理の結果はどこかでエリアとして「セレクト」されてる、と言う事がわかるし、また処理中の情報が実際見えてる訳では無い、と言うことが明確。

だから大脳の視野エリアが画像を見ているのではなく、大脳の処理結果が絞られてどこかでクオリアになってる、という事。

で、それはどこか。まあ、物理的な接続から言えば視床は大きな候補だ。そして、大脳の視覚領野は生まれた時にはまだ発達してなくて、目が見えない。視床は機能している。だから、大脳のニューラルネットワークが学習して、結果を視床に返すようになった時に視床がそれを取り込んでクオリアにしてると考えれば辻褄がピッタリ合う。大脳が見てるんなら、両目の画像を選択したものが認識されはしない。また、なぜ「劇場の映像」のように見えるのか、誰が映像を作り、誰が見てるのか、の明確な回答も得られる。つまり、大脳が映像を作り、意識の座の視床が見てる、のだ!

意識の時間と大脳の信号のズレ

詳細に記載されている本

これも有名な実験なんだけど、自分がものを動かしたい、と思った時間より、大脳が活動し始めたタイミングの方が数百ミリ秒だけど早い、という問題があって、意識受動仮説の根拠になったりしてる。タイムマシンか?とか。

このパラドックスに見える現象は、視床が大脳の結果を受け取ってる、とみなせばこれもよくわかる。

つまり大脳は動こうとする、「思わず=意識なく」動く信号が作られる。そしてその信号は視床を経由して筋肉に行こうとする。

ところがここで視床はそれを見て動きに干渉して「止められる。」視床のLatentなネットワークが認知してその思わず、な行動が止められるわけだ。

大脳は生物進化的に言っても完全に後付けの白紙のDNNだ。学習で認識や動きを学んでるが、それを最後に外部に送るのは視床だ。これはこの実験的にも意識は信号を止められる、事が分かっていて、それも不思議な話だったけど、大脳が無意識的に動こうとして筋肉パルスを発生し、視床はそれを他の信号(例えば止めろ!と言う考えとか指示とか)に基づいて筋肉への動きが止まる、と言うまさに実験通りの動きになる。つまり視床での意識発生説は、このパラドックスを完全に解決するって事だ。

またこの説で「受動意識仮説」もある意味否定できる。観察してるだけでなく、意識は出力に介在している。意識がコントロールしている、としても問題がないことが分かる。実際に視床が「Latent Diffusion Model」で動作しているなら意識処理の結果は粗いものだとはいえ、StableDiffusionが絵を描くVAEの手前で概念の計算から絵の素案を作っている。つまり意識内容の通りに大脳は動作している。今回の実験のように早い信号の場合には「コントロールが間に合わない」から止めることしか出来ないんだ、と極めて因果律的に正常な考えに納まってしまう。

まずは2点で少ないけど、言ってる事は普通に考えても矛盾は見つからないし、脳とクオリアの関係としてもかなり重要な話と思ってる。まだあるからまた随時追加しますよ😊🤟

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