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SORACOMAdvent Calendar 2019

Day 14

SORACOM LTE-M Button Plusを使って福祉機器を作ってみた話

Last updated at Posted at 2019-12-14

これはSORACOM Advent Calendar 2019の14日目の記事です。
E&I山口です。弊社では飯塚市の総合せき損センターと共同研究で、障がい者向けの機器を開発、販売しています。
これまで開発してきた製品
 スイッチスマホコール2   スイッチI/Fで電話コール/着信(スマホと接続)
 スイッチ補助具       スイッチI/Fで物理的なボタンを押すSwitchBotを制御
 スイッチLINEコール     スイッチI/FでLINEメッセージ、スタンプ送信、IP電話コール/着信(スマホと接続)
 Picot(高齢者見守り装置)  スイッチI/Fでスマホに通知する見守り装置
image.png        image.png

 これらの製品と特長として、入力端子としてイヤフォンジャック(3.5Φmm)のON/OFF信号を入力する機能があることです。この入力I/Fは福祉機器関係ではよく使われていて、異常状態などのON信号を伝える場合はこのような単純なI/Fで十分です。なにより、細かい仕様が無くて単純な分、色々なメーカーの製品を接続することができます。

 例えばALS患者さんは体の動く部分が限られてスマホのタッチパネルの操作もつらいので、動く体の一部で押してスイッチを入れたり、息の吹きかけなどでON信号を作っていろいろな機器を制御する方法を使われています。
 声が出れば、Amazon EchoとかGoogle Homeは最強なツールになるはずですが、残念ながら声もあまり出ない人が多かったりして、前述のスイッチ操作に頼らざるを得ないみたいです。また、離床センサやドアセンサなども、単純にON状態を伝えるために3.5Φmmプラグで出力する場合が多いようです。

 このような福祉機器装置のON信号を伝える装置として、SORACOM LTE-M Button Plusが相性が良さそうなので、利用者が簡単に登録して直ぐに使えるサービスとしてリリースしました。別にWiFi機器でもよさげですが、意外と高齢者宅ではWiFiがない場合が多いし接続も手間取るので、そのまま使えるLTE-Mは便利です。

#スイッチテレコールの概要
紹介動画
 付属のI/Fハーネス(試供品とHPには書いてある?)はそのままだとすぐ切れるので、太いワイヤーに変更しイヤフォンジャックを取り付けました
image.png

今回はボタン押下のイベントからの処理を動的に変えたりする必要があったので、SORACOM Beam経由で
会社のサーバーにつないでます。

システム図
image.png

SORACOM Beam
 WebHookのUDPtoHTTPに会社システムのAPI(URL)を設定します
 
会社サーバー(API)
 ソラコムボタンのIDにより処理(送信先)を変える必要があったので、今回はBeamから会社のAPIを呼び出しました。
 APIではSORACOMからHeadとBodyに端末の情報が送られてくるので、取り出します。取り出した情報と、DBに登録してあるデーターを基に、処理する部分を振り分けます(サービス契約者が選択して登録)。

 E-mail
 LINE(LINE Bot経由)
 SMS(Twilio経由)
 電話(Twilio経由)

これで、サービス契約したユーザーは製品を受け取ったその日から、メールやLINEの通知が使用できることになります。

#SORACOM LTE-M Button Plusの残念な点
・マイコンを直接常げない ⇒ I/F BOXを作りました
 SORACOM LTE-M Button PlusのI/Fは接点の短絡が必要ですが、そのままマイコンの制御信号は使えないので何らかの変換回路が必要です。リレーを使う方法もありますが、今回はコンパクトにしたいためにフォトカプラ、MC4066(電子スイッチ)を使ってみました。

image.png

これで、自作のArduino やラズパイを使った装置とも接続できます。トイレセンサーではトイレから立った時と、トイレに長時間座っている時などを信号の種類(短押し、2度押し、長押し)を分けて通知することができますね:smile:

・簡易位置情報が使えない(使いにくい) ⇒ 自動ボタン押しBOXを作りました
image.png

 SORACOM LTE-M Button Plusは簡易位置情報(無線基地局の位置と電波強度から位置を求める)が出せるようになっているので、車いすに付けて位置補足用に使えますが、難点はボタンを押したときにしか位置情報が取れないことです。

 したがって連続的(定期的に)に位置情報を得るためにはボタンを定期的にポチポチ押すか、信号線を定期的に短絡する仕組みを作る必要があります...。

 現実的な使用方法を考えると定期的にボタンを押すのはまず無理なので、信号線を定期的に短絡する付加回路を作成することにしました。

・マイコンでON信号を連続発生(5-30分)する。
・通常はスリープ状態で定期的にスリープから起動して発信する。
・2度押しの信号を出力する(短押し、長押しはSOS信号として使用)
  
*この内容の詳細は別記事でまとめます(https://qiita.com/ikuyama10/items/ea63eba28f3921193ba6)。

#まとめ
SORACOM LTE-M Button Plusは福祉機器と相性ばっちりでした。
色々なものものがアイディア次第で簡単に接続できますので、今後の展開が楽しみです。

余談
ふるさと納税を使ったクラウドファンディングを始めました。
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